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第二百六十七話 お握りと炒飯その四
「気をつけないとな」
「ペットで買ったり食べたりするよね」
 ネロが言うのはこのことだった。
「特に食べたら美味しいけれど」
「確かにな。鰐を食べることはな」
「フックもなんだね」
「嫌いじゃない」
 実際にそうだというのだ。
「ステーキにしても唐揚げにしてもな」
「美味しいよね」
「ああ、鶏肉に似た味で少し癖があるけれどな」
「それでもいいよね」
「タイでもよく食う」
 連合では四本足のものは机や椅子の他は全部食べる。海や河のものは船以外、空は飛行機以外、二本足は人間以外全て食べるのだ。
 タイでもそれは同じでだ。食べるというのだ。
 フック自身もだ。食べものとしての鰐はというと。
「今でも結構食べるからな」
「それで嫌いっていうのは」
「何かおかしいよね」
 ネロだけでなくフックも言う。
「その叔父さんは災難だったけれど」
「それでも」
「そうか?俺は別に」
 どうかとだ。フック自身は少し目を顰めさせて返す。
「おかしいとは思わないがな」
「ううん、だから食べることは好きなのに」
「それでも。嫌いっていうのはね」
「ちょっと違うんじゃ」
「そうじゃないの?」
「そうか?」
 また言うフックだった。
「俺は特に思わないが」
「まあフックがそう思うのならいいけれど」
「別に」
 こうだ。彼等は言うのだった。そしてだ。話を切り替えたのだった。
「まあ。パトラッシュはね」
「ラッシーもね」
 彼等のそのパートナー達はだというのだ。
「犬ができることは全部できるから」
「何でも使ってね」
「悪いな」
 フックは表情を戻してだ。彼等に礼を述べた。
 そしてだった。あらためてだ。
 そのパトラッシュとラッシーにだ。それぞれメモ用紙を渡してだ。
 それからだ。二匹に言った。
「パトラッシュは八百屋さんで」
「ワン」
「ラッシーは肉屋さんだ」
「ワン」
 二匹もそれぞれ応える。
「宜しく頼むな、追加な」
「じゃあ僕達はだね」
「二匹が買い物してる間にも」
「ああ、管の店に行ってな」
 その会場に行ってだというのだ。
「料理の準備をしような」
「よし、それではだ」
 ギルバートもここで言う。
「今から行くとしよう」
「鍋も持って行ってね」
 コゼットはその肝心の鍋を見て言った。それはまさに宇宙を飛ぶあの円盤の如き巨大さだった。
 そうした料理器具や食材を持って管の家族が経営している学園内の和食の食堂に行く。そこにはもう日系組の面々が集まっていた。
 日系組の五人の丁度真ん中にいた七海がだ。フックに対して言った。
「勝負よね」
「ああ、お握りか炒飯のな」
「正直何か違う様な気がするけれど」
「そっちが考えた展開じゃないよな」
「普通に皆でお握りを食べるだけだったのよ」
 日系組が考えたのはそうしたお握りパーティーだった。
 しかしだ。フックがそれに炒飯をぶつけてくることになった。
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