第二百六十九話 補習その一
補習
風紀強化週間を前にしてだ。学園内で追試の話が出ていた。それを聞いてだ。
アンがだ。こうルビーに話した。
「うちのクラスはあの三人ね」
「ええ。フランツとね」
「テンボとジャッキーね」
「そう、あの三人よ」
二年S1組の三馬鹿である。この三人の追試が決まっていた。
「あの三人が決まってるわ」
「フランツも確かに学校の勉強駄目だけれど」
アンは心配している顔で話す。
「それでもね。まだ留年はなりそうになりけれど」
「普通義務教育で留年にはならないし」
「けれどテンボとジャッキーはね」
問題はこの二人だった。
「本当に留年しそうなのね」
「全教科一桁よ」
ルビーもこのことを言う。
「それも入学以来だから」
「それか零点かよね」
「当然通信簿はオール一で」
二十段階で、である。この学園の通信簿は二十段階だ。
「普通ないからね」
「普通じゃないからなのね」
「そう、留年よ」
成績があまりにも酷いからである。例外処置としてだ。
「それが言われてるから」
「ううん、義務教育で成績で留年って」
「この学園史上はじめてらしいわよ」
千年以上の歴史を誇る八条学園においてもである。82
「実際になったらね」
「っていうか連合でそういう人いたかしら」
「いないんじゃないの?」
義務教育だからだ。それも当然だ。
「本当にね」
「前代未聞ね」
「しかも不祥事ばかり起こしてるし」
その推理活動の結果起こることである。
「それじゃあ幾ら何でも」
「留年が現実になるのもなのね」
「普通になるわよね」
「普通じゃない二人だから」
普通でない人間には普通でない処置が行われるのも世の摂理だ。
だからだとだ。アンもルビーも気付いたのだ。
そうしてだ。アンはあらためてだ。ルビーにこんなことを話した。
「今ちょっと閃いたんだけれど」
「漫画のことよね」
「そう。それこそ義務教育課程で留年しまくっているキャラクターね」
そうしたキャラを閃いたというのだ。
「そういうのどうかしら」
「ギャグ漫画じゃ結構いそうだけれど」
「そうね。言われてみればね」
アンもだ。ルビーに言われてふと気付いたのだった。
「いるわよね。結構」
「ギャグ漫画ってそうした桁外れにあれなキャラを出すから」
ギャグ漫画のこうしたところはこの時代でも変わらない。
「まあそういうキャラはね」
「珍しくないわね」
「まあね。特にね」
問題はないとだ。ルビーはアンに話した。
「だから。どうせ書くのなら」
「あの二人そのままモデルにした方がいいかしら」
「漫画みたいな性格してるし、二人共」
それもギャグ漫画のである。
「頭の構造もね」
「そうよね。じゃああの二人そのままモデルにしようかしら」
実際にこう言うアンだった。
小説・詩ランキング
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。