第二百三十二話 マリオネットその四
「もっと。人間位の大きさで」
「番犬になるみたいな恐竜がいいですけれど」
「ああ、それだったら」
それを聞いてだ。部員が出してきた恐竜は。
「空がいいかな」
「空?」
「空っていいますと」
「プテラノドンだよ」
空を飛ぶ恐竜、翼竜の代表的存在である。長い嘴とその広い翼がそのトレードマークである。全体的に蝙蝠を思わせるシルエットである。
「それでどうかな」
「プテラノドンか」
「それですか」
「それなら何匹か貸せるよ」
しかもそれは一匹ではなかった。
「それでどうかな」
「どうする?」
「そうね」
マチアとコゼットはここで顔を見合わせて相談した。
「ここはな」
「それにする?プテラノドンに」
「しかしな。空か」
「それが問題なのね」
「いや」
しかしだった。マチアはここで考える顔になって言うのだった。
「それもかえっていいかもな」
「空からだとなのね」
「ああ、空からの方がよく見える」
それでだというマチアだった。
「だからな」
「そうなのね。それじゃあ」
コゼットもマチアのその言葉に頷いた。そしてだった。
二人はだ。部員に顔を戻して話すのであった。
「それじゃあプテラノドンね」
「御願いします」
「よし、じゃあ」
こうしてだった。話は決まりだった。
二人はだ。そのプテラノドン達を借りてだ。謎のマリオネット達を探し出しそのうえでだ。退治することにしたのであった。そうしてであった。
夜空にだ。二人は空を飛ぶのだった。プテラノドンの背中に乗りだ。
二人で一頭に乗っている。他のプテラノドン達はその二人が乗っているものについていっている。丁度編隊の形になっている。
その中でだ。コゼットはまたマチアに尋ねた。
「ねえ」
「何だ」
「この事態予想した?」
彼女がここで尋ねるのはこのことだった。
「恐竜に乗って空を飛ぶって」
「いや」
その問いには首を横に振っての返答だった。
「全然だ」
「そうよね。犬じゃなかったらね」
「普通は他の動物だな」
「ましてや恐竜なんてね」
「おまけに翼竜だ」
サプライズにサプライズが重なっていた。
「こんなことは流石にな」
「思いも寄らなかったわね」
「そうだよ。しかし」
「しかし?」
「よく見えるな」
翼竜から下を覗き込んで言うのであった。
「何もかもがな」
「そうね。道を普通に歩くよりもね」
「町全体が見える」
このことにだ。マチアもコゼットも満足しているのだった。
「これっていい感じねえ」
「かえってこっちの方がいいか」
マチアは上から町全体を見ながらこうも言った。
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