ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
第四十一話 御前が犯人だその三
「別にいいわね」
「じゃあ強化スタンガンとか護衛用の武装ロボットとかも」
「・・・・・・あんた、そんなの持ってるの」
 またしてもセドリックの無邪気な笑顔の下のドス黒さに引く。
「何処でどうやって」
「何でもないよ」
 しかし当の本人に自覚はない。勿論自分の黒さにも。
「些細な護身用のね」
「まあいいわ」
 怖くなったのでこれ以上は聞かなかった。ビームガン程度は出そうだったからだ。
「とにかく各自警棒とかは持っていてね」
「うん」
「わかったよ」
 セドリックはまた善人面に戻った。
「それじゃあ五時半に学校の正門ね」
「了解」
 ルビーの言葉に頷く。こうしておおよそのことは決まったのであった。
 五時半になった。三人はそれぞれ集まっていた。
 皆その手にバットや警棒を持っている。武装して頭にはヘルメットを被っている。もう夕刻で世界が赤くなってきていた。その中で集まったのであった。
「まあこれ位ならね」
 ルビーは二人、とりわけセドリックの武装を見てまずは安心であった。
「別にいいわね」
「それでさ、ルビー」
 ロミオがルビーに問うてきた。
「罠の用意は何処に?」
「もうお店に頼んでるわ」
「お店に?」
「ええ」
 ルビーはにこりと笑って二人に答えてきた。
「お店にね」
「そんなので足りるの?」
 セドリックはいぶかしみながらルビーに問うた。
「相手は恐竜だよ。それでお店で買えるものって」
「普通にあるじゃない」
 しかしルビーの問いは相変わらずだった。
「だからよ。別に構わないじゃない」
「言われてみればそうだけれど」
 それでも腑に落ちないのだ。彼にとっては相手が恐竜、しかも凶暴な肉食恐竜と考えているからかなり警戒しているのだ。そういうことであった。
「それでも」
「気楽そうだっていうのかしら」
「そうだよ」
 セドリックは言う。
「相手が相手だから」
「まあ見ていてって」
 それでも彼女の態度は相変わらずだ。そのせいでどうにも困ってしまう。
「悪いことにはならないから」
「そう。じゃあ」
 ロミオがそれに頷いてみせてきた。
「君に任せるよ。いいね」
「是非お任せあれ」
 二人に笑ってこう返す。
「ハッピーエンドはすぐそこよ」
 こうしてルビーと二人は穏やかな罠と鶏肉を買ってセドリックのアパートに向かう。そうして程よいところで三人で罠を仕掛けたのであった。
「さて、と」
 ロミオは罠を仕掛け終わったところでセドリックとルビーに声をかける。外は完全に真っ暗になっていた。懐中電灯を頼りにした簡単な仕事だった。
「これでいいよね」
「ええ、これで充分よ」
 ラフなものだがそれでもルビーは気にも止めない。
「これでね」
「あのさ」
 ロミオは罠にとても自信がなかった。だから彼女に問うのだった。
「これで本当にいいんだよね」
「だからいいのよ」
 しかしルビーの答えは変わらない。
小説・詩ランキングsite_access.php?citi_id=254078182&size=200cont_access.php?citi_cont_id=766008103&size=200


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。