おいおい、そろそろ起きる時間じゃねぇの?
しょうがない起こしてやるか。
俺はあいつの寝顔にそっとキスをした。
「やめて〜」
甘ったるい声で寝返りをする。
カーテンをすり抜けまぶしい光が差し込みサイドテーブルの上のペットボトルの水を
キラキラと照らした。
俺は毛布をひっぱりあいつの顔にキスの嵐。
「もぉ〜、やめてったらぁ〜もうちょっと寝かせてよ〜」
そう言って俺をベッドの中に無理やり引きずり込んだ。
心地よい暖かさとあいつの香りが俺を包んだ。このまま。。。このまま俺も眠りたい。
そんな気持と戦いながら俺はあいつの頬にキスをした。
「わかったよぉ〜起きるよっ」
そう言ってあいつは布団から立ち上がり背伸びをした。
サイドテーブルのペットボトルのふたをあけてゴクゴクと勢いよく飲んだ。
それからチラッと時計を見て
「よっしゃ、遅刻はまぬがれた。あんがと健太」
ベッドの上に座っている俺にキスをした。俺はほこらしげな顔をしてみせた。
パジャマを脱いでスーツに着替えるあいつの体はペットボトルとは比べ物に
ならないくらいキラキラしていた。
俺はあいつの体をじっと見つめているとあいつが脱ぎ捨てたパジャマが目の前を覆った。
温かさが残るそいつを振り払うとあいつの姿はもうなかった。
俺は部屋を出てキッチンに向かった。
キッチンでは俺の朝食を用意するあいつがいた。
「今日はクリスマスだから早く帰るね」
そう言ってキッチンを出て行った。
俺は用意された朝食をたいらげソファーに座り今日一日何をして過ごそうか考えていた。
しばらくしてキッチンと廊下をつなぐドアが開き、化粧を終えすっかりOLに変身した
あいつが顔だけ出した。
「行ってくるね。プレゼント買ってくるから期待して待ってて」
軽くウインクをしてあいつは出て行った。
腹が減り、だいぶ薄暗くなってきた。
そろそろあいつが帰ってくる頃だ。
──ガチャ。
俺は玄関に走った。
「ただいま! 健太」
俺にキスをした。そして後ろを振り返り
「どうぞ。」
玄関のドアがいっぱいに開くと男が一人立っていた。
誰だよ、こいつ?
男はしゃがんで
「はじめまして。俺、たつや。よろしく」
そう言って俺に手を差し出した。
俺はそいつの手のひらを思い切り噛んでやった。鉄くさい温かい液体が
口の中に流れてきた。
「こら、健太!」
あいつが叫んだ。
いつもそうしてきた。
第一の男はその瞬間俺を思い切り殴った。
第二の男は情けない声であいつに助けを求めた。
二人とも二度とうちに来ることはなかった。
こいつはどうする?
男は一瞬ビクッとしたがそのまま俺をじっと見つめていた。
「ごめん、ビックリしたのか。いきなり来て悪かったな。」
噛まれた手を気にすることなく申し訳なさそうな顔で言った。
俺はそいつの手から口を離し傷をなめた。
「ちょっと待っててね」
あいつが部屋の奥へ走っていった。
「心配すんな、真樹を取ったりしないから」
戻ってきたあいつは消毒液と包帯を持っていた。
「大丈夫?ごめんね、たつや」
少し泣きそうな顔で手当てをするあいつに俺は言ってやった。
「ワンワン」
いい男を見つけたな。と。
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