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第二百二十七話 素朴な味付けその十一
「御飯でもパンでもな」
「だよな、確かにな」
「最後は主食を食べないとな」
「穀物をな」
「昔は食べなかったのです」
 それはリムルルも話してきた。
「狩猟民族でしたから」
「主食は肉とか魚か」
「そうだったんだな」
「はい、そうでした」
 また説明するリムルルだった。
「ですが。それが変わってです」
「ああ、その米とか麦が加わってか」
「それで大きく変わった」
「食生活が」
「で、こうしたものも食えるようになった」
「はい、食事が変わったのです」
 リムルルの言葉は続く。彼女はアイヌの歴史も話した。
「アイヌ料理が」
「アイヌ民族の料理っていってもそれか」
 カムイも神妙な顔になって頷きながら述べる。
「時代によって変わっていくんだな」
「はい、お米が入ったのはやっぱり大きかったです」
「米っていったらな」
 ここでまた言うカムイだった。
「日本のイメージが強いよな」
「そうですね。お米といえばやっぱりですね」
「ああ、日本だよな」
 それだというのだった。日本と米はほぼイコールになっていた。
「影響強いんだな」
「このお店ではアイヌ料理本来の味にしています」
「それでも影響はあるんだな」
「否定するつもりもありませんし」
「ああ、それもないんだ」
「否定しても何にもなりませんから」
 だからだというのだった。かなり肯定的な考えだった。
「日本を否定して何か得られるでしょうか」
「何も得られないな」
 カムイはそのシト、つまり団子を食べながら話していく。
「というか失うものばかり多いな」
「ですから。日本の影響を肯定してです」
「そのうえで作ってるんだな、この店の料理って」
「そうなんです。ただ」
「ただ?」
 ここでだ。ナコルルとリムルルは困った苦笑いになった。そうしてだった。 
 二人でだ。その笑顔でこんなことを言ってきたのであった。
「デザートはないんです」
「山の果物位しか」
「お菓子はないんだな」
「はい、デザートは果物になります」
「それでいいですか?」
「ここで不満言ったら馬鹿だよな」
「なあ」
 カムイも洪童もそれはわきまえていた。彼等は確かに彼女がいない。しかしそこまで愚かでも人間性がおかしいのでもなかったのだ。
 それでだ。彼等は話すのだった。
「それで果物って」
「何かな、それでな」
「はい、メロンです」
「アイヌ連邦名物の」
 それだというのだ。アイヌ連邦は日本の北海道だった頃からメロンの栽培で有名である。そのメロンがデザートだというのである。
「それですけれど」
「いいですか?」
「えっ、メロンか」
 メロンと聞いてだった。カムイは満面の笑顔になって言うのだった。
「それはいいな」
「あっ、お好きなんですね」
「そうなんですね」
「アイヌメロンだよな」
 そのメロンの種類も尋ねるカムイだった。
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