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第二百七十一話 奇行は続くその二
「今何時だと思ってるんだ」
「何時か?」
「何時かって?」
「とっくに一時間目はじまってるんだぞ」
「あっ、そういうあんたは」
「生徒指導の先生の一人じゃない」
「そうだよ。たまたま今は授業がなくてな」
 先生は二人に言っていく。見れば身長は二メートルを超えている。
「それで御前等を待っていたんだ」
「あれっ、何でですか?」
「何で待ってたんですか?」
「遅刻の生徒怒る為だ」
 それでだというのだ。
「風紀強化週間だからな」
「じゃあ先生もまさか」
「ルパンの手先なんですか」
「何でそうなるんだ」
 先生は呆れながら二人に突っ込みを入れる。
「先生がルパンの手先か」
「だって俺達を待っていたんですよね」
「それなら」
「そんな設定ははじめて聞いたぞ」
 この先生は常識人だ。だからこう突っ込み返したのだ。
「その前は何だった?モリアーティ教授だったな」
「そうですよ。あのジャン=バルジャンを操っていた」
「フレンチ警部のライバルの」
 二人の設定は何もかもが間違っている。だが二人は気付かない。
「あの男ですか」
「あの男も再び出て来たんですね」
「モリアーティ教授は死んだだろうが」
 先生が言うのはコナン=ドイルの原作の教授である。
「ホームズと一緒に崖に落ちてな」
「いや、あいつは不死身ですから」
「だから千年以上も生きてるんですよ」
「そこまでいったら仙人だろ」
 また突っ込みを入れる先生だった。
「何処をどうやったらそんな滅茶苦茶な話になるんだ」
「じゃあ違うっていうんですか」
「あたし達の天才の推理は」
「とにかくだ」
 埒が明かないと見てだ。先生は話を切った。そうしてだ。二人に対してだ。あらためてこう言ったのである。生活指導の先生として。
「とにかく今から反省文書け」
「反省文?」
「何でですか?」
「遅刻したからだ」
 ペナルティとしてはかなり緩やかだった。
「それかさっさと授業に行け」
「授業ですか」
「そういえば一時間目はじまってるんですよね」
「昼休みに先生のところに来い」
 随分と温情を見せる先生だった。
「それで反省文を持って来い」
「わかりました。それじゃあ」
「今から授業に出ます」
「早く行け」
 何だかんだで優しい先生だった。
「全く。何でこんなに遅れたんだ」
「ちょっとルパンに捕まっていまして」
「それでなんです」
 あくまでこう考えている二人だった。
「いや、大変でした」
「警官に変装していましたから」
「また警察に迷惑をかけたんだな」
 先生は真相を即座に察した。
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