第二百五話 緑の地獄その五
「ジャングルに」
「まあね」
「車の中にいるし」
「それだと安全だしね」
皆何だかんだで行くというのだった。
「ちゃんとね。ただ」
「ただ?」
「車の外に一歩でも出たら駄目よね」
見れば彰子だった。
「車の外は」
「速攻で死ぬわよ」
こう話すレミだった。
「出たら」
「そうよね。やっぱり」
「本当に物凄い世界だから」
そしてさらに言うレミだった。
「殆ど世紀末とか地震の後の関東だから」
「わかったわ。それじゃあ」
「車からは絶対に出ないことね」
それだというのであった。
「動物園も水族館もそれは注意するし」
「言い換えればそれだけ危険」
「そういうことなのね」
「十メートルもある人食い鯰よ」
そんなものがいるからこそ怖いのだった。
「ジャガーもいるし」
「上から猛獣」
「水の中にも」
そうした存在で満ち満ちているという認識は変わらないのだった。
「それだったら余計にね」
「ここは」
「そうよ、注意してね」
このことは強く言われる。皆そのうえで動物園に水族館に向かうのだった。
そうしてだ。そこに入るとだ。
目の前に鬱蒼としただ。見事なジャングルがあった。その奥から不気味な声が聞こえてきている。まるで魔物の咆哮の様であった。
「ええと?」
「魔界?」
「何だろうあの声」
「中にいる動物の声よ」
レミが皆に対して答える。
「あれ全部ね」
「猿の声かしら、あれ」
「うん、そうだね」
ネロがアロアの質問に答える。
「あれはね」
「その他にも色々いるね」
猿だけではないというのであった。
「ジャガーもいるしオセロットもいるし。湖の中からの咆哮は」
「今度は何?」
「怪物とか?」
「恐竜かな」
それではというのだ。
「何かそれっぽいね」
「ええと。何かね」
レミはここで動物園のパンフレット、そのアマゾンのコーナーに関するものを見た。そこにはここにいる動物達のことも載っていた。
それを見るとだ。あまり会いたくない恐竜達も随分といた。
「会ったら速攻で餌になりそうなのばかりいるわね」
「エラスモサウルスにモササウルスかあ」
「肉食性のアーケロンって」
見ればかなり凶悪そうな種類のアーケロンまでいた。ワニガメの様な顔をしている。
「確かに車にいないと」
「確実に死ぬわね」
「この車にしてもね」
レミはパンフレットに書かれてある水中も潜れる水陸両用の車のことも読みながら話す。同時に凶悪な動物達のデータも見ている。
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