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第三十七話 華の四姉妹その二
「だから余計に」
「よし」
 ここでジョルジュが言う。
「俺がその秘密を解こう」
「あんたは駄目よ」
 しかしエイミーはすぐに彼女を止める。
「何でだよ」
「フォーカスするつもりでしょ」
「さて」
 目を横にやってとぼける。当然ながら図星である。
「何のことやら」
「それは絶対に許さないからね」
 釘を刺してきた。
「わかったわね」
「ちぇっ、じゃあどうするんだよ」
「居直ったわね。まあいいわ」
「いいのかよ」
 エイミーにフックが突っ込みを入れる。
「本題じゃないから。それにしてもよ」
 話をその本題に少しばかり強引に戻してきた。
「とにかくどうしてなのか。私も心配なのよ」
「それじゃあいい考えがあるわよ」
「蝉玉」
 ここで蝉玉が一同のところにやって来た。
「人間ってのはそう簡単には素顔はわからないものなのよ」
「そうなんだ」
「ええ、そうよ」
 隣にやって来たスターリングにそう返す。
「そうですね。ですから妖術で無意識から」
「それは置いておいて」
 セーラのとんでもない言葉はまず置く。ここから話が大変な方向に全速力で向かっていくのが目に見えているからである。今は妖術は不要であった。
「その素顔を出すには」
「素顔を出すには」
 エイミーは蝉玉と顔を見合わせてその言葉を繰り返す。
「お酒よ」
 蝉玉はここで不敵に笑ってきた。
「いいわね、お酒を使うのよ」
「成程」
 エイミーはその言葉にニヤリと笑って返す。
「その手があったわね」
「わかったわね」
「ええ。それならね」
 そのうえでまた応える。
「やってみるわ。それじゃあ」
「よし」
 ここで皆名乗り出て来た。酒とくれば、である。
「おい、酒だ酒」
「とりあえず安い酒目一杯買おうぜ」
「つまみもな」
 彼等は絶妙のチームワークで次々に言う。見ればその目が輝いている。
 こうして準備は瞬く間に整えられエイミーのアパートに向かうことになった。事前にエイミーが姉達に声をかけるのであった。
「あっ、お姉ちゃん?うん、私」
 姉達にそれぞれ述べる。
「今日アパートで皆でパーティーやるから。うん、お姉ちゃん達も」
「決まりね」
 三人へのそれぞれの電話が終わったところで蝉玉が彼女に声をかけてきた。
「これで」
「ええ」
 エイミーはにこりと笑って彼女に応える。
「そういえば」
「何?」
 今度は蝉玉がふと気付いたように声をあげるエイミーに問うた。
「いや、お姉ちゃん達だけれどね」
「ええ」
「実はコンパとかで一緒に飲んだ男の人多いんだ」
「そうなの」
「けれど皆そんなお姉ちゃん達に何もしないしお付き合いもそれだけ。何でだろ」
「何か気になるわね、それって」
 蝉玉もそれについて述べる。
「何でかしら」
「考えてみれば不思議ね」
 エイミーも言う。
「どうしてか」
「まあそんなことはどうでもいいじゃない」
 スターリングが横から二人に言う。
「今日は皆で楽しく」
「あんたは何持って来るの?」
「僕はバーボン」
 そう二人に語る。
「それとビーフジャーキーだね」
「中々いいわね」
「そう言ってもらえると有り難いよ。蝉玉は?」
「私は桂花陳酒」
 蝉玉はこう述べてきた。
「それとお饅頭ね」
「いいね、それも」
「そうでしょ。まあお姉さん達と飲みましょう」
「そうだね。楽しくね」
「スターリングも蝉玉もいいわね」
 エイミーはそんな二人を見てすっと笑みを浮かべてきた。
「どうして?」
「だって」
 スターリングに応えて述べる。
「カップルでさ。そういうのってやっぱりいいわ」
「蝉玉も彼氏作ったら?」
「何かね」
 笑みが少し寂しげなものになった。
「ちょっと相手がいなくてね」
「そうなの」
「自分でも残念だけれどね。まあいつかはね」
 そう言って首を傾げる。それからまた述べた。
「それはいいとして。ほら」
 二人に対して話題を変えてきた。
「あれよ、ここぞとばかりに浮かれてる奴等もいるし」
「カムイとか洪童とかね」
 あのもてないコンビである。あまりにものもてなさとそれに対する破天荒な行動から最近は二人並んで馬鹿兄弟呼ばわりされている。
「あいつ等もチェックね」
「あとテンボとジャッキーが来られないってさ」
 スターリングが述べてきた。
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