七日間の奇跡
暗い寝床から見える空が狭くて、あまりにも恋しくて……。僕の一生は想像の
『青』を飛び回るだけだけだと思ってたんだ。
でも違った。時が来たんだ。世界は僕を必要としている。だから僕は力の限り
を尽くす。一歩一歩、小さな足だけど確実に進むんだ。諦めてはいけない。僕は
見るんだ。想像していたあの『青』を。そして……。
世界は広く、優しく、多くの色に溢れていた。ああっこれが世界か。僕の生き
ていた世界。叫びたい……心からそう思う。でもまだだ、僕にはこの世界を生き
抜く体も、そして夢を叶える翼も無いんだ。だから登ろう。何処よりも高く、何
よりも世界に近いあの場所へ……。
高く、そして広く、美しい場所『青』。僕は『青』に行きたい。だから必要な
んだ強い体と翼が。その二つの力を手にする方法を僕は知っている。七日間の
力。それを使えばいいんだ。使います。だから……体と翼をください。
「『青』だ! 僕は『青』にいる! 世界よ見てくれ! 僕はここにいる!」
叫んだ。僕は力の限りに叫んだ。手に入れた体で。そして飛んだ。『青』を自
由に飛び回った。手に入れた翼で。僕はどこへでも行ける。
『青』には多くの仲間がいて、そして多くの敵もいた。僕は初めて暗い寝床が
温かかったことに気がついた。でもいい、僕は自由を手に入れたんだ。だから
色々な所を観に行こう。大きな緑色、暗い灰色、『青』とは違う青色、熱く力強
い赤色。
そして、僕は君に出会った。この『青』で……。
「君も『青』で自由を手に入れたのかい?」
しかし彼女は否定する。
「いいえ。私は世界とつながる為に『青』に来たの」
僕には解らなかった。
「世界は輪廻するの。だから私は育む力を授かった。あなたは誰かを守る強い翼
を手に入れたはずよ」
そうだったのか。僕は理解した。そして……。
「僕に君を守らせてくれ」
幸せだった。自由を手にする為ではない翼。僕は全ての力を彼女の為に使う。
彼女と飛び、彼女を守り、そして世界のお手伝いをするんだ。
でも……時間がきてしまった。七日間の力。もう世界へ返さなくてはいけない
体と翼。まだ彼女の育みは終えていないのに……。
「大丈夫よ……あなたは安心して世界へ帰って。あとは私が使命を果たします」
もう声は出なかった。でも辛くはない。僕は生きたんだ。そしてそれを彼女に
託す事が出来たんだ。それに……。
「待っていて世界で。私もすぐに行くから。そして世界で1つになるの」
わかっているよ。もう飛べないし、声も出ないけど。大丈夫、彼女と僕は繋が
っているから。
ああ世界よ。僕に翼をくれてありがとう。体をくれてありがとう。
『彼女に出会えてよかった……ありがとう』
世界は広く、美しく、そこには二つの思いと……新しい力があった。
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