第二百話 シャバキ復活その三
「すぐに来て下さい」
「さもないと何するかわからないんで」
どうやら警察か軍隊に連絡しているらしい。シャバキという男は最早連合共通の危険人物である。歩く迷惑とまで言われている存在だ。
「御願いします」
「すぐに捕まえて下さい」
こう連絡される。そしてだった。
シャバキの絶叫を聞くのだった。今度言う言葉は。
「ナチスの残党だ!ラストバタリオンだ!」
この組織の名前が出て来たのだ。
「今それが出て来る!ヒトラーが復活したのだ!」
「ヒトラーか、今度は」
「そう来たか」
皆それを聞いて静かに呟いた。
「ハルマゲドンとかだと思ったんだけれどな」
「ソ連の復活とか言うとも思ったんだけれどな」
「サン=ジェルマン伯爵とかな」
とにかく無意味にネタの多い男なのである。
「それじゃなくてそう来たか」
「ナチスネタもよく出るよなあ」
「本当に」
「今ここにドイツ第四帝国が蘇る!」
エウロパとは言わないのがシャバキだ。
「そう、あのハーケンクロイツが禍々しく回転してだ!」
「言っている意味わかるか?」
「いいや」
カムイは洪童の問いに首を横に振る。
「理解できん」
「だよな。ハーケンクロイツが回転?何だそりゃ」
「多分適当に言っているだけだ」
いつものことではある。
「だからな」
「そうか、気にすることはないか」
「そう思うけれどな」
こう話している間にもシャバキの絶叫は続いていた。
「恐ろしい、何という恐ろしいことだ」
「恐ろしいのはあんただよ」
「あんたが一番恐いっての」
二人はすかさずシャバキに突っ込みを入れた。
「全くな」
「しかし。本当にどうして脱出したんだ?」
それがそもそもの謎だった。
「一体な」
「しかもどうして日本になんだ?」
「俺は死なない!」
シャバキはさらに破天荒な絶叫を続ける。
「そう、一万人委員会を倒すその日まで!」
「だからそれ実在するのか?」
「そうよ」
「ねえ」
周りの人達もそれを言う。
「前は三百人委員会とか言ってたのに」
「それが一万人になってるし」
「論理的に滅茶苦茶だし」
「そうだよな」
「来たか!」
また何かを勝手に見たシャバキだった。
「おのれラストバタリオン!」
「ああ、いたか」
「いて欲しくなかったですね」
「全くだよ」
見れば連合軍と警察だった。皆シャバキの姿を確認して早速うんざりとした顔になった。本当に今ここにいるとは思いたくなかったのだ。
「精神病院で隔離されていたのに」
「また出て来たのか」
「脱走とかそういう人様に迷惑な才能には恵まれてるからな」
「人の役に立つ才能はないからな」
「ある意味凄い奴ですね」
そうした意味では天本博士と同じである。まさにお騒がせ人物なのだ。
「とにかくだ。催涙ガスを用意しているな」
「はい、ここに」
「あとこれも」
ビームライフルも出て来た。
「ショックで一瞬で気を失うようにしています」
「ウルトラザウルス用です」
三十メートルに達する巨大恐竜である。
小説・詩ランキング
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。