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第三十二話 薬は恐ろしいその二
 参加者はほぼ全員であった。テンボとジャッキーだけがいない。
「あの馬鹿二人何処だよ」
 ロザリーが最後まで見つからなかった二人に対して言う。
「そのままどっか行ったらしいわ」
 コゼットがそれに答えて言う。
「犯人を探し出すって」
「またそんなこと言ってまともな推理なんてしない癖にな」
 ロザリーの言葉はまたしても辛辣であった。
「やれやれだよ。あの二人にも」
「まあいないんなら仕方ないよな」
 いないのはどうしようもなかった。携帯も勝手に切っている。二人は携帯が切れたのも気付かないことが多い。今回もどうやらそのようであった。
 二人は置いてジミーの家に向かうことになった。彼のアパートに着いた。
「ここね」
「外見はまともな家ね」
 ごく普通のアパートにごく普通の扉であった。特におかしなところは見当たらない。
「拾い食いするような馬鹿の家だからどんなのかと思ったけれど」
 今度はコゼットが言う。
「一応はまともね」
「外はね」
 ロザリーは一歩踏み込んだ発言をしていた。扉はごく普通の赤い扉である。
 チャイムを押す。すると疲れ果てたジミーの声が聞こえてきた。
「はい」
「ああ、ジミー?」
 アンジェレッタが彼に応える。
「お見舞いに来たわよ」
「お見舞い?」
「そうよ」
 彼女は彼の言葉に答える。
「何でも拾い食いしてお腹壊したそうじゃない」
「えっ!?」
 ジミーはそれを聞いて驚いた声をあげた。
「僕が!?」
「そうよ。だから皆で来たのに」
「皆で来たんだ」
 ジミーはおちらの方に驚いているようであった。
「悪いね、何か」
「それはいいさ。とにかくさ」
 ロザリーが彼に言う。
「開けてくれよ」
「わかったよ。じゃあ」
 ジミーはそれを受けて扉を開ける。するとそこから赤いパジャマのジミーが姿を現わした。
「悪いね、皆来てくれて」
 ナイトキャップを被ったジミーが皆に挨拶をする。皆彼に案内されて彼の部屋に入った。
 部屋の中は意外と片付いていた。綺麗なものである。
「あれ、拾い食いしたっていうからどれだけ散らかってるかって思ったけれど」
「意外と綺麗じゃない」
 ロザリーとコゼットは部屋の中を見回して言う。白と青のカラーリングで家具も質素な感じであった。よく掃除もされている。
「ところでさ」
 ジミーは皆に対して言う。
「何で僕が拾い食いしたってなってるの?」
「あれ、そうじゃないのか?」
 ロザリーはそれを聞いて目をパチクリさせる。
「だから来たんだぞ」
「拾い食いしたのは事実だけれどね」
 それは認める。
「けれどお腹は壊してないよ」
「じゃあ何で学校休んだの?」
 コゼットがそれに問う。
「風邪だよ」
 ジミーは答えた。
「風邪引いてね。それで」
「風邪!?」
「うん、昨日寒かったじゃない」
 彼は困った顔をして述べる。
「それでさ、つい。心配かけて御免ね」
「風邪だったのか。何かと思ったら」
「まあどっちにしろ学校を休んだのは本当ね」
 ロザリーとコゼットはあらためて述べる。結局は同じだったからだ。
「お薬は間に合わなかったけれど」
「ううん」
 しかしアンジェレッタはその言葉に首を横に振る。
「風邪薬も持ってるよ」
「持ってたんだ」
 皆それを聞いて言う。
「風邪薬とバンドエイドは基本よ」
 アンジェレッタはそれに応えて懐から薬を出す。
「常に持ってるわよ」
「それはいいけれど」
 コゼットはアンジェレッタが薬を出したのを見ながら述べる。
「いつもいつも何でも出て来るポケットね」
「だからいつも持っていないと危ないから」
「いや、そういう問題じゃなくてね」
 コゼットはさらに突っ込みを入れる。
「いつもいつも色々なものが出て来るなあって」
「そういえばそうだよな」
「どうやっていつもあれだけのものが入っているんだ?」
 皆それを見てまた述べる。
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