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獣化で恋にゃんこ・ω・

作者:henka
 今日は待ちに待った合コンの日。会場は予約から半年待ってようやく手に入れた『猫の間』だ。心が躍って仕方がない。
「ミサ、楽しみだねー。ネコだよ、ネコ。ネコに変身できるんだよぉ~」
「そうだね、アサミ。良い人見付かるといいなぁー」
「もう、せっかく変わった合コンするんだから、変身も楽しまなきゃ」
「それはそうだけど……もうクリスマス近いし、恋人がほしいよぉー」
「むむむ。縁が無かったら、今年も女同士でクリスマスパーティーだね」
 私とミサは一足先に会場に入り、服を脱ぎながら話をしていた。この合コン会場は特殊な磁場の上に建てられていて、その磁場の影響で、部屋にいる間は動物に変身することができるのだ。変身できる動物はそれぞれの部屋によって異なり、『犬の間』、『兎の間』、『牛の間』、『狐の間』……などなど数十種類あるが、その中でも『猫の間』は大人気。この店は『心で触れ合う合コン会場』をコンセプトにしている。どういう意味かというと、動物に変身してから合コンを始めるので、相手の本来の姿を気にせず、コミュニケーションのみで触れ合って、素敵な人を探すことができるというのだ。

 各部屋に男女別の脱衣場と合コン部屋がある。来た人はまず脱衣場に入り、動物に変身してから、合コン部屋に向かうのだ。だから、私達は今、脱衣場にいる。
「それじゃあ、変身を始めようか」
「そうだね」
 部屋にあるマニュアル本を見ると、ネコのイメージを膨らませたら変身できるらしい。
「お、おお! すごい! しっぽが生えてきた!」
「すごい。私は耳がネコミミになったよ!」
 脱衣場にある大きな鏡を見ながら、二人で変身する様子を見ていた。よく漫画やアニメでは動物に変身するシーンは省略されているので、その過程を見ながら変身するのは何だか面白かった。
「これ、やっぱり変身するってことは、本物なんだよね?」
 私は半信半疑でミサのネコミミを触ってみた。
「きゃはは。くすぐったい。アサミのしっぽも掴むぞぉー」
「うにゃんー!」
 二人で変身しながらイチャイチャしていると、脱衣場の扉が開いた。

「お、ミサとアサミは早いなぁ」
「すごい! ネコに変身している!」
「今日の合コンは楽しそうだねー」
 私の友達のナツミ、タマコ、ナオがやって来た。女の子側五人はこれで全員集合だ。男の子側五人のメンバーはナツミの彼にお願いしている。カッコイイ人いるかなぁー……って、みんなネコだから外見は関係なかった。
 後から来た三人が服を脱いでいる間、私とミサはドンドン、ネコ化していく。体中からピンク色の毛が生えてくる。自然界ではありえない毛の色だが、ここでは男女の区別が付きやすいように、女の子はピンク色、男の子は青色の獣毛が生えるらしい。
「すごい! 肉球が出てきた! ぷにぷにしてる~」
「あ、白いヒゲが生えてきた」
 私とミサが七割くらいネコ化すると、服を脱いだ後の三人もネコに変身し始めた。
「うにゃぁぁ~、顔が引っ張られるぅぅ~」
 鼻先が突き出て、すっかりネコの顔になる。体が縮んだせいで、後の三人がやたら大きく見えた。
「ニャーン!」
 鏡を見ると、私とミサはすっかりピンク色のネコに変身していた。

「すごい。本物のネコみたいな鳴き声になってるよ」
 ネコに変身中のタマコが私に言った。
「? 普通に話せるよね?」
「うん。そうだけど?」
 ネコになったミサとは普通に話は通じるが、まだネコに変身しきっていない後の三人には私達の会話はニャンニャンと鳴いている風にしか聞こえないようだ。なかなか面白い。
「えっとー、マニュアルを見ると……部屋の籠にネコ用の服があるから、それを着るんだって。あ、そっか。変身しても裸には変わりはないもんね。籠は……あ、あれか」
 私達ニ匹は籠の中からネコ用の服を口で銜えて引っ張りだした。
「むぅ……ネコだと指が使えないから、服、着にくいね」
「そうだね。でも、それだったら、ウシとかどうなるんだろう……」
「た、確かに……」
 想像しただけでも面白かった。

