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高校二年編
その四
 僕の名は磐神いわがみ武彦たけひこ。高校二年。平凡な男。

 でも僕の姉は非凡。残酷。でも、世界で一番の「姉ちゃん」。



 夢を見ていた。いや、夢であって欲しいと思った。

 僕は二人の女性に迫られていた。

 しかも水着姿で。ほとんど裸みたいな奴。

 目のやり場に困る。

 それから。

 その迫って来る女性が問題。

 一人は委員長。あ、高校のクラスメートの都坂みやこざか亜希あきさん。

 彼女はクラスのリーダーで、男子の憧れ的存在。

 だから彼女が出て来るのはわかる。可愛いし。

 でももう一人が問題。

 もう一人もスタイル抜群で、凄い美人。

 だが続柄が問題。その女性は僕の姉。

 何で実の姉に水着姿で迫られてるのか?

 謎だし、怖い。

「武くーん」

「武彦ォ」

 色っぽい声で迫られ、僕は鼻血を吹き出しそうだった。



「フゴフゴ」

 僕は何かに押さえつけられているのを感じて目を覚ました。

「ムガムガ」

「お、武彦、目が覚めたか?」

「姉ちゃん、何してるの?」

 僕は顔の上に何かが押し付けられているのを感じていた。

 この感触は? むぎゅうっと何かが……。

「今度柔道習う事にしたんだ」

 姉は僕に何か技をかけていたらしい。

 ベッドで寝ていたはずなのに、何故か今は床の上だ。

 姉はとても満足そうに頷きながら立ち上がった。

「今のは上四方固めだ、武彦。覚えたか?」

 いや、別に僕は覚えなくてもいいから。

 それにしても姉は何になるつもりなんだろう? どこを目指しているのだろう?

「ポイントは胸で相手を押さえつける、だ。いいか?」

 いいかって……。だから僕は覚えないって。

 え? 胸? じゃあ、さっきのは?

「こら、バカ武!」

 え? 姉の声が乙女の声だ。どうしたんだ?

「この変態、何考えてるんだ!?」

 ドスッと腹に一撃。

「ウゴオオ……」

 何が何だかわからないまま、我が家の美鈴台風は部屋を出て行った。

「何なんだよ、全く」

 僕は腹を押さえて起き上がった。

「あ」

 股間を見て、姉の乙女声の理由がわかった。

「仕方ないじゃん、朝なんだし、あんな夢見たんだから」

 でも股間の反応は本当に夢のせい?

 もしかしたら……。

 でも、僕はその方が怖い。
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