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伝説の木の棒 前編  作者: 木の棒
第2章 空飛ぶ少女
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第19話 告白

 大冒険から無事に家に帰ってこれた木の棒です。


 ニニは家に帰ると、まずお母さんの様子を確認。

 静かな寝息を立てて眠っているお母さんを見て安心したようだ。

 もうだいぶ夜遅いと思うのだが…ニニは黒いワンピースからパジャマではなく、黒いワンピースに着替える。

 採ってきた…いや盗ってきたになるんだろうが、例の葉っぱを大事そうに持ってキッチンに向かう。


 そして取り出したのはすり鉢だ。

 これで葉っぱをすりつぶして、煎じて飲むのか?

 とても美味しいとは思えないな…でも良薬口に苦しだっけ?仕方ないか。


 ん?

 待てよ。

 これって薬調合になるんじゃないのか?

 ニニの薬調合スキル取れば…美味しく出来るのでは?!


 大冒険でレベル上がってくれてよかった…たった1でも…たった1ですよ?もうちょっと上がっていいんじゃないの?

 いったいどういう成長システムなんだよ。


 「薬調合スキルを取得しました」


 ニニはすり鉢に葉っぱを入れると俺を持ってすり鉢に…。

 え?ちょっと待って!

 俺ですりつぶし気だったの?!

 いや、木の棒だけどさ!木の棒だけどさ!


 俺は慌てて、ニニに魔力を流す…「妖精の血」と同じように「薬調合」というスキルに干渉出来るのが分かる。

 魔力で薬調合スキルを発動させてみる。


 ニニが俺を見つめる。

 綺麗な瞳だ。

 ニニは俺に優しくキスをして、何かを呟いた。

 きっと「ありがとう」だと思う。

 うん、そんな気がする。

 きっとそうだ。


 そしてニニは…俺を使って葉っぱをすりつぶしたのでした。

 結局俺ですりつぶすのかい!


 ニニはすりつぶした葉っぱ…茶葉のようになったものでお茶を淹れる。

 なんかすごい色だ。

 でも匂いは悪くないな。

 ニニはお茶を持って…お母さんの部屋に向かった。


 静かに寝ているお母さんをそっと起こすニニ。

 こんな深夜に飲ませるのか?

 薬草のお茶を飲ませるのを朝まで待てなかったのかな。


 ちょっと寝ぼけながらお母さんが起きる。

 ニニは何か誤魔化すような表情と声でお母さんに話しかけると、薬草のお茶を飲ませる。

 お茶を飲んだお母さんは笑顔だ。

 きっと「美味しい」と言っていたに違いない。

 なんたって…俺を使ってすりつぶしたんだからね!

 きっと美味しいに決まってる!!


 お茶を飲んだお母さんを抱きしめて、おやすみのキスをすると、ニニは部屋を出ていった。


 余ったお茶は空になっていたビンに入れて保存するようだ。

 キッチンを片づけて、部屋に戻るニニ。

 パジャマを持つと…お風呂かな。

 俺は机の上でお留守番と…ってあれ?!

 ニニが俺を持っていくよ…え?お風呂じゃないの?


 向かった先は今まで入ったことのない部屋だった。

 部屋というか脱衣所だな。

 服と下着を脱いでいくニニ。

 ちょ!心の準備が!心の準備がまだなんです!

 そんな焦る俺なんてお構いなしに、清らかな裸となったニニは俺を持ってお風呂場へと。


 そこは確かにお風呂場だった。

 浴槽…みたいなものもあったけど、そこに直接入るのではなく、その中に水を入れて…なんかスイッチみたいなものに、ニニが魔力を注ぐと、水が温まるようだ。

 そのお湯で身体を洗っていくのだろう。

 ニニは自分よりも先に、俺を洗ってくれた。

 

 そうか…葉っぱをすりつぶすのに俺を使ったから洗うために一緒にお風呂に連れてきてくれたんだな♪

 俺これから毎日薬草をすりつぶします!!!!


