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第三十七話 華の四姉妹その六
 あれこれ話している間にギャラクティカ=ファントムの用意は出来てきていた。ボトルにそれぞれ流し込む一応は普通の酒に見えるようにした。ここで遂にメインゲストがやって来た。
「おっ、まだいたの」
 最初にやって来たのはジョーであった。
「美味しそうね、これはまた」
「楽しんでるのかしら」
 続いてピアノが止まり暫くしてベスがやって来た。
「お酒を」
「よかったら私達も入っていいかしら」
 にこやかにメグも入って来る。
「どう?」
「ええ、どうぞどうぞ」
 トムが皆を代表して述べる。
「その為に特別のお酒を用意しましたから」
「特別の?」
「はい、これです」
 三人並んでソファーに座った三人にギャラクティカ=ファントムを入れたボトルを差し出した。
「どうぞ」
「特別のお酒です」
 確かに特別なお酒であった。飲んだらそのまま意識が吹っ飛んでしまいかねないようなとんでもないものであるが特別なことは特別であった。
「ですから」
「私達にくれるんだね」
 ジョーはそのボトルを見て目を輝かせてきた。
「このお酒」
「その為に用意しましたからね」
 フックが上機嫌で答える。
「ささ、どうぞ」
「何か悪いわ」
 メグは右手を頬に当てて述べた。
「いきなりそんなものを頂いて」
「いやあ、俺達お邪魔させてもらってますし」
「酔い潰れてる馬鹿もいますし」
 カムイのことである。見れば床の上で死体のように転がっている。本当に半分以上死んでいるようである。
「ですからそれはお気遣いなく」
「ささ、だから」
「それじゃあ」
 ベスが応えてきた。
「頂いていいかしら」
「ささ、どうぞ」
「まずはぐいっと」
 皆三人にしきりに酒を勧める。彼等はそれを受けて飲む。これが史上最悪の悪夢のはじまりであった。
 暫くして。エイミーの家は地獄絵図になっていた。
「もうないの!?」
 ドスの聞いた声であった。その声の主ベスはしきりに皆に絡んで酒をせがんでいた。
「は、はいこちらに」
「どうぞ」
「ビールね」
「そうです」
 ジョルジュがそれに答える。
「宜しければどうぞ・・・・・・って」
 言う前に瓶をひったくられる。ベスはそのままビールをラッパ飲みしだした。
 それからまた飲む。最早無差別であった。
「ふう」
 服の袖で口を拭う。それまでのお嬢様の姿は何処にもなかった。
「おかわり」
「へっ!?」
「おかわりつってんのよ」
 横にいるジョルジュに対して言う。酒を持って来させまたラッパ飲みする。今度はワインであったがその調子は全く変わってはいなかった。
「いいわね」
「はい、畏まりました」
 それに頷いて今度はウイスキーを持って来た。しかしそれもすぐに飲み干してしまう。どうにも無茶苦茶な有様であった。そしてそれはベスだけではなかった。
「うふふ、そうなのよ」
 メグは左右に女の子達をはべらせて上機嫌で笑っていた。
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