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AM 11:00
作:東堂要


「目を覚ましてよ」

君の優しい声が僕を包み込む。
どうやら病室でそのまま寝てしまったみたいだね。
僕は窓を開けて部屋の空気を入換える。
時々風が、君の長い髪をなびかせながら心地よい空気を運んでくれる。




おっと、もうこんな時間だ・・・・。
「それじゃあ僕はもう戻るか・・・・って、おい?」
僕の腕を掴みながらきみは
「もう少し・・・あと、ちょっとだけ・・・」
と笑いながら呟く。
その姿が余りにも愛し過ぎるから僕は思ってしまうんだ・・・
この世界・・・つまり君がいる世界が無くなってしまう前に、
このオモイヲ・・・・。

『お願い僕のそばにいて、君が好きだから。この想いが君に届くように・・・・願いが叶います様に』

ってね、でもまだ言わない今言っても君を辛くさせるだけだから
もっと自信をもって、君が安心させれるようになってから言うんだ。
僕はいつかその日が来ることを信じて生きていくんだ。
そう心に決めた。



・・・・静かなココと違って窓の外は騒がしいね。
ココとは別世界だよ・・・。
ちょっとうんざりするかな?
どこか遠く・・・誰もいない場所へ・・・
時間の感覚さえ狂ってしまう程遠い場所へ・・・
この幸せな時が二人を連れ去ってくれてもいいから・・・


なんて思ってたらナイスタイミング外出許可がでたよ。
天気は晴れ、絶好のおでかけ日和だよ。
車のエンジン・テンション・ステレオ、全部バッチリだよ。
後は・・・・

「ほら、となり座って」

・・・・って、君がとなりにいるだけで・・・やべっ、顔赤くなるって・・・。
うっわ海とか山つーか景色って君と見てるとこんなに全然違うんだ・・・。
って、それ僕が緊張してるだけなのか?
うーん、まあ君の前では一応紳士的に映るにしとかなきゃって。
でもさ、僕思うんだ

『このどこまでも続く道と君と僕が歩く道ってにてるんじゃない?だから、君と僕はいつまでも二人で歩いていけるんじゃないかって・・・』

でも恥ずかしいから言わない。でもこれだけは言えるんだ・・・

「君が好き」

これはこれで恥ずかしいな・・・。



・・・・君がそばにいるだけで僕は色々な発見ができた。
新しい感情だって知ったんだ。
君がいないと駄目なんだ・・・。
だから、だから

「目を覚ましてよ・・・」

今なら言えるんだ。
あの時、言いたくてしょうがなくて、でも言えなかった言葉を。
君がいなくなってしまう前に伝えたかった想いを・・・

「お願いそばにいて・・・君が好きなんだ」
わかってる。もう届かない事くらい・・・。
でも最後だから、最後まで言っておきたいんだ・・・・。
「この想いが・・・き・・・みに・・届く・・よう・・」
泣く、なよ・・・。
「ねがい・・がぁ・・・か、かない・・・ま・・・」

わかってる。叶わない事くらい・・・。
君は僕の目の前で・・・・。
でも好きだから・・・。
どうしようもないくらい・・・。

僕は君にそっと口付けをする。
最後の口付けは・・・冷たい・・死の味がした。

僕はふと時計を見上げる。

それは、AM11:00を示していた・・・・。



















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