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第七十二話 大勝負その七
「それどこか俺が聞きたいです」
 マルコはメアリーの顔をじっと見ていた。そうして彼女に問い返すのであった。
「俺でいいんですよ」
「ええ」
 メアリーはそのにこりとした笑みのままでマルコに対して答えるのであった。
「逆に言えば貴方でなければ駄目よ」
「俺もです」
 マルコもまた答えた。はっきりとした声で。
「メアリーさんでなければ駄目です」
「有り難う」
 メアリーはマルコのその言葉を受けて微笑んでみせた。
「その言葉、二日間ずっと楽しみにしていたのよ」
「俺もです」
 それはマルコも同じであった。
「これを言うことをずっと考えていました」
「同じなのね、私達は」
「そうですね」
 マルコはまたメアリーの言葉に頷いた。
「俺達って。何か」
「年上だけれどいいわよね」
「年下ですけれどいいですね」
 二人は互いに聞き合う。
「それで」
「いいのよ。だってマルコ君が好きだから」
「俺もです」
 そしてマルコもまたメアリーの言葉に己の言葉を返す。
「メアリーさんだからです」
「わかったわ。じゃあこれから宜しくね」
「こちらこそ」
 こうして二人は目出度くカップルとなったのであった。二日の間がかえって二人の仲を親密なものにしていたのだった。会わずともであった。
 それをトムとセドリックは横で見ていた。しかし二人がカップルになったのを確かめるとセドリックがトムに対して囁いたのであった。
「ねえ。僕達は」
「どっかに消えようってこと?」
「そういうこと」
 こうトムに提案するのだった。
「お邪魔虫だからね」
「そうだね」
 そしてトムもセドリックのその言葉に応えて頷く。
「後はもう二人だけの世界だしね」
「そうだよ。だから」
 そこをまた言うセドリックだった。
「消えよう。いいよね」
「うん。わかったよ」
 セドリックの言葉に対してにこりと笑ってみせた。
「それじゃあね」
「こっそりとね」
 二人は笑顔で見詰め合っているその横をそっと過ぎ去る。そうして二人で並んで話をするのであった。
「予想通りだったね」
「そうだね」
 トムはまたセドリックの言葉に頷いていた。
「けれど何かほっとするね」
「終わりはわかっていてもね」
 今度はセドリックが応えた。にこやかな顔でトムの言葉を聞いていた。
「やっぱりいい終わりになると嬉しいよね」
「うん」
 トムはまた頷く。
「やっぱりハッピーエンドが一番だよ」
「その通りだよ」
 二人はこう言い合う。
「若しだよ」
 セドリックはハッピーエンドが一番であると確認し合ったところであらためてトムに対して問うた。
「マルコがメアリーを受け入れなかったらどうしていたの?トムは」
「付き合わないって言った場合のこと?」
「うん。その逆も」
 セドリックはそこが気になったのであった。それでトムに問うたのだ。
「どうしていたの、その場合は」
「考えてなかったよ」 
 トムは首を少し傾げさせてセドリックに答えた。
「絶対に大丈夫だって思っていたから」
「それは何で?」
「メアリーがね」
 まずはメアリーに対して言及した。
「マルコのこと僕に前から結構聞いていたんだ」
「最初からまんざらじゃなかったんだね」
「それにマルコもね」
 今度はマルコについて言う。
「僕の家に来たらメアリーをチラチラと見ていたから」
「気付いていたんだ」
「多分二人は気付いていないよ」
 二人を合わせてこう分析するのだった。
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