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第二十四話 妹達その三
「セーラちゃんには兄弟いるの?」
「はい、おります」
 セーラはそう答えてきた。
「二十人程」
「って」
「どういう家族なのよ」
 蝉玉とエイミーはそれを聞いて今聞いていることが本当なのかと思った。
「お母様が同じ兄弟はいないのが残念ですが」
 セーラの家はマウリアで有名なマハラジャである。中には一夫多妻の家もあるのがマウリアなのである。連合とは完全に別世界なのだ。
「跡継ぎのお兄様もちゃんとおられますよ」
「そうだったの」
「はい、ですから寂しいことはありません」
 その緑の目が優しげに光っていた。
「家族は何人いても素晴らしいものだと思います」
「そうよね」
 彰子はその言葉に満面の笑顔で頷いてきた。
「私妹は明香しかいないけれど」
「いや、彰子ちゃんの兄弟って明香ちゃんだけじゃない」
 それにエイミーが突っ込みを入れる。
「それはちょっと違うんじゃ」
「あっ、そうね」
「何かねえ」
 エイミーだけでなく他の面々もちょっと呆れた様子であった。
「彰子ちゃんらしいけれど」
「何かね」
「私も兄と弟と姉と妹しかいませんよ」
「いや、それ普通だから」
 セーラの言葉にはまた違う突っ込みを彰子以外が入れた。
「別に何か特撮ものに出て来るみたいな特別な存在出て来るわけじゃないし」
「人間が出て来るから」
 皆言う。
「いえ、そうとは限らないですよ」
 だがセーラは一同に対してにこりと笑ってこう述べてきた。
「ってどういうこと?」
「神様でも生まれるの?」
「はい」
 穏やかな笑みでかなりとんでもないことを言ってきた。
「その通りです。前世の因縁によってそうなります」
「ええと」
 蝉玉がそれを聞いてまた腕を組んで考え込んだ。
「これってつまりさ」
「輪廻転生だね」
 スターリングがそれに答えた。
「そうよね。けれど」
「神様が生まれ変わるの?マウリアじゃ」
 エイミーも流石に何と言っていいのかわかりかねていた。
「確かさ」
 ベンも考えながら述べてきた。
「あれだった筈だよ、マウリアの神話じゃ」
「知っているか!」
 またここで突然誰かが出て来た。アルフレドであった。
「どうしたのよ、いきなり」
「いや、ちょっとな」
 アルフレドは穏やかな笑みに戻って一同の中に入って来た。
「マウリアの神話では神様が人に転生するのはよくあることなんだ」
「そうだったの」
「そうだ。クリシュナとかブッダとかな」
「ちょっと待って」
 彰子がふと気付いた。
「お釈迦様って?」
「お釈迦様はヴィシュヌ神の転生の一つとされているんだ」
 アルフレドは彰子にそう説明してきた。
「さっき一緒に出したクリシュナもな。そうなっている」
「そうだったんだ」
「マウリアでは神様が人間に生まれたりすることはよくあること。そうだったよな」
「はい、そうです」
 セーラはアルフレドの言葉ににこりと笑って述べてきた。
「ですから神様が生まれることもありますよ」
「そうだったんだ」
「何か凄い話」
 皆何と言っていいかわからなかった。
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