第三十八話 恐怖の生活指導その三
「ここに紙があるか?」
「それもそうか」
「じゃあ何なんだろう」
「これこそが我が風紀部の恐怖の切り札なのだ」
白服の部員の一人は述べる。
「この山羊こそがな」
「まさか」
「そんなことが」
「山羊の怖さがわかっていないのか」
彼等は得意げに言う。
「この山羊こそは」
「では諸君」
先生は生徒達に声をかける。
「いいな」
「それでは」
「同志よ」
彼等は仲間達で言い合う。
「塩だ」
「わかった」
「予定通りだな」
「塩って何なんだろうね」
「さてな」
ジャッキーとテンボは言い合う。何が何なのかわかりはしない。
「何が出るかお楽しみだが」
「何なんだろう」
すると彼等は二人の足の裏に塩を塗ってきたのだ。
「美容かしら」
「それはない」
先生がジャッキーに答える。
「ここは生徒指導室だ。それでは」
「わかったぞ」
テンボは直感で何かを悟った。
「この塩は先生が舐める為だ。先生」
きっとして先生を見てきて言う。
「あんた、変態だったんだな」
「そうだったの」
ジャッキーもそれを言われてきっと先生を見やる。
「何て趣味なのよ」
「人の足の裏を舐めて塩分を取るなんて」
「あのな」
流石にその言葉には先生も呆れ顔であった。
「何処の世界にそんな趣味の変態さんがいるのだ?こっちが聞いてみたいぞ」
「あれっ、違うんですか?」
「違う」
はっきりと言い切ってきた。
「そんな訳がない。そもそも塩なぞ普通に舐めればいい」
「そうですか」
「こいつ等本当に推理研究会か?」
「馬鹿っ」
風紀部員達はここで口々に述べ合う。
「推理研究会の最終隔離対象なんだぞ、こいつ等は」
「最終隔離対象か」
「そうだ。とにかく滅茶苦茶なことで有名なんだからな」
二年S1組ではフランツと並んでクラスの三馬鹿である。その脳細胞のあれっぷりでは勝てる者はいないとさえ言われているのである。
「そうか。じゃあ」
「当たった試しがない」
当たるどころか何処をどうやったらそうなるのか不思議な推理が次々と行われていくのあ。おかげであの洪童すら彼等を意図的に遠ざけている程である。
「だからここにいるのか」
「そういうことだ」
彼等は囁き合う。
「だから。連中の言うことは聞き流せ。わかったな」
「ああ」
「さて」
先生はまた二人に顔を向けてきた。
「覚悟はいいな、二人共」
「といってもなあ」
「一体塩なんか塗って」
「何か忘れていないか?」
先生は二人に問う。
「大切なものをな」
「大切な、なあ」
「白い服から妖しげなオーラを放ってエナジーを奪うとか?」
「風紀部は何処の特撮の悪役だ?」
「何なんだよ、そりゃ」
その白服の男達をそれを聞いて言い合う。そんな訳がないのである。
「山羊だ」
先生は言う。
「この山羊を使う」
「ああ、これね」
ジャッキーはここでやっと山羊に気付く。
「この山羊に秘密があったのね」
「何だと思っていたんだ」
「わざわざ山羊を連れて来たのは」
委員達は述べる。
「恐怖の仕置きの為だ」
「恐怖の仕置きって」
「一体」
「さあ山羊よ」
先生がここで山羊を二人の足にやって来た。
小説・詩ランキング
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。