コックリさんの夢(前編)
一章 血塗りの十円玉
ある日。朝野 祈が、昼休みに友達と楽しく話していた。すると。
「え!コックリさん!」
思わず声を出してしまった祈。
「シーッ!声がデカイよ!」
「ごめん。」
「それでね。葵と桜、私、祈、夏美の5人で、やろうってことになったの。いいでしょ?」
「アタシ賛成!」
「桜が賛成なら、私も。」
「葵もやるのー!じゃぁ、私も。」
「祈は?」
「杏子ちゃん・・・。だって、何か起こったら・・・」
「もー!やるの。はい!決まり。」
「えぇ〜!」
こうして祈は、友達の杏子の誘いで、コックリさんをやることになった。正直、祈は不安だった。Spiritの人間として、本当は止めなくてはならないものだったから。
放課後。誰もいない教室に5人集まり、杏子の用意した紙と、祈の十円玉でコックリさんを始めた。
「コックリさん、コックリさん。鳥居を通って、お越しください。」
と、5人で念じた。十円玉は、鳥居を潜って動き出した。
一通り質問した祈たち5人は。
「コックリさん、コックリさん。お帰りください。」
と、念じた。その時。電気が消えて、教室は真っ暗になった。叫ぶものの、十円玉から指を離すことは、なかった。電気がつくと、十円玉は鳥居の外にいた。しかし。誰かが指で書いたかのように、鳥居から始まり、一文字、一文字丸され、鳥居にもどっていた。それは、指に血をつけて書いたものだった。
「み・ん・な・し・ぬ・よ。」
「いやぁぁ!!」
葵がその場にしゃがみ込んでしまった。
「み、皆・・・死んじゃうの?」
「・・・・う、嘘でしょ?」
誰もが、その状況に唖然とした。
二章 一人目の犠牲者
あのコックリさんをやった日から二日後の朝。コックリさんをやろうと言った杏子が、中等部の寮の屋上から転落して、死亡した。学校は休校となった。
「ねぇ。これって・・・あのコックリさんじゃないよね?」
「当たり前よ。ほ、ほら、杏子って、結構怖がりだから。あの子って、夜空とか見るの好きだから、見てたら手を滑らして、落ちちゃったのよ。の、呪いなんかじゃないわ!」
「だよね。」
「・・・・次は、誰かな?」
「葵!や、やめてよ。」
正直、私たち4人は、動揺していた。次は誰が死ぬのか・・・。次は私かも・・・・。そんな不安でいっぱいだった。
祈の元気のなさに、梓は心配し始めていた。しかし、なかなか話し掛けることが、できない状態だった。
「輝。祈が元気ないのって、友達が亡くなったからかな?」
「いや。多分、それだけではないな。」
「どういう・・・」
「・・・事件だ。」
輝の勘はよく当たる。
赤い十円玉が、生贄を決める。
つづく |