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ゆきんことおとこのこ

作者:蘚鱗苔

 これはすこしだけみらいのおはなしです。

 あるところに、 おとこのこがいました。
 ちいさなおうちに おかあさんとおとうさんと さんにんでなかよくくらしていました。
 おとこのこは、 うまれてからずっと そこにすんでいました。
 はれのひも、 あめのひも、 そこでくらしていました。


 おとこのこのおうちのまえには ちいさなこうえんがありました。
 ちいさなすべりだいと、 いすがひとつある、 ちいさなちいさなこうえんでした。
 でも、 こうえんのまんなかには おおきなきがありました。
 おとこのこは、 とってもおおきなきがだいすきでした。
 あたたかくて、 おとうさんよりもおおきくて、 だいすきでした。
 おとこのこは、 まいにちこうえんであそびました。


 あるはるのひ、おとこのこはきのねもとから ちいさなきがはえているのをみつけました。

 「きのあかちゃんだ!」

 おとこのこはいいました。
 おとうとがほしかったおとこのこは、 まいにちおみずをあげました。

 「おおきくなってね、おおきくなってね。」

 はれのひも、 あめのひも、 おとこのこはおみずをあげました。

 かぜがつよいひには おとこのこは ちいさなきがたおれないか しんぱいでねむれませんでした。


 ふゆになって きはおおきくなりました。
 おとこのこがまいにちおみずをあげたおかげで、 おとこのことおなじくらいおおきくなりました。

 「ぼくときょうそうだね!」

 おとこのこはうれしくなって、 まいにちまいにちおみずをあげました。


 あるひ、 おとこのこがめをさますと、 そとにはゆきがふっていました。
 おとこのこははじめてゆきをみました。
 そとにでて こうえんにいこうとすると、 おかあさんがいいました。

 「おそとはさむいから、 おようふくをいっぱいきなさい。」

 おようふくをきたおとこのこは、 まるでだるまさんみたいになりました。
 こうえんにはゆきがつもっていて、 まっしろになっていました。
 でも、 きはげんきでした。


 おとこのこはうれしくて、 こうえんをはしりました。
 いっぱいころんで、 ゆきまみれになってしまいました。
 ゆきはとてもつめたくて おとこのこはびっくりしました。

 「ねえねえ、 なにしてるの?」

 おとこのこがうしろをみると、 おんなのこがいました。
 しろいおようふくをきた、 かみのけのしろい かわいいおんなのこでした。

 「だあれ?」

 おとこのこはいいました。
 おとこのこはおんなのこをみたことがありませんでした。

 「こんにちは、 いっしょにあそぼう?」

 おんなのこはいいました。
 そのあと、おとこのこはおんなのことあそびました。
 ゆきがっせんをしたり、 おはなしをしたりしました。
 ゆきだるまもつくりました。

 「ゆきだるまとそっくりだよ。」

 おんなのこはおとこのこにいいました。
 おとこのこはおようふくをたくさんきていたので、 ゆきだらけになって、 ゆきだるまそっくりになっていました。


 ゆうがたになって、 おとこのこのおかあさんがむかえにきました。

 「またあしたあそぼうね?」

 おとこのこはいいました。

 「うん!ぜったいあそぼうね!」

 おんなのこはいいました。
 おとこのこは おんなのこともっとあそびたかったけれど、 おかあさんといっしょにかえりました。


 つぎのひも、 ゆきがふっていました。
 おとこのこがこうえんにいくと、 おんなのこはまっていました。
 おとこのこはうれしくて、 おんなのことたくさんあそびました。


 そのつぎのひも、 ゆきがふっていました。
 おんなのこはこうえんでまっていて、 おとこのこはたくさんあそびました。
 おかあさんがおむかえにきて、 おとこのこはいいました。

 「またあしたあそぼうね?」

 おんなのこはかなしそうにいいました。

 「ごめんね、 わたしおひっこしするの。」

 おとこのこはびっくりしました。
 おんなのこのほっぺには、 おおきなおおきななみだがながれました。
 おんなのこはなきながらいいました。

 「とおくにとおくにいかなきゃだめなの。」

 そしておんなのこはおとこのこに きでできたおにんぎょうをわたしました。
 うさぎさんのかたちをした、 きれいなきれいなおにんぎょうでした。

 「これあげる! わたしのこと わすれないでね。」

 おんなのこはいいました。
 おとこのこはいいました。

 「ぜったいぜったい わすれないよ。」

 おとこのこは、 おんなのこをぎゅーっとだきしめながら、 いいました。



 つぎのひは、ゆきがやんでいました。
 おとこのこはこうえんにいきました。
 けれど、 おんなのこはいませんでした。
 おとこのこはかなしくなりました。

 つぎのひも、 そのまたつぎのひも、 おとこのこはまいにちこうえんにいきました。
 それでも おんなのこはいませんでした。

 つぎのひ、 おとこのこがこうえんにいこうとすると、 こうえんはかべにかこまれていました。
 しろくて、 おとこのこよりもおおきなかべでした。
 そばにいたおじさんにおとこのこはいいました。

 「なんでこうえんにはいれないの?」

 おじさんはいいました。

 「こうえんはなくなっちゃうんだ。 あぶないからおかあさんのところにかえりなさい。」

 おとこのこはかなしくなりました。
 おうちにかえって、 おかあさんにはなすと、 なみだがいっぱいでてきました。
 おかあさんにだきついて、 たくさんたくさん なきました。
 おかあさんはいいました。

 「きっと、 あのおんなのこはようせいさんだったのよ。」

 「あなたがそだてた ちいさな きのようせいさん。 きっと、さよならをいうためにおんなのこになったのね。」

 おかさんはおとこのこのあたまを ゆっくりゆっくりなでてあげました。
 ないているうちに、 ねむくなってきてしまって、 おとこのこはねてしまいました。


 それからいちねんがたちました。
 おとこのこのいえのまえには、 こうえんはもうありません。
 おとこのこのいえのまえには、 おおきなきはもうありません。
 おとこのこのいえのまえには、 ちいさなきもありません。
 おとこのこのいえのまえには、 おおきなおおきなまんしょんがたちました。

 おとこのこのつくえのうえには、 ちいさな、 きれいな きのうさぎさんがいます。


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