第百七十八話 カレーとは何かその八
「全く」
「そうだよな。俺もだ」
それはカムイもであった。二人共完全に狐につままれた顔になっていた。
「何処をどうやったらそんな発想ができるんだ」
「さっぱりわからねえ」
「ヒンズー教のことなので勉強したことがあるのです」
だからだというセーラであった。
「ですから」
「何か話が全然わからなくてな」
「混乱してるんだけれどな」
二人のその混乱は実際に顔に出てしまっていた。そしてそれを隠すことすらできなくなっていた。
「まあそういう考えもあるのか?」
「どうなんだろうな」
「今度はその蒟蒻カレーもいいですね」
そんな二人をよそにこんなことも言うセーラであった。
「それは御願いできるでしょうか」
「はい、お嬢様」
「それでは」
ラメダスとベッキーがその彼女に応えて言うのであった。
「明日にでも」
「できますので」
「それでは明日のお昼に」
その時にだというのだ。
「召し上がりたいと思います」
「畏まりました」
「では明日の昼食はその蒟蒻の和風カレーに」
「はい」
「お飲み物は玄米茶にしましょう」
「あとは和風サラダとお味噌汁、それに揚げを煮ますので」
こう主に話す二人であった。
「それではその様に」
「これで宜しいですね」
「はい、それで御願いします」
こうして彼女の翌日の昼のメニューは決まったのであった。
そしてそれを聞いていたカムイと洪童の感想は。
「何か随分と本格的な和食だな」
「ああ、完全に菜食だしな」
「別に完全なベジタリアンではありませんが」
セーラはこのことは断るのだった。
「ですがそうしたヘルシーな食事も好きです」
「マウリアは菜食主義者が多いんだったな」
「はい、それは確かに多いです」
セーラはカムイのその問いに頷いた。
「それもかなり」
「そうだったよな。それでか」
「身体にいいのですよ」
にこりと笑って彼に返す。
「お野菜は」
「まあそれは知ってるけれどな」
「それはな」
これはもう言うまでもないことだった。二人もよく知っていることだ。
「それじゃあマウリア人って健康的なんだな」
「やっぱり」
「成人病は少ないですね」
また言うラメダスだった。
「そうした病気は連合と比べますと」
「そうなんですか、やっぱり」
「そうなりますよね」
「はい、そうです」
ラメダスの返答は続く。
「その通りです」
「それに香辛料も使うし」
「汗もかくから」
「脂肪率もあまり高くないわよ」
今度はベッキーが答えてきた。
「そう考えていくとカレーっていいでしょ」
「ああ、そうだな」
「本当にな」
二人もそれで納得する。そしてセーラがまた言った。
「では皆さん」
「ああ、それじゃあ」
「皆でこのカレーをだな」
「召し上がりましょう」
こう言ってそうして食べていくのであった。カップルでなくとも楽しく過ごせたキャンプファイアーであった。
カレーとは何か 完
2010・1・4
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