第二百三十一話 モザイク国家その四
「カナダの地味さって」
「それで極めつけにまでなった」
「そうしたものだったんだ」
「かなり深刻だったのね」
そのことを強く自覚する二人だった。しかしである。
「けれどそれでもね」
「そうよね」
二人で話す。カナダ人同士で。
「頑張っていけばね」
「少しずつでもよくなるわよね」
「まあ頑張ってね」
蝉玉もそんな彼等の国を応援する。
「少しずつやっていけばいいから」
「よし、それじゃあ」
「何時かはアメリカや中国みたいに目立つわよ」
「うん、それじゃあね」
「少しずつ努力していって」
スターリングと蝉玉が話す。そうしてであった。
二人は今度はだ。ゲームセンターに入った。赤や黄色の独特な、極彩色の店の中にこれまた派手なゲームが揃っている。四人はその中に入った。
そしてそのうえでだ。トムがしたものは。
「これしようか」
「そうね、それいいわね」
メアリーも頷く。二人はUFOキャッチャーの傍に来た。その中にあったのは。
「ぬいぐるみだけれどやっぱり派手だね」
「そうね。何ていうか」
そのぬいぐるみ達がだ。何かというとであった。
「アメコミチックだね」
「キャラクターの造詣がそうよね」
「ああ、これね」
そのアメリカ人のスターリングが二人に話す。ここでもだ。
「これ漫画のキャラクターだよ」
「やっぱりそうなんだ」
「アメリカの漫画のね」
「そうだよ。SF格闘漫画だよ」
そうした漫画だというのである。
「ミュータントや宇宙人が入り乱れて戦うね」
「何か聞いたことあるような」
「そんな世界ね」
「そうかもね。有名な漫画だし」
二人の言葉を否定しないスターリングだった。
「日本でもコミックス売られてるよ」
「あっ、そうなんだ」
「日本でもなの」
「うん、本屋に普通に売ってるよ」
そうだというのである。
「面白いから。読んでみたら?」
「わかったよ。じゃあね」
「探してくるわ」
二人もスターリングのその言葉に頷く。そうしてであった。
そのUFOキャッチャーを楽しむ。しかし楽しんだだけだった。
ぬいぐるみを獲ることはできないでいた。二人共だ。
「あれっ、何かこれって」
「かなり難しくない?」
「思うように動けないし」
「どうなってるのよ」
「あれっ、そうかしら」
蝉玉は難しいという二人のそのぼやきに目をしばたかせて返す。
「私は別にそうは思わないけれど」
「思わない?」
「そうなの?」
「それ結構簡単なんじゃないかしら」
蝉玉が見たところそうなのだった。
「そのUFOキャッチャーって」
「そうかな」
「かなり難しいわよ」
「ちょっとやらせてみて」
ここでこう言ってきた彼女だった。
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