 私とミサは口でお互いに服を引っ張りっこして、何とか服を着終えた。すると、後から来た三人もネコに変身を終えて、同じように色違いの服を着た。
「えーっと、赤い服がミサ、ピンクがアサミ、オレンジがタマコ、黄色がナオで、私が水玉模様っと……これ、服を覚えなきゃ、誰か誰がわかんないね」
 幹事役のナツミがネコになったみんなの確認をした。
「それじゃあ、合コン会場に入るよ」
 みんなドキドキ。ナツミが合コン会場の扉を前足で開ける……
「すごい!」
 会場は大きな部屋でおもちゃが盛りだくさんだった。思考もネコ化してきたのか、何だかやたら楽しそう。
「あ、向こうも来たね」
 私達が部屋に入ると、青色のネコの集団がやって来た。みんな同じ顔に見える。

「えーっとそれじゃあ、お互いにまずは自己紹介から始めましょうか」
 カップルであるナツミとその彼氏が司会進行を務める。他の八匹はお座りして話を聞き、お互いに自己紹介をした。人間の姿がどんなんだろうと想像すると楽しい。
「えーっと、ネコになってどうすればいいのかわからないから、マニュアル見て、ゲームでもしましょうか」
 ナツミが部屋に立っているマニュアルボードをタッチした。部屋の中にあるマニュアルはネコでも使いやすいようにタッチパネル形式になっている。
「えーっと……それじゃあ、ミルク早舐め競争とかどうかな?」
 ネコらしい遊び。男女一組みになって、皿にあるミルクを早く飲んだ方が勝ち。これで親交を深めるのだ。ミルク出し用の機械があり、皿を銜えてボタンを押すと、ミルクが出てくるのだ。
「もう誰が誰だがわからないから、適当に男女一組みになって……よし、それじゃあ、始めっ!」
 私は目の前にいた男の人と一緒にペロペロとミルクを舐める。謎めいた恥ずかしさが込み上げてくる。でも楽しかった。

 続いて挑戦したのは毛糸玉崩し。メンバーを変え、丸い毛糸玉を爪で引っ掻いてバラバラにしていく。
「にゃにゃにゃにゃにゃー!」
 思わずネコ語が出てしまう。みんなゲームに夢中になった。

 続いて挑戦したはネズミ叩き。部屋の端に専用のコーナーがあり、制限時間内で飛び出てくるネズミをネコパンチした得点を競い合う。また相手を変え、飛び出してくるネズミを協力して叩きまくる。たまにネズミを叩こうとして前足が触れ合ったりと、仄かなスキンシップもできて、これも楽しい。

 次に挑戦したのはマタタビ嗅ぎ。
「これはすごく酔うので危険みたいだけど、勝手にセックス始めないように! 理性が飛んじゃうと思ったら、すぐに離れてください」
 これはマタタビの葉の前にどれだけじっとしていられるかを競うゲーム。マタタビというものを初めて嗅いだが、ネコだからか、すごくゴロゴロ寝っ転がりたくなるのだ。私はがんばって耐えていたが、同じチームの男の人が瞬殺でゴロゴロして楽しそうだった。

 ネコ独特のいろんなゲームに挑戦して、みんなで楽しく交流を深める。最後の方になると、自然とカップルができて、まったりと会話したり、ちょっと恥ずかしいけど、毛づくろいしたり。時間がくるまでみんなで楽しく過ごした。
「いやー、面白かったね」
「うん」
 ネコから人間に戻ったみんなは満足そうに部屋を出る。そして、店を出ると、男性グループと落ち合う。誰が誰だがわからないけど、私にも気になる人ができた。二次会で恋が芽生えるだろうか?

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