吸血鬼の夢(後編)
聖羅学園に、園田あやこの兄、園田愁が転入してきた。なんでも、学園内に吸血鬼が入り込んでいるらしい。しかし、あやこはこっちにいる愁を怪しみ・・・。
「・・えぇ。わかってる。・・・・こっちに近いうちに来て。・・・・うん」
あやこは静かにケータイをしまう。
「はぁ・・・・ややこしいことになってきたな・・・」
と、その時。あやこの横の床から、金髪の高校生らしき少年が姿を現した。
「・・・久しぶりね。魔王、レゼノ」
「あぁ。長い間封印されてたから、体が鈍ったよ」
「・・・復活・・するの?」
「あぁ。お前が望むのなら、あそこにいてもいい。だが、もう一人の俺が、そうはしてくれない。時々、暴走が止められない時があるんだ」
「・・・あぁ・・運命て残酷。どんな姿をしていても、私はレゼノをずっと愛するわ。それが・・・・たとえ破滅を呼ぶとしても・・・」
その頃。学園内を探索する梓たち。
「あーあ!なんの気配も感じないし・・・ホントにいるの?愁さん」
「ホント。上からの情報だとね」
「・・・とりあえず、探すのは夜にしないか?」
「輝?」
「そうだな」
「昼間にウロウロしてるほど、馬鹿でもなさそうだし」
「よーっし!じゃあ、夜中の11時に高等部の玄関に集合!!」
「はぁ〜。ほっとに梓は、テンションたけぇーよな」
「むー。ほっといて!」
午後9時。愁の行動に違和感を感じた輝が、あやこに連絡をとった。
「そうよ。やっぱり、気づいてたんだ」
「どうしますか?」
「・・・・兄さんの到着がもう少しなの。だから、梓たちにはもう少し遊んでもらうわ」
「・・・(--;)」
輝は、まったくという顔をした。
全然気づかない梓たち。鈍感なんだかよく分からない。
「さてと。行きますか」
「あれ?輝は??」
「あー。なんか、作戦があるらしい」
「ふぅん」
「さぁ。罠に掛かれ・・・吸血鬼!!」
その時。愁が鼻を摘んだ。そこには、大量のにんにくが置かれていた。
「あり?これが・・・作戦?」
「まさか」
「・・愁さん?どうかしましたか?」
「いや」
「・・・・祈」
「はい?」
「何か変じゃない?」
「・・・・今頃気づかれたんですか?」
「!!??」
「・・・・気づいていなかったのは、梓だけだぞ」
「酷っ!!」
「・・・・またせたな」
「!!!???」
「あ!いつもの服だ」
「十字架の付いた黒服ですわね?」
「あぁ。吸血鬼には、効果があると思ったんだ。・・・ね?愁さん。いや、吸血鬼」
「・・・・ククッ。気づかれていたか」
「最初に気づいたのは、あやこさんだ」
「クククッ。魔女め」
吸血鬼は、愁の姿から一変した。と、その時。上から降ってきた鉄格子の檻が、吸血鬼を閉じ込めた。
「なっ!」
「わはははは!!」
すると、窓を打ち破って本物の園田愁が現れた。
「しゅ・・愁さん?」
「おう!」
「クククッ。こんな物が通用すると?」
「何言ってんの?その鉄格子の一本一本に十字架。そして、鉄格子には、たっぷりとにんにくの臭いをつけておいた」
「!!!!!?????」
「・・・・愁さんらしい・・」
「なっ・・・・何してるわけ?」
「あ、あやこさん!」
「よう!久しぶり」
「・・・・まぁいい。そいつは、本部に引き渡しといて」
「なんで?」
「研究材料にするんだって」
「ふぅん」
事件は、あっけなく終わった。幸い、あの吸血鬼はまだ誰の血も吸っていなかったらしい。今回ばかりは、敵が馬鹿で助かった。
「はぁ〜。変装出来ても、頭が馬鹿じゃあどうにもならないわね」
「うんうん」
「まぁ、一件落着ですわ」
「だな」 |