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国王の妾は家出する 作者:小鳥遊 郁
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1出逢い





私が彼に出会ったのは今から5年前10歳の時だった。当時日本ではかくれんぼが流行っていた。大昔に流行していた遊びが年月を経て再びである。
私はかくれんぼが得意だった。でもそれがいけなかった。誰にも見つけられないまま夜が来て、気づいたら違う世界に紛れ込んでいたのだ。



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「ここどこ?」

迷子になったとは思いたくなかった。思いたくなかったけど誰が見ても立派な迷子だった。
さっきまで隠れていた段ボールもいつの間にかなくなっている。
見たこともない建物が並んで建っている。石でできた建物だ。テレビで見たことがある。外国の建物だって母さんが言ってた。だったらここは外国というところなの?

「君、いつからここにいるの?」

突然横から声をかけられて驚いた。キラキラの髪をした緑の瞳の男の人が立っていた。よく見ると周りには数人の男の人がいる。どうして今まで気づかなかったのか。

「黒い髪に黒い瞳。迷いびとか? でも突然現れたような......」

「だいぶ前からここにいるよ。でもここどこ?日本じゃないの?」

「ニホン? やっぱり異世界人か。困ったな。父上に知れたら大変なことになるぞ」

「そうですね。陛下に知れると側室に召し上げると思われます」

「そんなことになったら私まで母上に睨まれるではないか、どうしたものか」

キラキラの人は本当に困ってるようだ。周りの人とどうしたものかと話している。
そんなことより私を家に連れて帰って欲しい。ここがどこかはわからないけど帰れるよね。

「私を連れて帰って」

キラキラの人の手を引いて頼んだ。私の言葉に目を見張っている。私がキラキラの人に頼んだのは若いけどこの人がこの中で一番偉い人のような気がしたからだ。
迷子は大人の人が助けてくれるって言うからこれでいいよね。きっと助けてくれる。

「分かったよ。乗り掛かった船ってことだよね。私が責任を持って連れて帰るよ。でもね、あとで嫌だって言っても認められないからね」

困ったように笑って答えてくれたキラキラの人は王子さまに見えた。その彼が本当に王子さまだって知ったのはそれからしばらく後のことだった。




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