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第二百十六話 ジャパネスクその七
「マハーバーラタにラーマーヤナも入れました」
「えっ、ラーマーヤナもですか」
「それも入れて!?」
「それでなのですか」
「はい、そして」
 さらにあるのであった。
「他のマウリア神話の伝承も入れましたので」
「それで二百時間ですか」
「ううん、もう何が何だか」
「っていうか本当にマハーバーラタなんですか?」
「撮影にどれだけかかったんですか?」
「五年です」
 それだけだというのだ。
「そして費用は前にお話した通りです」
「ううん、超大作?」
「そんなレベルじゃないけれど」
「よくもそこまで」
「そうよね」
 皆予算についても考えて言った。
「無茶苦茶なんだけれど」
「マウリア人って映画好きなんだ」
「そこまでするって」
「映画は文化です」
 セーラは断言した。
「そうではないのですか?」
「いえ、その通り」
「それについては」
「もう何と言っても」
「その通りよ」 
 皆もそれは認めた。映画が文化だということはだ。この時代ではそう考えられているのだ。漫画やアニメにしてもそう捉えられている。
「ではそれにお金をかけるのはです」
「当然ってことかあ」
「つまりは」
「そういうことなんだ」
「はい、そうです」
 これがセーラの言いたいことであった。
「ですからどれだけお金をかけても」
「いいんだ」
「それで」
「確かに収益がなければなりません」
 それはだという。マウリアも資本主義である。資本主義ならば収益がなければ話にならない。理由は簡単で食べなければならないからだ。
「しかしそれでもです」
「お金はかけるのね」
「文化だから」
「それで」
「そうです。文化はお金をかけるものです」
 セーラはこうも言い加えた。
「時としては」
「時と場合による」
「それはなんだ」
「お金はかけなくていい時もあると思います」
 セーラはそれはわかっているかに思えた。ところがである。
「私のポケットマネーだけで充分な時も」
「セーラのポケットマネーで確か」
「テレビ番組作ってなかったっけ」
「何か特撮とか」
「今三本作っています」
 ポケットマネーだけで番組を三つ作っているセーラであった。
「大したことではないですよね」
「充分過ぎる程大したことだから」
「普通はないから」
「ポケットマネーで番組制作は」
「それではですが」
 周りの言葉に驚いてだ。こんなことも言うセーラであった。
「お小遣いで車を買うのは」
「それもないから」
「っていうかお金かけなくてもいいっていっても」
「元の規模が違うんだね」
「そうよね」
 皆このことを再認識することになった。
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