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第四十一話 御前が犯人だその二
「じゃあ今から打ち合わせしよう」
「よし、思い立ったが吉日」
 ロミオは顔を上げて言う。
「それでいいよね」
「僕の部屋でね」
「よし」
 こうして彼等は一旦セドリックのアパートに入った。そこで怪物対策について細かい打ち合わせに入った。次の日には彼等は早速捜索班を結成していたのであった。
「恐竜、ねえ」
「そうだよ、どうやら逃げ出したらしいんだ」
 二人は教室でもヘルメットやら様々な道具を持って捜索隊結成を謳って皆に対して情報収集を呼び掛けていた。その二人を前にしてルビーが呆れ顔で見ていたのである。
「それでなんだよ」
「本当に危ないんだ」
「けれどね。待ってよ」
 しかしルビーは必死な二人に冷静な声で述べてきた。
「恐竜よね」
「そうだよ」
「暗がりでよく見えなかったけれど」
「暗がりって」
 そこにまず突っ込みどころを見つけたがあえて言わなかった。
「あれは間違いないよ」
「ティラノザウルスだよ、まだ若いみたいだけれど」
 ロミオもセドリックももう完全に自分の見たものを恐竜だと信じ込んでしまっていた。人は己の信じたいものを信じる。彼等もまたそれは同じであった。
「そんなの放っておけないじゃないか」
「そうだろう?ルビー」
「確かにね」
 ルビーもそれには頷く。しかし納得したわけではない。
「けれどね」
「けれど。じゃないよ」
 ロミオがそこに突っ込みを入れる。
「本当に大変なことだから」
「わかって欲しいんだよ」
「わかったわよ」
 仕方なくそう返した。
「じゃあ協力させてもらうわ」
 少し考える顔をしてから言うのであった。
「それでいいわよね」
「うん、是非」
 ロミオが明るい顔で応える。
「これで三人だね」
「頼むよ、ルビー」
 セドリックも笑顔でルビーの手を握る。手を握られた彼女は顔を少し赤くさせた。
「あの、ちょっと」
「あっ、御免」
「悪いけれど気をつけてね」
 顔を赤らめさせたまま述べる。
「それでね。私の考えだけれど」
「うん」
「どんな考え?」
「いい?ここはね」  
 ずい、と二人の方に顔を突き出して述べる。
「罠を張るのよ」
「罠!?」
「そうよ」
 彼女は今度は胸を張って述べてきた。
「まあ任せて。悪いようにはしないから」
「そんなに言うんだったら」
 ロミオとしては反対する理由はなかった。素直に頷いてきた。
「僕は別にいいけれど」
「テンボとジャッキーは呼ばないんだね」
「何であの二人呼ぶのよ」
 セドリックの何気ない爆弾発言に思わず顔を顰めさせた。
「話が滅茶苦茶になるし解決しないでしょ」
「いや、罠にさ」
 またしてもさりげなく酷いことを言う。
「使うのかなって思って」
「私は鬼じゃないから」
 流石にそれは否定する。
「そんなことはしないわよ」
「そうなんだ」
「そうよ」
 はっきりと答える。
「だからオーソドックスな罠だから」
「けれどあれだよ」
 セドリックはまた言ってきた。結構しつこい感じである。
「やっぱり生身の餌ってさ」
「あんたは鬼かい」
 ルビーはセドリックの素朴な毒のある言葉に引いた。額から冷や汗が出て仕方がない。
「それにあの二人今風紀部の監視下だから」
「何だ」
「何だってね」
 ルビーも言葉がない。
「とにかく。放課後よ」
「今日のだね」
「ええ。それでいいわね」
 そうロミオに問う。それからセドリックにも顔を向ける。
「普通にやるから」
「それじゃあ」
「全く。何をするつもりだったのやら」
「いや、だから生餌で」
「それから離れなさい。それにね」
 ここで彼女は二人に告げてきた。
「多分恐竜とかそういうのじゃないから」
「どうかな、それは」
 セドリックは今度は善人面になっていた。その顔でルビーに述べるのであった。
「わからないよ」
「そう、わからないわよね」
 ルビーもそこを指摘してきた。実は彼女は同じものを見ていたのだ。だがそれへの考え方が違っていたのだ。そういうことであった。二人はやや過剰だったのだ。
「だからよ」
「ううん、どうかなあ」
 しかしロミオはそれを聞いてもまだ懐疑的な様子であった。
「上手くいけばいいけれど」
「いくわよ」
 ルビーはにこりと微笑んで二人に答える。
「絶対にね」
「一応さ」
 ロミオはそれでも不安なのかルビーに対して言う。
「安全は確保しておかないと」
「警棒とかバットは必要だよね」
「まあそれ位はね」
 セドリックの提案だがこれにはルビーも同意してきた。考える目で頷いてきた。
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