表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
伝説の木の棒 前編  作者: 木の棒
第4章 優しい王子
32/52

第31話 優しい王子

 天国からの帰還。

 俺は大ちゃんに感謝した。

 そして…出来れば毎日…いや3日に1度…いやいや1週間に1度でいいのでマリアに清めてもらえないか頼んでみた。

 もしも、大ちゃんが見た目の女王と同じく、魂までも女性だったら、こんなことを頼めなかったと思う。

 俺は転生の神様に、女王の身体に42歳のおっさん魂を入れてくれたことを感謝した。


 マリアに清めてもらいたいお願いは、大事な幼馴染が何かに目覚めてしまっては困るので、当分はお預けでお願いと言われた。

 代わりに大ちゃんが清めてあげようか?と言ってきたが、丁重にお断りした。

 いくら身体が最高級でも魂おっさんと二人でお風呂に入ってイチャつくなんて俺には出来ない。

 でも巨星に抱かれるのは好きだ。


 マリアもレベルが上がった…祝福が1つ増えたと聞いて喜んでいた。

 弾けんばかりの笑顔だった。

 マリアは涙を流しながら、何度もティアにお礼を言っていたそうだ。

 こういうのを、winwinな関係と言うのだろう。

 そう…不幸な人は誰もいない、誰も傷ついていない、みんながハッピーなのだ。



 さて、みんながハッピーになっているのだが…ハッピーな表情でない人がいる。

 ラインハルト王子だ。


 王子はチートな展開?で、瞬く間にレベル7になった。

 剣術スキルと身体強化スキルを取ったあと、騎士達と一緒に訓練しても、一向にレベルは上がらない。


 俺が王子のスキルに干渉するには魔力スキルをレベル2にする必要がある。

 ただ、ここで問題発生。

 俺が魔力で王子に干渉して剣術スキルや身体強化スキルで、王子のスペックは強くなるだろう。

 でも…王子の心は強くなれないはずだ。

 自分の力じゃないんだからな。


 それでも王子に自信を持ってもらう必要はあった。

 大ちゃんと相談した結果…俺は魔力をレベル2にあげた。


ステータス

魔力を秘めた超闘う木の棒

状態:優しい王子の魔力を秘めた超闘う木の棒

レベル:7

SP:1

スキル

闘気:レベル1

魔力:レベル2

属性:レベル1

剣術:レベル1

身体強化:レベル1



 そして、王子と護衛の騎士達と一緒に小穴に向かったのであった。


 小穴からは定期的に弱い悪魔が湧いてくる。

 管理しているとは言っても、小穴から出てくるところを常に倒しているわけではないそうだ。

 小穴から出てくる悪魔は、一定範囲を自由に行動させているとか。


 もちろん非戦闘民に被害が出る地域までは侵入させない。

 森の中や山の中に、弱い悪魔を放し飼いしているのだ。


 戦士はクエスト、騎士は訓練という名の元…悪魔を倒しにいく。

 もちろん、弱い悪魔と言っても、戦士や騎士に死亡者が出ることもある。

 大ちゃんは「必要な犠牲」と言っていた。

 …ここらへんはさすがに王族として生まれて、10年以上女王やっているだけはある。

 

 王子の護衛は2名。

 たった2名と思ったけど、この2人はメチャメチャ強い。


 1人はニニを、あのおっさん騎士の悪魔の手から救ってくれた女性騎士。

 名前はミリアで24歳。

 女性騎士の中では最強なんだそうだ。


 もう1人は…大ちゃんが最初俺を持たせようと思っていた、この世界最強の騎士と言われる男性騎士…名前はシュバルツ。

 32歳のちょい悪オヤジという言葉が似合いそうな渋い男だ。


 つまり王子の護衛は女性最強騎士と世界最強騎士の2人。

 …大ちゃん過保護だろ。

 この2人絶対普段は「大穴」の対処してるだろ。

 いいのか…小穴の悪魔退治の護衛なんてしてて!