 ニニの清らかな裸を見て確信した。

 ボインボインではないけど、ニニはスタイル良かった。

 夜寝るときに抱きしめてくれていたから、何となく分かっていたけどね。

 ちょっと着痩せするタイプかもしれない。

 胸は…C~Dぐらいはある。


 ニニに綺麗に洗ってもらい、お楽しみのお話タイム…はさすがに夜遅く、ニニも疲れているのか、すぐに俺を抱きしめてベットへと。

 ベットの中で俺に笑顔で話しかけていたニニは…話しながら意識が夢の中に落ちたようだ。

 おやすみニニ…今日は大変だったね。



 さて翌日。

 牛乳配達を終えてニニが戻ってくると…お母さんが超元気になってました!

 顔色がちょっと悪くて咳込んでいたお母さんはどこへやら。

 顔色も良く、おまけにお肌までつるつるです!


 良かったね~♪っと思っていたらイベント発生です。

 しかも…よくないイベントだ。


 朝起きて元気になっていたお母さん。

 その様子を見て、最初は喜び合っていたニニとお母さん。

 朝食を終えて片づけを終えると…お母さんがニニを呼んだ。


 ニニを椅子に座らせると…何か話し合う二人。

 お母さんはニニに何かを質問しているようだ。

 ニニはその質問に対して最初は何か誤魔化すような口調で返事をしていた。

 しばらくやりとりが続く二人。

 ついに…ニニが観念したように…お母さんに話していく。

 それを聞いているお母さんの目から涙が。

 嬉し涙…じゃないな…あきからにショックを受けている。

 話しながらニニも泣き始めている。


 ニニは椅子から立ち上がりお母さんの手を握りしめながら、何かを必死に訴えている。

 涙が止まらないお母さん。

 ニニの頭に手を優しく置くと…ニニを諭す様に話しかける。


 すると…ニニは玩具を買ってもらえなくて泣く子供のように…お母さんの手を握りしめて大きな声をあげながら泣く。

 お母さんはニニの言葉に頷かない。

 顔を横に振ると…ニニの肩を持ち涙を流した目でニニを見つめて話している。

 ニニがお母さんの言葉に従わないのだろう。

 お母さんは、ニニの肩を離すと、キッチンで何かを探し始めた。


 泣きながらお母さんを止めようとするニニ。

 それでも止めないお母さん。

 お母さんは探していたものを見つけた…それは昨日…余った薬草のお茶を入れたビンだった。



 ニニが薬草を盗ってきた…今朝のやりとりはそれだろう。

 お母さんはニニが自分のために薬草を盗ってきたことに気付いていたのだ。

 いや、それは盗るのはいけないことだけど…葉っぱ1枚だよ?

 それでこんなにも大事にするのか?



 薬草のお茶の入ったビンを持って、ニニとお母さんは外に出る。

 もちろんニニは俺を持っている。

 最初に向かった先は、お母さんの職場のクリーニング屋だった。


 人の良さそうなクリーニング屋の中年おっさんは、お母さんとニニを笑顔で迎えてくれた。

 でも…お母さんの話しを聞いた瞬間…中年おっさんの態度が激変した。

 人の良さそうだった中年おっさんは、早く出ていけと言わんばかりに、ニニ達を追い出した。


 次の向かったのはニニの職場の郵便屋だ。

 ここでも…お母さんがちょっと偉そうな女性の人に話しをすると、すぐに出て行けと言わんばかりの鬼の形相で追い出された。



 その後…ニニとお母さんが向かったのは…あの大きなお城の近くにある神殿のような建物だった。

 お母さんが神官のような人に話しかける。

 お母さんの話しを聞いた神官は大慌て。

 しばらくすると騎士達もやってきた。

 神殿の中は物々しい雰囲気だ。




 そして…ニニは捕まった…罪人として。



ステータス

すりつぶすのが得意な冷たい魔力の木の棒

状態:空飛ぶ少女のすりつぶすのが得意な冷たい魔力の木の棒

レベル:4

SP:0

スキル

魔力:レベル2

氷魔法:レベル1

薬調合:レベル1


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