第八十七話 動物発見隊その六
「ライゾウに決まってるわよ」
「それもそうね」
「そうそう、帰ったら」
話が家に帰った時のことに移った。
「餌やらないとね、ライゾウの」
「ライゾウだけじゃなくて」
他にも色々といるのだった。
「腹ペコもいるし」
「そうそう、他にも一杯ね」
腹ペコも飼っている猫だ。雌の雉猫である。ペットショップで見た時に随分痩せていたのでこの名前になった。なおこの二匹の名付け親は三人である。ベンの介入を防いだ例だ。
「餌あげないと」
「ウツボガメスにはジャガイモでいいわよね」
「昨日のあれよね」
「そう、あれ」
他のペットにも話が及ぶ。
「生のままでいいわよね」
「いいと思うわよ。皮のままでね」
こうも話される。その間にさっきのスコティの後ろから一人の小さな女の子がやって来た。そしてその猫をそっと抱き抱えたのであった。
「やっぱり飼い猫だったわね」
「そうね」
三人は女の子とスコティを見て話をする。見れば女の子はまだ小学生のようだ。小さくで可愛い金髪の少女だ。スコティを抱く姿が絵になっている。
「何ていうか。可愛いわよね」
「猫が?それとも女の子が?」
「両方よ」
ルーシーはにこりと笑って姉に答えた。
「何か。どちらもね」
「そうね。それにしても」
ケイトが言う。
「やっぱりうちのライゾウの方がいいかしら」
「ライゾウもねえ。あれで悪さしなかったら」
実は家のペットの中で一番悪いのだ。何かにつけて悪さをするので三人にとっては一番手のかかる存在なのだ。しかしそれでも可愛いのだった。
「いいんだけれど」
「全くよ」
笑顔で話しているのが何よりの証拠だった。
「帰ったら何してるかしら」
「寝てるんじゃない?」
猫だけあってライゾウも非常によく寝るのだ。
「それか普通にしてるか」
「普通ね」
「そう、普通」
今度はケイトがクララに述べていた。
「昼は大人しいから」
「そうなのよね」
ルーシーがケイトの今の言葉に頷いた。
「お昼はね。ライゾウ大人しいわよね」
「そのかわり夜よ」
猫は元々夜行性である。
「夜悪さするのよね、いつも」
「そうなのよね。本当に」
「全く」
姉と妹がそれぞれ応えた。
「朝なんかいつも御飯食べるのだって遅いのに」
「夜になると元気なんだから」
「そもそもよ」
ルーシーは首を捻りながら言った。
「ライゾウって最初に家に来た時大人しかったわよね」
「大人しいものなんてものじゃなかったわよ」
クララが彼女に応えた。
「隅っこに逃げてガタガタ震えて」
「何日もそうだったわよね」
ケイトもその時のことを話す。ライゾウも最初はそうだったのだ。家で一番の悪童も。
「それが今ではあれ」
「どうしたものかしら」
「そういえばよ」
またルーシーが言った。
「ペットショップでライゾウ買った時」
「ああ、あの時」
「大人しそうだったわよね」
こうクララに述べた。
「ショボーーーンとした感じで」
「そうそう」
そんな顔で店先にいたのである。そのライゾウという猫は。
小説・詩ランキング
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。