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第二十四話 妹達その四
「ところでお釈迦様ですけれど」
「あっ、はい」
「お釈迦様ね」
 セーラのペースで話がそちらに向かった。
「仏教でしたよね」
「ええ、まあ」
「今見掛けないけれどフックの国とかでかなりメジャーな宗教よ」
 蝉玉とエイミーが答えた。連合では仏教はかなりメジャーな宗教になっている。宗教人口にして一兆はいると言われている程の宗教を持っている。
「ヒンズー教が連合でも信仰されているんですね。何かとても感慨深いです」
「ちょっと待った」
 皆ここであることに気付いた。
「あの、セーラちゃん」
「今何て」
 そのうえでセーラに尋ねてきた
「確か今ヒンズーがどうとかって」
「どういうこと?」
「えっ、それは」
 セーラがそれに関して答えてきた。少し戸惑っているのがわかる。
「仏教はヒンズー教の一派ではないですか」
「へっ!?」
「今何て」
 さしもの彰子とアルフレドも今のセーラの言葉は意味がわからなかった。二人はそれぞれの反応を見せてきた。
「ですから。仏教はヒンズーの一派なのですよ」
 セーラはまた述べた。一点の曇りもない顔で。
「ええと」
「言っている意味がちょっとどころじゃ」
「お釈迦様はヴィシュヌ神の転生の一つです」
 セーラはまたそれを言ってきた。
「だからですよ」
「あの、だからなの」
「はい」
 皆の質問に笑顔で答える。
「その通りです」
「ううん」
 皆それを聞いて何と言っていいかわかりかねていた。正直これは予想外であった。
 これがマウリア人の圧倒的な独自の論理なのであろうか。そう思っていたところにセーラが言ってくるのであった。
「ですから気にすることはありません」
「いや、その」
「それは」
 何か話が強引に終わりに向けられてきているのを感じずにはいられなかった。そしてそれを止めることは誰にも出来ないのではないかと思われた。
 だがそこに一人だけいた。連合で唯一マウリアに対抗できると言われている国の人間、そう彰子であった。
「ねえ彰子ちゃん」
 エイミーが話を振ってきた。
「何?」
「彰子ちゃんはこれについてどう思うかしら」
「お釈迦様のこと?」
「そう。何か違うと思わない?」
「そう言われてもねえ」
 だが彰子はそれに対して微妙な返事を返してきた。
「やっぱりお釈迦様ってマウリアの人だから」
 これは誰もが否定できない事実であった。
「そうなるんじゃないのかな。どうかしら」
「そうですね」
 間の悪いことにセーラがそれに頷いてきた。
「お釈迦様もまたヴィシュヌ神の転生の一つですから。そうなるのですよ」
「ううん」
「とりあえず納得できないものが」
 ほんわかとした彰子以外は結局誰も理解も納得もできなかった。あれこれ言っている間に話は強引に終わり何かうらむやのうちに終わっていたのであった。


妹達   完


                2006・12・19
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