第二百二十八話 ブルーメロンその八
そしてだった。二人でその鹿肉の御握りも食べるのだった。
ここでだ。洪童はこんなことも言ってきた。
「なあ」
「何だよ」
「アイヌ人も本当にジャポニカ米好きなんだな」
「さっき話したろ、それ」
「まあな。確かにな」
「御握りは特にそうなんだな」
洪童は食べながらそのうえで納得した顔になっていた。
「ジャポニカ米か」
「粘りがいいからな」
「それだけか?」
「いや、米の風味もな」
それもいいというのだった。
「御握りにはそれだろ」
「それでか。そういえばな」
「御握りはもうジャポニカ米しかないだろ」
「いや、韓国じゃインディカ米のもあるぞ」
そうだというのだった。
「ちゃんとな」
「それ、ちゃんとっていうのか?」
「言うだろ」
洪童は二個目を食べ終えながら話す。
「やっぱりな」
「そうか?」
「ああ。それでな」
カムイは目を顰めさせる。洪童はその彼にさらに話してきた。
「インディカ米の御握りはな」
「こんなに粘りないだろ」
「結構ぼろぼろするな」
実際にそうだというのである。
「海苔で巻き止めてる感じだな」
「やっぱりそうか」
「味もそうか?」
そしてこうも言う洪童だった。
「こっちの方が合うか」
「そうだろ?御握りは日本とその兄弟国家が一番わかってるんだよ」
「それでか」
「それでだよ。こうした美味い御握りにもなるんだよ」
「言い切るな」
「言い切れるさ。実際にこの御握り美味いしな」
実物を目の前にしているのがだ。もっとも大きいのだった。
「だから言えるんだよ」
「韓国でも食うんだぞ」
「けれど韓国料理になってるか?」
「いや」
それは即座に否定する洪童だった。まさに一言だった。
「日本のファーストフードになってる」
「だろ?韓国のじゃないだろ」
「サンドイッチみたいな感じだな」
「そっちか」
「どっちかっていうとな。それでな」
「それで?」
「中にはキムチが入ってる」
ここでもキムチだった。
「白菜のキムチだけじゃなくて他のキムチも色々とな」
「キムチの他はないのかよ」
「あるけれどな。ただな」
ここでまた言う洪童だった。
「あれだな。中の具の味付けはな」
「辛いんだな」
「韓国だからな。それは外せないな」
「やっぱりそうか」
「だからそこは日本の御握りとは違うからな」
「アイヌのそれともだよな」
「米も違うしな」
また米の話もするのだった。それもだった。
「別物じゃないけれど似て非なるものかもな」
「微妙な違いだな」
「そうだよな。まあとにかくだ」
「韓国にも御握りはあるんだな」
「そういうことだよ。御握りにラーメンにハンバーガー」
この三つの料理の名前も出て来た。
「これは連合の何処にでもあるだろ」
「日本と中国とアメリカか」
「この三国の人間は連合の何処にもいるしな」
商売や他の様々な理由からである。ロシア人は案外他の国にはいないがこの三国は違うのだ。そうしてさらにであった。
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