第2章 魔女の覚醒 最終部 帝国への潜入 第二話 見えない傷
カルレアを出発して三日が経つ
馬車を使って移動できるの国境の街 ラバナまでだ。ラバナは、帝国に近いこともあり未だに雪が残る
ミンファが、辻馬車の馭者に代金を払う
代金を受け取ると辻馬車は、次の街を目指し行ってしまった
レンが初めての雪を見てはしゃぐ
「白い!冷たい!」
はしゃぎすぎのレンを見るに見兼ねてミンファは言った
「その辺にしてください!じゃないと風邪をひきますよ!」
その言葉にレンは渋々従った
ミンファが服屋へと三人を連れていく
ロイドはミンファに尋ねる
「なんで服屋に行くんだ?」
ミンファは服を掴んで言った
「こんな服装でフローレンシアに行こうとするのは自殺行為です!」
服屋に入るとミンファが店員と話し始める
店員が適当に服を見繕った
だが、それにミンファは注文する
「もう少し、動き易い…アレの方が良いですね!」
まだ、時間がかかりそうだったので外に出た
レンはミンファと一緒に残ったようだ
息が白い
吐いた息をじっと見つめていた
あの人と世界を回っていた事を思い出した
「確か、雪に転けてたな…あの人…」
そんな風に昔を懐かしんでいた
「泣いてるんですか?」
いつの間にか、買い物を済ませた二人がいた
ミンファに指摘されて初めての自分が泣いていた事に気づいた
レンが心配そうに見上げる
「大丈夫?ロイド?」
ロイドは笑って見せる
「大丈夫!なんでもないから!」
その日は、明日の朝に出発するために食糧などを買い、一泊する事になった
夜
月夜の空の下で、ロイドは考え事をしていた
「まだ、悩んでたんですか?シアさんの事……」
ミンファが気づいたらロイドの隣にいた
「寝たんじゃないのか?」
ロイドは尋ねる
「少し夜風を浴びたくなっただけです。何か悩みなら聞きますよ?」
ミンファの言葉に少しずつロイドは打ち明け始めた
「少しな……俺にさ、帰る場所ってあるのかなって思ってさ……」
ロイドの言葉にミンファは尋ねる
「シアさんの家があなたの帰る場所なんじゃないんですか?」
ミンファの言葉にロイドは首を振るう
「いいや…あそこには帰らない…いや、帰れない……」
ミンファはそっと抱き寄せた
「泣きたいなら、胸を貸してあげます。泣きたいなら、泣いて良いんですよ!」
ロイドは呟く
「俺さ、一体なんなんだろう?人間じゃない!あの森でリリアを殺そうとした…なんなんだろうな……」
ロイドの心の叫びだった
あの時、馬車でのフェルスの行動は何でもないような態度をとっていたが実際はロイドを深く傷つけていた
ずっと前から、カミーラの死んだ事、リアナが殺された事で自分を責めていた。帰る場所も、頼れる人もいない…そんな中で過ごして来て唯一の理解者がシアだった…その彼女すら、傷つけたくないから拒絶した…また、気付けば一人になっていた
ロイドは泣いた…泣いて、泣いて泣き叫んだ
全てを洗い流すように…
いつの間にか、ミンファの腕の中で寝息をたてていた
ミンファは感じた
「彼も一人の人間なんだと……人付き合いが苦手な唯の人間なんだと……」
お互いが傷つかないように自分から離れる
他人が傷つくなら自分が傷つきたい
そんな優しい人間なんだと
ミンファは、起こさないようにロイドを部屋へ運び
自分もベットに潜った
明日は国境を超えなければならない
長い時間歩く事になる
だから、明日は晴れるといいな!そんな事を考えながらミンファも眠りに着いた
ロイドの感情を打ち明けさせて見ました
ただ、現状では自身がリリアを傷つけかけた事を責めており、自身の在り方を見失っています。
第三章は、そこら辺を書きたいからそこへの布石になっているでしょうか?
感想をお待ちしています
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