ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
第二百三十話 スパムパレードその五
 それでだ。疲れた顔になって言うのであった。
「まずはそれからかな」
「とにかく色々なものを食べてね」
「ううん、食べられればいいとか」
「そういうのは駄目なの」
「全然駄目だよ、美味しさを求めるうえではね」
「っていうかそれって」
 二人は今の彼等の言葉にも驚きを隠せなかった。
「何時の時代の話よ」
「連合の話には思えないけれど」
 連合ではだ。餓えはもう存在していない。連合で餓えという言葉が消えてからもう一千年以上経つ。宇宙進出からのことである。
「カナダって食べ物一杯あるのに」
「それでもそんなこと言うなんて」
「だから食べるものは限られてるんだ」
「どうしてもね」
「これは難しいな」
「とてもね」
 スターリングも蝉玉も美味しい筈のスパムバーガーを食べながら暗い顔になっている。美味しいものも二人のそれを止められなかった。
「何ていうかね」
「どうにかならないの、本当に」
「ううん、そうした文化は全部ケベックに持っていかれて」
「フランス系は」
 フランスが即ち美食なのであった。
「あの王様みたいな人はね」
「カナダにはいないから」
「駄目に駄目を重ねて」
「そんな感じね」
「駄目って言われても」
「それでも」
 カナダ人たちにとってはだ。そうしたこともだった。
「仕方ないじゃない」
「ねえ」
「まあ今すぐには無理だけれどね」
「どうしてもね」
 二人も今すぐにとは言わないのだった。そしてだ。
 スパム入りのスープも来た。スパムサラダもだ。
「まあさ。こういうのを食べて」
「勉強しましょう」
「うん、そうだね」
「それじゃあ」
 二人も頷きはする。話は聞いていた。
 しかし今すぐには無理でだ。とりあえずはスパム料理とはどういったものかをその舌で知るのだった。それが今なのだった。
 スパム料理を食べてからだ。一行はだ。
「それじゃあ今度はね」
「服を買いに行きましょう」
 トムとメアリーは今度はそれだというのだった。
「アメリカ直輸入の服をね」
「やっぱり派手な服が多いわよね」
「ああ、それは色々だよ」
 アメリカ人のスターリングが二人に答える。その彼等がだ。
「地味な服だって多いよ」
「そういえば今のスターリングの服って」
「そんなに派手じゃないわね」
 青いジーンズと白いシャツ、それに黒いジャケットである。その三つを着ている。確かにあまり派手とは言えない服装だった。
 その服装でだ。彼は話すのだった。
「じゃあ色々なんだ」
「服も」
「そうだよ」
 その通りだというのだった。
「アメリカ人っていても色々だしね」
「だからなんだ」
「それでなの」
「そうだよ。元々移民の国だし」
 それが大きかった。
「服は色々とあるよ」
「ううん、カナダはね」
「寒いからどうしても」
 ここでもだった。カナダの特徴が出るのであった。
「厚着になるからね」
「服も限られるのよね」
「ううん、服はそうなるかな」
 スターリングは料理の時よりもいささか軟化した態度だった。そうしてそのうえでだった。彼は服についてはこう話をするのだった。
「まあここは結構暖かいからね」
「そうした服も選んでいいんだね」
「そうなのね」
「そうだよ。まあ好きなの選んで」
 スターリングは二人に対してこう話した。
小説・詩ランキングsite_access.php?citi_id=254078182&size=200cont_access.php?citi_cont_id=766008103&size=200


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。