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伝説の木の棒 前編  作者: 木の棒
第1章 ゴブリン
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第7話 オーク襲来

 木の実を取りに行っていたゴブリン達が慌てて戻ってきた。

 ゴブリン語で何やら叫んでいる。

 叫びを聞いたゴブリンが悲鳴のような叫びをあげて村の奥に逃げていく。

 その声を聞いたゴブルンが、駆け出す!

 村の入り口に着いたゴブルンと俺が見たものは…仲間のゴブリンの死体を槍のようなもので刺して歩いてくる…オーク(豚人間)だった。


 豚人間をオークと呼ぶのは、俺のゲーム知識からだろう。

 本来は別の意味だったような気がする…気がするが、とりあえずいま目の前に迫ってきているのは、豚のような顔をした二足歩行の豚人間達だ。

 4匹いる。

 全員、鎧のようなもので武装して…槍や剣を持っている。

 やつらは武器を作る技術を持っているのか?

 4匹のうち、特に一番後ろにいるやつがでかい。

 ゴブルンほどでは無いが、2mは間違いなく超えている。

 そして巨大な大剣を持っていやがる。


 オークもオークでゴブルンの登場に驚いているようだ。

 まさかゴブリンの村に、こんな巨大なゴブリンがいるとは思っていなかったのだろう。

 自分たちよりも巨大な3m級のゴブリンが登場したら、それは驚くか。

 でも鎧なんてゴブルンは着ていない。

 むしろいまは裸だ、いつも腰に巻いている布さえ無い。

 え?なぜって?…増えたハーレム達を満足させるのには夜だけでは足りないのだよ。

 叫び声が聞こえた時…ゴブルンは腰を振っていた真っ最中だったのさ。


 そして手に持つのは木の棒の俺だ。

 オーク達は青銅なのか鉄なのか鋼なのか、ゲーム知識しかない俺には分からないが、きちんとした武器を持っている。

 巨大なゴブルンを見て驚いていたオーク達だったが、ゴブルンの装備を見て余裕の笑みを見せ始めた。

 勝てる…と思ったのだろう。

 いや…実際オーク達が有利じゃね?

 俺は木の棒だぞ?

 闘気を纏っても、果たして鉄のようなオーク達の武器を打ち合えるのか?

 普通に考えて打ち合ったら…俺折られて死ぬよね?


 う~ん、これはやばいな。

 やばいよね。

 闘気のレベルを上げるべきか?

 それとも魔力か属性を取るべきか?

 戦いが始まる前に決めないと…。

 魔力と属性はダメだな。

 取ってもすぐに使えるか不明なものより、ここは闘気だろう!

 俺は闘気のスキルレベルを上げた。


ステータス

やる気に満ちた闘う木の棒

状態:ゴブリンのやる気に満ちた闘う木の棒

レベル:4

SP:0

スキル

闘気:レベル4


 とりあえず俺の名前に対するツッコミは後回しだな。

 闘気レベル4…湧き上がるオーラの力強さが増したことが分かる。

 単純に4倍になったわけじゃないが、1.5培ぐらいは出てるんじゃないか?

 そして…もう1つ…レベルが上がったことで自然と俺が理解できたことがある。

 今ならやれる…お母さん…俺…必殺技出せるかも!



 しばらく睨み合っていたゴブルンとオーク達だったが、先に動いたのはオーク達。

 ゴブルンを取り囲むように散開していく。

 こいつら…知能高いな!

 正面を2m級のオークが大剣を持ってゴブルンを牽制。

 他のオーク達がゴブルンの後ろに回り込もうと、ちょこまかと動いている。

 後ろを取ったオークの槍がゴブルンの太腿の裏を突き刺す!


 「ゴブゥゥッ!!!!」


 ゴブルンが痛みで悲鳴を上げた。

 そういえば、俺を手に入れたゴブルンが本格的な傷を負うなんて初めてじゃないか?

 ゴブルン…痛みに弱いとか?

