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第七話 音楽は一つにあらずその一
                   音楽は一つにあらず
 クラスでは遊び人で有名なダイアナ。彼女は音楽にかけてはかなり五月蝿い。
「やっぱりここはこうよね」
「そうなるの?」
 アンのアシスタントであるルビーを相談役に新曲の作詞作曲に余念がない。この日もギター片手に昼休みの教室でそれをしていた。
「そうよ、それでね」
「ふんふん」
 ルビーは彼女の言葉に頷いていた、まずは話を聞いている。
「ここはこうなって」
「そしてここはこうね」
「どうかしら?」
 説明したうえでルビーに問う。
「そんな感じでさ、曲のリズムは」
「悪くないと思うわ」
 ルビーはまずそう答えた。
「けれどね」
「まずい?」
「ううん、ただここをね」
「うん」
 ルビーは楽譜に赤ペンで書き込みを入れてきた。
「こうしたらどうかな」
「そこをそうするの?」
「そうしたらもっといいと思うけれど」
「そうねえ」
 ダイアナはそれを聞いて顎に手を当てて考え込む。
「そうなると」
「おっ、事件か!?」
「事件ならあたし達にお任せね」
「ああ、あんた達は関係ないから」
 後ろに湧いて出て来たテンボとジャッキーは振り向きもせずあしらう。
「じゃあ試しに弾いてみるね」
「それがいいと思うわ」
「それじゃあ」
 ギターを弾きはじめる。まずはダイアナのオリジナル。
「こっちはこうよね」
「ええ」
「それでルビーのは」
 そちらも弾く。するとダイアナはあることに気付いた。
「成程ね」
「どう?」
「ルビーの方がいいかもね」
 ダイアナは述べた。
「こっちの方が最後が引き締まってるわ」
「そう思う?」
「ええ。私のオリジナルよりね。こっちがいいわね」
「じゃあこの曲はこうね」
「うん」
「作詞の方はいいの?」
「一応こんな感じ」
 今度は楽譜ではなくノートを出してきた。銀河語で色々と書き込まれている。
「二曲でね。一曲目はこうで」
「二曲目がそれね」
 ルビーはノートに目を通して述べた。
「こっちはどうかしら」
「詞はそれでいいと思うわ」
「有り難う」
「じゃあこの曲はこれで終わりね」
「とりあえずはね」
「じゃあもう一曲は」
「こっちはバラードだけれど」
「それなら私がいいのを知っているわ」
 ここでもう一人出て来た。白い髪に黒い瞳。そして黒がかったラテン系のそれに似た肌にふわりとした淡い黄色の服。顔立ちは白人のものでやや彫が深い。.何処かこちらの世界のものとは思えない雰囲気を醸し出している少女であった。
「ウェンディ」
 二人は彼女に顔を向けてその名を呼んだ。彼女の名はウェンディ=イクナートン。このクラスの生徒の一人でセネガルからの生徒である。
「こう言った感じでね」
 そして二人の前に楽譜とノートを出してきた。二人はすぐにそれに目をやる。
「これが」
「ええ。私のオリジナルのバラード」
 ウェンディは答えた。
「どうかしら」
「はっきり言うよ」
 ダイアナはウェンディに顔を向けて言ってきた。
「ええ、いいわ」
 悪い言葉かな、とルビーは思った。だがそれはいい意味で裏切られたのであった。
「いいじゃない、この曲」
「有り難う」
「しっとりとした感じでね。あたしはヘビメタだけれどこの曲はいいと思うよ」
「よかったら使って」
 ウェンディはそれを聞いたうえでこう申し出てきた。
「私のこの曲」
「いいのかい?あんたは演奏しないのかい?」
「私は気が向いた時に」
 彼女は答える。
「演奏させてもらうわ」
「そうかい」
「そうよ」
「じゃあこっちもあんたが気が向いた時に頼むな」
「わかったわ。じゃあ」
「ああ。それでなルビー」
「ええ。ウェンディもよかったら来て」
 彼女も話に誘う。
「どんな曲かね。貴女自身にも観てもらいたいし」
「悪いけれど今日は駄目なの」
「何かあるの?」
 ダイアナがそれに尋ねる。
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