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第二百四十二話 一時間その三
「それでは我々もだ」
「帰りますか」
「検証の後で」
「帰るのは翌朝以降になるな」
 それは長引くというのである。
「仕事はまだあるからな」
「むしろこれからですかね」
「証拠があれば手に入れて」
 とはいってもだ。それはどうかというとだ。彼等も話す。
「ルパンが証拠を残すとは思えませんけれど」
「残念ながら」
「それはないな」
 警視はこのことには断言した。
「あのルパンだ。流石にな」
「ですね。けれどそれでも」
「証拠は調べますか」
「万全を期す」 
 警察の常識だ。警察というものは完璧主義に徹する組織だ。官僚機構というか役所というものはそうだが警察は特にそうなのである。
 それでだった。警視は話すのだった。
「だからだ」
「では。早速ですね」
「念の為の警戒をそのままにして」
「証拠物件の調査ですね」
「指紋もありますかね」
 この時代でもそれはかなり重要な証拠となるのだった。
 そういったものが調べられていく。しかしだ。
 セーラ達はだ。こう警視に話をされた。
「ここからは完全に警察の仕事なので」
「私達はですね」
「これで終わりですね」
「はい、終わりです」
 警視はラメダスとベッキーに話した。
「とりあえずはですが」
「そうですか。それでは」
「私達はこれで帰っていいのですね」
「御疲れ様でした」
 警視は三人に笑顔で話す。
「御屋敷に帰りゆっくりとお休み下さい」
「けれどあれですね」
 ここで警官の一人が何気なく述べた。
「今から帰られても。休まれる時間はあまりないですね」
「いえ、それは大丈夫です」
 セーラがその言葉に笑顔で述べた。
「異空間で休みますので」
「異空間!?」
「といいますと」
「そこは」
 こう言われてだ。また唖然となる警官達だった。
 そしてそのうえでだ。その唖然となった顔でセーラに尋ねるのだった。
「セーラさんが行かれてですか」
「それで休まれる場所ですか」
「お嬢様はこちらの空間とあちらの空間を自由に行き来できるのです」
 ラメダスがその彼等に説明する。
「そこはこちらの世界と時間の流れが違いまして」
「こちらの一時間はあちらの十時間になります」
 ベッキーも説明する。
「尚その十時間は年齢的には一時間になります」
「何か便利ですね」
「その十時間でかなりのことができますよ」
「確かに」
 警官達はそれを聞いてまた驚くことになった。
 その驚く顔でだ。さらに話すのだった。
「じゃあその十時間で寝たり休んだりして」
「残りで他のことできますよね」
「勉強したりとかトレーニングとか」
「必要とあらば二十四時間が二百四十時間に」
 つまり十日分のものがあるというのだ。
「いや、かなり便利ですね」
「そうした世界に行けるなんて」
「はい。ただ」
 それでもだと。ベッキーはここで話す。そのことについてだ。
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