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第二十二話 彰子の秘密その一
                    彰子の秘密
 四人の彰子への追跡調査がはじまった。それは彼女に知られないようにこっそりとであった。
 筈だったが案外そうでもなかった。四人は結構おおっぴらにやっていた。
「彼でもないわね」
「そうね」
「一体何やってんだ、あいつ等」
 クラスメイト達はクラスの端で何かと話をしている四人を見て呟く。
「漫画でも音楽でもねえな」
「じゃあ何だ?」
「何やってんのよ、あんた達」
 皆を代表するかの様にジャッキーが四人のところにやって来た。
「誰かのこと調べてるの?」
「別に何も」
「あんたには関係ないでしょ」
 だが四人はそう言ってジャッキーを遠ざけようとする。
「そういうことならさ」
 だがジャッキーは話を聞いてはいない。
「あたしも協力するよ」
「へっ!?」
「あんたが!?」
 四人の声が急に変わった。何か思い切り疑う声であった。
「そうよ。この現代のミニー=ウェストがね」
「何処がよ」
「しかもまた名前間違えてるし」
 彼女にとって何かを覚えるというのは駱駝が針の穴を通るよりも難しい。
「とにかくあたしがいれば百人力」
 全く話を聞いていない。
「任せておいてよ」
「俺もいるしな」
 そこにテンボもやって来た。
「こういうのはやっぱりプロの仕事だぜ」
「推理研究会きってのエース二人がね」
「・・・・・・間に合ってるからいいわ」
 アンがつれなく返す。
「別に」
「何だよ、それ」
 テンボはそれを聞いて口を尖らせてきた。
「水臭いぜ、おい」
「折角あたし達が助太刀するっていうのに」
「ああ、それじゃあさ」
 ダイアナはがんとして断るよりは婉曲的にいくことにした。
「あんた達にもお願い。じゃあね」
「よし!」
「行きましょう、テンボ!」
 二人はそれを受けて気合を入れる。そしてすぐに教室を後にするのであった。
「これでよし」
 ダイアナは教室を駆け去っていく二人の背を見送りながら呟いた。
「邪魔者はいなくなったわね」
「けれどさ」
 それにジュリアが突っ込みを入れる。
「大丈夫なの、あの二人で」
「ああ、厄介払いだから」
 彼女はそう返した。
「気にしなくていいわ」
「そうなの」
「そういうこと。断ったって引き下がるような連中じゃないでしょ」
「まあね」
 言われてみればそうである。
「だからああやってね。やってみたのよ」
「そういうやり方もあるのね」
「けれどさ、ジュリア」
 ペリーヌが彼女に声をかけてきた。四人はアンの机にそれぞれの椅子を持って来て囲んで話をしているのだ。
「何?」
「あんたの勘は今回どうなの?」
 ジュリアの勘の鋭さを頼ってきたのだ」
「今のところないみたいだけれど」
「感じるところは感じるのよ」
 左手の人差し指を唇に当てて述べた。
「それで?」
「いるわね」
 目の光が鋭くなった。
「これは間違いないわ」
「そうなの」
「ええ、やっと勘が働いてきたのよ」
 ジュリアは言う。
「その勘が教えてるのよ。彼女好きな人いるわ」
「そうなの」
 アンがそれを聞いて真剣な顔で頷く。他の二人も同じ顔になっていた。
「それじゃあ問題は」
 そのうえで話は続く。
「誰かってことね」
「そうね。けれど」
 ジュリアはまた探る目をしてきた。
「ちょっと待ってね。また勘を使うわ」
 そして目を閉じた。どうやら今日はかなり調子がいいようだ。
 その勘が教えた。今彼女はそれを三人に伝えた。
「このクラスね」
「そう、このクラス」
「それじゃあ」
 三人はそれを受けてクラスの中を見回した。当然ながら男組を見ているのである。
「ううん」
「数はいれど」
 それでもどうにもピンとは来ないのだ。
「このクラスよね」
「ええ」
 ジュリアは三人に答える。
「そうよ、あたしの勘ではね」
「そう」
「じゃあ間違いないわね」
 ジュリアの勘は神懸り的である。だから三人もそれを信じて見回しているのだ。
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