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第0章 第一話 出会い
とある街道を彼女は、走っていた。
はぁ、はぁ、ここまで来れば…
彼女が、そう呟いていると、
「あのエルフは、こっちに逃げたぞ!探せ、あいつを売れば一生遊んで暮らせるぞ!」
彼女は、奴隷商人に追われていた。

なぜ、追われているのかというと、
普段、エルフは普段余り自分の領地から出ない。だが、彼女は森の動物と戯れていたら、うっかり領地をでてしまった。
そこで、倒れていた青年を見つけ、彼の傷を癒していた所をつかまったのだ。
なにもされずに馬車に投げ入れられた。傷物にしたら、商品としての価値が落ちるからだ。エルフは、余り市場に出回らないだから、高く取引きされる。
その嬉しさの余り、錠の確認がおろそかになっていたことが、脱出のチャンスを生む事となった。

馬車の中には、男だけで無く、女、子供までいた。しかし、世間知らずだった彼女には、よくわからなかった。
先程、彼女が助けた青年が目をさました。
「う、うーん、ここは…逃げ、きれなかったのか……」
少女は、青年の無事に安堵した。癒しの魔法を使うのは初めてだったからだ。
青年に何があったのか説明した。
「すまない、僕が逃げなければ君は捕まらなかったのに……」
青年は、彼女に謝った。そして、どうなるのか説明した。
その説明に、少女は、いままで外の世界をあまりに知らな過ぎた事に驚いた。そして、自分の今後を想像し、怖くなり泣き出した。
「大丈夫、何があっても君だけは逃がしてみせる。」
青年は、流行病で、家族をみんな無くしているらしい。そして、自分に彼の妹をダブらせていることが分かった。
「まずは、自己紹介かな?僕は、レン。君は?」
少女は、恐る恐る答えた。
「わ、わた、私は、レイシェン…」
彼女は、エルフ以外と話した事が無かったので、戸惑っていた。
レンは、手を前に出して、レイシェンの手を握った。
「よろしく!」
他の奴隷達は、みんな怯えており、彼らに名前を教える者は無く、逃げ出す計画は、二人で実行する事になった。

しばらくして、馬車が止まった。
そして、鍵がかかっていなかったので二人で逃げ出したのだ。

ここで、文頭の場面になったという訳だ。


レンの姿が見えない事に気付いた。
「レン、レン、どこにいるの?」
彼女は、声を出して、レンを呼んだ。
「逃げろ、そっちに奴らが行くぞ、僕の事は、いい。逃げろ。」
レンは、奴隷商に対峙し、レイシェンが逃げる時間を稼いでいたのだ。
彼女は、必死に逃げていたためそれに気付かなかったのだ。
奴隷商達は、ある事を危惧していた。
そう、彼女が入ろうとしている森は入れば二度と出て来れないと、噂されている曰く付きの森なのだ。
奴隷商達の目に、彼女が見えてきた。彼女は、森に少し入った所にいた。
「そこを動くな、この男を殺すぞ。」
奴隷商は、彼をすでに殺す気でいる。彼女は、一瞬そう考えた。しかし、彼を見捨てられなかった。
「分かった、彼に手を出さないで、自由にしてあげて、あなた達の欲しいのは私でしょ。」
彼女は、逃げるのを止めた。
「何を言ってるんだ!逃げろ、僕の事はいいから!」
レンは、レイシェンに向かって叫んだ。
「レン、私達、友達でしょ。なら、見捨てられない!」
彼女は、泣きながら叫んだ。

そして、奴隷商達が、彼女の元へ行き今度こそ逃げられないように拘束具をつけた。
ふん。これで、貴様とはおさらばだ。奴隷商は、レンを斬り殺した。
「うん、うーん、うん。」
猿轡をされて、うまくしゃべれないなか、レンの名前を呼び続けた。

「なんだ?お前達何してる。」
そこには、いつのまにか黒髪の青年がたっていた。彼は、レンの事を見ていた。
「ぼ、ぼくの、こ、こと、は、い、い、か、かの、彼女を………」
血を吐き、命が風前の灯火のなか、黒髪の青年にいった。
「ああ、おまえは、もう助からない。それが君の願いか?」
黒髪の青年が聞き返した。
レンは、小さく頷くと、目を閉じた。
「うーん、うん、うーん!」
涙と、涎、鼻水をまき散らしながらレンの名を、呼んだ。
黒髪の青年は、溜息をつきながら、こちらに向かってきた。
「はぁ、で、君達は、彼女をわたしてくれるのかな?」
少年が奴隷商人に尋ねる
「ふん、金のなる木をみすみす、貴様に渡すものか!」
奴隷商達は、その言葉を否定すると黒髪の青年に襲いかかる。

それは、一瞬の出来事だった。
そこには、黒髪の青年以外誰も生きたまま立っている者はいなかった。
「弱いな。あの人の方がお前らの百万倍強いぞ……」
何か、哀しむような顔をしながら呟いた。
驚くべき事に、数人がかりでかかって、血を一滴も浴びず、いつ武器を抜いたのかもわからなかった。
「大丈夫か?いま外してやる。」
彼女の拘束具を外し、謝ってきた。
「すまない、彼を助けられなくて…」
レイシェンは、彼を責められない。心ではわかっていたが、身体がいう事を聞かない。
「なんで、もっとはやく来てくれなかったんですか!そうすれば、かれは、死なずに済んだのに!」
レイシェンは、彼の胸を何度も、何度も叩いた。
しばらくして、彼女の泣き止んだのを確認し、黒髪の青年が、口を開いた。
「彼を、埋葬してあげよう。今日は僕の家に来ればいい。」
彼は、そう言った。
「名前、名前教えて、貴方をなんて呼べばいい。名前も、知らない人の家には、行かない。」
彼女の返事に彼は、少し笑いながら答えた。
「そうだ、確かに、僕の名前は、ロイド。君は、僕がこわくないのかい?」
彼は、恐る恐る尋ねた。
「わたしは、レイシェン。どうして?私を助けてくれたのに?」
レイシェンの返しに、ロイドは、「そうか。」と一言小さな声で呟いた。
「何か言いました?」
レイシェンの問にロイドは、
「いや、なにも。僕の家は、こっちだ。迷子にならないようについて来て!」

戦争が始まる足音が聞こえだす、三年前の出来事であり、カミーラが死んで二年がたった頃の話だ。
これが、レイシェンとロイドの出会いだ。
偶然だったのかもしれない。ただ一つ言える事は、レンという一人の青年が二人を引き合わせた事だ。
多分次の話は、短編の後になると思います。
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