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第二百三十七話 偽物に騙されてその三
 風紀部員がだ。こう彼等に話してきた。
「後はあの二人はね」
「やっぱり説教部屋行き?」
「生徒指導室?」
「うん、ロシュフォール先生の出番だから」
 彼等の顧問である。通称秘密警察長官という。
「僕達は二人を先生に引き渡してね」
「あんた達の仕事も終わり」
「そうなるのね」
「そうだよ。本当によかったよ」
 そのことを喜んでいるのがわかる返事だった。
「何はともあれね」
「後はルパンね」
「その怪盗ね」
 二人以外にもだ。彼の問題があった。
「あの怪盗はどうしたものかしら」
「このままじゃ盗まれるし」
「どうしたものかしら」
「そっちは」
「何とかなって欲しいけれどね」
 風紀部員の言葉から力がなくなった。願望のそれになっていた。
「けれど。それはね」
「あんた達の仕事じゃない」
「そういうことなんだ」
「警察や探偵の仕事だから」
 そちらだというのである。そしてそれはまさにその通りだった。
「僕達には何もできないよ」
「残念ながら」
「そうなのね」
「結局は」
「うん、そうだよ」
 こう答えるのだった。
「どうなるのか心配だけれど」
「誰かいたらいいけれどね」
「ルパンの相手になる人」
「本当に誰かいたら」
「いてくれたら」
 歌劇部員達もだ。それを心配していた。
 そしてそのうえでだ。彼等はだ。
 テンボとジャッキーが連行されていくのを見届けてからだ。お互いに顔を見合わせて話をした。
「じゃあまた」
「練習を再開しようか」
「そうしよう」
 こうしてだった。歌劇部は普通の日常に戻ったのだった。とりあえずお騒がせコンビのことは奇麗に忘れてしまってうえで、である。
 しかしその忘れることにされてしまった二人はだ。連行されてもだった。
「離せ!俺達を自由にしろ!」
「さもないとあいつが暴れるのよ!」
「あの怪盗天本博士が!」
「あの博士の相手をできるのは私達だけよ!」
 連行する歌劇部員達はとりあえずその言葉を聞いていた。
 しかし話を聞くその顔は呆れたものでだ。こう言うのだった。
「あの博士って怪盗だったか?」
「初耳だよ」
「天本博士はものは盗まないぞ」
 そうしたことには興味がないのである。博士はだ。
「ものを破壊したりしてもな」
「生体実験とかはしてもな」
「ものを盗むってのはな」
「一切ないからな」
「それで何でなんだ?」
 二人の思考がだ。どうしてもわからないのだった。
「何でそれで怪盗になるんだよ」
「マッドサイエンティストってんなら納得できるけれどな」
「それでもな」
 それでもだという彼等だった。そしてだ。
 彼等は二人を連行していく。連行する先はだ。
 やはり生徒指導室である。そこではロシュフォール先生が呆れる顔でいた。そのうえでその席に座っているのだった。そうしてだった。
 後ろに横一列に立って座っている風紀部員達にだ。こう声をかけた。
「またか」
「はい、またです」
「またやらかしました」
 まさにやらかしたであった。
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