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第三十三話 動物以下その二
「答えは既にあるんだよ」
 彼は目を閉じたまま述べる。
「いいかな、後はそれを推理していくだけ。それだけなんだ」
「またいつもの言葉ね」
 ジュディはそれを見て呆れた調子で述べる。
「それで当てたことないのに」
「それでもう一人は」
「あたしも動くわ」
 ジャッキーは行動型である。どちらにしろ出鱈目な推理をするということではテンボと同じなのであるが一応は行動型なのである。傍迷惑なことにである。
「じゃあちょっと行って来るわね」
「あっ、ジャッキーちゃん待って」
 肝心の彰子が呼び止めるがそれも耳に入らない。そのまま教室を駆け出していくのであった。まるで疾風のような動きであった。速さだけは。
「行っちゃった」
「絶対推理とかしていないよね」
 それを見てロミオが言う。
「間違いなくね」
 ジュディがそれに頷く。それはもうわかりきっていたことだ。
「さて、と」
 ジュディは次に安楽椅子の上のテンボを見た。彼は寝ていた。
「・・・・・・この男、マジで探偵?」
「らしいね」
 ロミオがそれに応える。
「そのまま寝てるじゃない、何よ」
「ここから推理するのかな。どうかな」
「さてね。起きてから様子を見ましょう」
 暫くして目を開けてきた。それから述べる。
「よし、全てはわかったよ」
「鼾かいていたのに?」
 ジュディが後ろでそれに突っ込みを入れるがテンボの耳には入りはしない。
「彰子ちゃん、ペンダントはね」
「ええ」
「学校の体育館の裏だよ」
「何で?」
「ねえジュディ」
 ロミオがその驚くべき推理を聞いてジュディに問うてきた。
「何でそんな結論になったと思う?」
「さあ」
 ジュディもそれはわかりかねる。ついつい首を傾げてしまう。
「どうしてかしらね。こればっかりはわからないわ」
「そうだよね。僕もちょっと」
 むしろ彼がどうしてそうした推理に至ったかの方が謎であった。テンボの恐るべき推理とは、ロミオとジュディはその結末を見て息を呑むのであった。
「犬のせいだよ」
「犬の?」
「そうだよ。犬が拾ってね、そこへやったんだ」
 彼はそう推理する。ロミオもジュディもそれを聞いて目が点になっていた。その中でぽつりと述べるのであった。
「これは流石に想像しなかったわ」
「そうだね、予想外だよ」
 二人はこう言う。呆気に取られていた。
「今から行って来る、じゃあね」
 そう言って去って行った。迷探偵二人は教室から姿を消した。後に残るのは彰子だけであった。依頼人を放置して勝手に行く始末であった。
「まあ何て言うかな」
 ジュディが彰子の前にやって来た。そして彰子に言う。
「絶対に外れてるから。安心してね」
「そうなの」
「あの二人の推理が当たったことってある?」
 ジュディは逆に彰子にこう問うた。
「ないでしょ?絶対に当たってないから」
「そうなんだ」
「けれどさ、ジュディ」
 ロミオが怪訝な顔でやって来て言う。
「それでも見つけないといけないのは変わらないよ。彰子ちゃんが妹さんの為に買ったものなんだから。そうでしょ?」
「それはわかってるわよ」 
 ジュディもそれはわかっている。だから頷く。
「そうね。これは私の勘よ」
「うん」
 ジュディが得意の勘を出してきた。むしろこちらの方がずっと頼りになると言っていい。彼女はそれを働かせて言うのであった。
「プレゼントは交番かあんたのお家よ」
「私のお家?」
「そう、どっちかにあるわ。何なら確かめてみて」
「わかったわ。じゃあまずは」
 携帯を取り出す。それでメールを入れる。
「誰に宛ててるの?」
「お母さんに」
 彰子は答える。
「今日お家にいるから。それで尋ねてみるわ」
「そこじゃなきゃ交番よ」
 ジュディは言う。
「安心して。これは話は終わるから」
「ええ」
 暫く経った。彰子の携帯にメールが返ってきた。そこにはジュディの予想通りの返事が書かれていたのであった。
「私の机の上にあるって。よかった」
「これで一件落着ね」
「そうね。ジュディちゃん、有り難う」
「どういたしまして」
 ジュディは笑って礼を返す。
「これで明香にプレゼントあげられるわ」
「そうね。ところで」
 もう一つ問題が出来ていたのだ。ジュディは今それを言う。
「あの二人は?」
「もうどっか行ったよ」
「何考えてるんだか」
 ジュディはロミオの言葉を聞いてまた呆れた声を出した。
「って学校飛び出たの」
「多分ね」
「また生活主導のロシュフォール先生にどやされるわよ」
 ジュディはそうぼやく。二人はあまりにも滅茶苦茶な行動により生活指導に睨まれているのである。本人達はそれに一向に気付いていないが。
「ミンチンの婆あならもっとあれだね」
「そうね。やれやれ」
 また溜息を吐き出す。
「本当に何を考えているのやら」
「間違った方向には色々考えているよ」
「そうみたいね。全く」
 ジュディが溜息をついていた頃二人は一緒に行動していた。そしてまた新しい謎を見つけてそれに推理を巡らせているのであった。
「このスープのダシは!」
「あれよ、あれ!」
 たまたま立ち寄ったラーメン屋でラーメンを食べながら騒いでいる。
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