 槍で刺されたことで激怒したゴブルンは、痛みに負けず木の棒を振り回す!

 知能が高いオークは、ゴブルンと距離を取って木の棒をかわそうとする。

 うん…その行動は正しい。

 後ろに回って槍を突き刺して、すぐに後ろに下がる。

 ヒットアンドアウェイってやつね。

 でも残念でした♪


 「ブヒッ?!」


 後ろに下がって木の棒をかわしたはずのオークの身体が何かで斬られたように真っ二つになる。

 それを見ていた他のオーク達が驚愕の声をあげる。

 オークは間違いなく木の棒をかわした。

 当たっていない。

 当たっていないのに真っ二つ。

 うん…驚くよね。


 闘気スキルのレベルが4になったからなのか…それともレベル2になれば出来たのか分からない。

 分からないが…俺はいま闘気を飛ばすことが出来るようになっていた。

 ゲームとかで剣士系のキャラが、剣から気を飛ばして遠距離攻撃するのあるじゃん。

 あれと同じ感じ!

 どれだけの距離を飛ばせるのか分からないが…2~3mぐらいはいけそうだな。

 残念ながら俺は中二病は無いので、特にかっこいい必殺技の名前!とか決めない。

 闘気を飛ばせる…それが分かれば十分だ。


 オークを1匹倒したゴブルンだが、本人は理解出来ていないようだ。

 進化して知性が宿り知能が上がったとしても、自分の持っている木の棒から闘気が飛んでいって倒してくれたと理解するのは難しいだろう。

 理解出来ていないが、倒した事実は変わらない。

 ゴブルンは自分を囲んでいるオークに対して木の棒を叩きつける!

 鉄のような剣で、木の棒を受け止めようとするオーク!


 スパン!


 オークは真っ二つになりました。

 また真っ二つ!

 しかも剣も一緒に真っ二つですよ!

 闘気の強さが上がったからなのか…剣を真っ二つにしても俺は痛くなかった。

 俺が痛くなかった…何よりもこの事実が一番大事だ。

 痛いの嫌なのよ…本当に。


 オークを真っ二つにすると、もう1匹の小さめのオークが同じく鉄のような剣で斬りかかってくる。

 木の棒で受け止めるゴブルン。

 ただの木の棒がどうして剣を受け止めることが出来るのか…オーク達には理解出来ないだろう。

 受け止めたとしても、普通ならザクッと剣が木に突き刺さるだろう。

 闘気を纏った俺に剣が突き刺さることは無い。

 まるで鋼鉄で出来た棒のように、剣をはじく俺。

 剣をはじかれて体勢を崩したオークを一刀両断!!!


 ゴブルンは自分の優位を悟って笑みを浮かべながら、2m級のオークに近づいていく。

 最初の余裕はどこへいったのやら…部下?の3匹が倒されて、真っ青なオーク。

 いや、別に顔色変わってないけどね。

 手に持っていた大剣をゴブルンに投げつけたと思ったら、一目散に逃げ出しやがった!


 飛んでくる大剣はゴブルンに当たることなく、あさっての方向へ飛んでいくと地面に突き刺さって落ちた。

 逃げていくオークを追うゴブルン。

 オークの逃げ足も速いように思えたけど…進化したゴブルンの方が脚は速かった。

 あっという間に距離を詰めると、木の棒を振り回すゴブルン。

 …知能は上がったけど、当たらない場所で木の棒を振り回すのは同じだなゴブルン。

 鹿の時はそれでたまたま勝ったけどさ。

 ま~いまは闘気飛ばせるからいいんだけどね!



 村に戻ったゴブルンを出迎えるハーレムと村人達。

 ゴブルンが勝利の雄叫びを上げると、ゴブリン達も雄叫びで応えるのであった。




ステータス

やる気に満ちた闘う木の棒

状態:ゴブリンロードのやる気に満ちた木の棒

レベル:6

SP:2

スキル

闘気:レベル4


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