 魔力で王子のスキルに干渉して剣術スキルと身体強化スキルを使ってみた。

 シュバルツと決闘してみたのだが…結果は散々だった。


 スキルに干渉してもやっぱり心が伴っていないと、俺の干渉も不安定だし、王子の身体もチグハグな動きにしかならない。

 身体強化スキルで、恐ろしいほどの筋力俊敏性はあるんだけどね。

 シュバルツが王子のお腹を木剣で叩いたら…逆に木剣にヒビが入っていた。


 森の中を歩いて悪魔を探す。

 悪魔はどんなに弱くても「知能」を持っている。

 そして武装しているため、自然界の生き物とは簡単に区別出来る。


 王子初の実戦…緊張しているが誰もが通る道なのだろう。

 俺はゴブルンと一緒に狩りをしていたし、1度だけとはいえ悪魔とも戦ったことはある。

 ま~道具としての俺の心構えなんて別にいらないのかもしれないけどね。


 大ちゃんは王子に俺を出来るだけ持たせてレベル上げすることに決めた。

 プロジェクトZで俺を持って戦うのは王子なのだから。

 ニニも…大ちゃんの中では最初候補になっていたんだと思う。

 氷魔法の使い手で、しかも俺との相性も抜群だ。

 ただ、大ちゃんがそんなことを匂わせる話をした時…俺が沈黙したことで、俺がニニを戦わせたくないと思っていることに気付いたんだろう。


 大ちゃんはニニを「聖樹草茶の作り手」という特別な職を与えて、戦いの場から遠ざけてくれた。

 それが俺の望みだと分かってくれていたのだ。

 ニニとは毎日会っている。

 早朝からお昼まで、ニニと一緒に聖樹草茶を作っているのだ。

 二人きりの楽しいお話タイムでもある。


 ニニはお昼まで聖樹草茶を作った後は、自由にお城の中で不自由無く暮らしている。

 もともと大ちゃんはニニ達を援助したかったという思いがあったので、念願叶ったといった感じだろう。

 妖精とのハーフという、濃い妖精の血を受け継いでいるニニの存在を自分の側に置きたい…大ちゃんは偽りのない本音も言ってくれる。


 ニニ達が貧乏暮らししている時も、ニニ達の状況は掴んでいたそうだ。

 最悪の事態を避けるために。

 ニニのお母さんの薬ビン…あれは大ちゃんが部下に命じて、旅人に扮した部下が一芝居打って、お礼という形でニニに渡したものなんだそうだ。


 そんな訳でニニとお母さんは幸せな暮らしを手に入れた。

 大ちゃんからすれば、俺の成長システムからして、絶対にニニで無くてはいけない…なんてことは無いのだから、俺の機嫌を損ねる必要なんて無かったってことだろう。


 いや…大ちゃんの王子への溺愛を考えれば…例えニニが大穴を塞ぐ時に俺を持つ持ち手だったとしても…王子を俺の持ち主に登録したはずだ。


 ニニは俺無しで氷魔法を使えるようになった。

 ニニは魔法なんて使えなかったそうだ。

 つまり…レベルがあがり、俺がその人のスキルを取ることで、その人自身の才能が目覚めて…俺無しでもその才能を発揮でいるようになる可能性が高い。

 スキルに目覚めたばかりの頃は、俺が干渉した方がずっと効果が高いけど、努力次第では俺無しでも同様の効果を出せるようになるのではないか。


 この気弱で優しい王子も俺を持つことで才能に目覚めて自信を持ち…立派な王への道を歩いていく…大ちゃんはそれも狙っているんだろう。





ステータス


1.空飛ぶ少女

すりつぶすのが得意な冷たい魔力の木の棒

状態:空飛ぶ少女のすりつぶすのが得意な冷たい魔力の木の棒

レベル:5

SP:1

スキル

魔力:レベル2

氷魔法:レベル1

薬調合:レベル1


2.怪しい女王

以心伝心な木の棒

状態:怪しい女王の以心伝心な木の棒

レベル:1

SP:0

スキル

日本語


3.聖女

魔力通な木の棒

状態:聖女の魔力通な木の棒

レベル:2

SP:1

スキル

魔力:レベル1


4.優しい王子

魔力を秘めた超闘う木の棒

状態:優しい王子の魔力を秘めた超闘う木の棒

レベル:7

SP:1

スキル

闘気:レベル1

魔力:レベル2

属性:レベル1

剣術:レベル1

身体強化:レベル1


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