第三十七話 華の四姉妹その一
華の四姉妹
春香の騒動の元の一つになったジョーは言うまでもなくエイミーの姉である。これはもうクラスの誰もがよく知っていることである。
それと同時に彼女の他に姉が三人いることも知られている。ジョーが二番目で一番上がメグ、三番目がべスとなっている。それぞれ凄い美人で有名である。
「俺がメグさんが好き」
フックが言う。
「ああした大人のおしとやかさがいいな」
「俺はべスさんだな」
もてない男カムイの好みはベスであった。
「あの大人しくて音楽を愛するところが」
「ジョーさんもいいんじゃないのか?」
ジョルジュが言ってきた。
「健康的でさ」
「誰が誰か言い難いな」
トムは言う。
「本当に」
「全くだよ」
「三人が三人共美人でな」
「私は入ってないのね」
四人にエイミーが言ってきた。
「失礼しちゃうわ」
「いやいや、エイミーだって」
四人は慌てて彼女に言う。
「絵が上手だしさ」
「活発だし」
「調子いいんだから」
四人の言葉を聞いてその顔をむくれさせてみせる。
「全く」
「まあまあ」
「それにしてもだ」
ギルバートがここで出て来て述べる。
「皆が皆それぞれ個性が違うな」
「ああ、わかる?」
エイミーはギルバートの言葉に応えて彼に顔を向けてきた。
「うん、エイミー君が絵だな」
「描くのは好きよ。何でもね」
「漫画はしないな」
「私は美術系統なのよ。アンは漫画系統でね」
「そうか」
「そういうこと」
そうギルバート達に述べる。述べながら姉達に話を移してきた。
「メグ姉さんは御裁縫が好きでジョー姉さんは本、それでベス姉さんは音楽ね」
「何かそれぞれってやつだな」
「あんたの写真にも負けないわよ」
くすりと笑ってジョルジュに返してきた。
「凄いんだから、私よりもずっとね」
「いやいや、エイミーだって凄いじゃねえか」
カムイが彼女に述べてきた。
「この前コンクールで大賞取ったじゃねえか」
「有り難う」
その言葉にくすりと笑みを浮かべてみせてきた。
「そう言って貰えると嬉しいわ」
「フランツもそうだけれど才能ってやつだな」
「いや、フランツの才能は」
エイミーはフックの言葉には首を傾げて苦笑いになっていた。
「かなり変な方向に暴走してるから」
「けれど才能はあるだろ」
「それはね」
これは大いに認めるところである。確かにフランツは天才だ。一字変えることのできる天才だ。
「あることはあるけれど」
「まあな」
「あれで頭がまともだったらな」
彼等はそのフランツを見る。また教室で漫画を読んで勝手に感動している。
「おおお!その通りだ!」
格闘漫画を読んで喚いている。
「俺は感動した!燃えろ俺のコスモよ!」
「・・・・・・コスモって何だよ」
「また訳わかんねえこと言ってるよ」
「とにかくね」
エイミーは彼を放置して話を続ける。
「お姉ちゃん達はね。そういうのもあって人気なのよ」
「うんうん」
「俺達も好きだしね」
「けれどね。どういうわけか」
ここで彼女は腕を組んで考えはじめる。
「彼氏の噂ってないのよね。どうしてなのかしら」
「おい、そうなのか」
フックがその言葉に驚く。
「あの顔で」
「嘘を言っても仕方ないじゃない」
そう彼に言葉を返す。
「そうでしょ?」
「まあな」
「おい待て、それじゃあ」
カムイが身を乗り出してエイミーに問うてきた。
「今フリーってことかよ」
「今だけじゃなくて今までもね」
エイミーはこう返事を返す。
「下手したらこれからも」
「それは意外だな」
ギルバートはそれを聞いて呟く。
「あの人達がそうだとは」
「そうでしょ。何でかしらね」
「何かあるのかも知れないよ」
トムも腕を組んでいる。考えながら彼も述べる。
「それだと」
「私もそう思うのよ。けれど理由がわからなくて」
「性格はいいよな」
「ええ」
フックに答える。
「それは私が保証するわ。お姉ちゃん達の性格はね」
姉三人は性格もいいことで知られている。メグは穏やかで包容力がありジョーは明朗で面倒見がいい。ベスは物静かで親切だ。彼女達はその性格のよさでも知られているのだ。
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