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プロローグ

 書き直したら話数がズレてしまったので、整理しました。

 


 


  --消えていくのだ...


 仲間達と冒険したダンジョンも、溜まり場にしていた噴水の広場も。

 それに、冒険帰りに仲間たちと笑い合った酒場まで...。



 思い出の詰まった世界が、全部...全部...崩れ去って消えて行くのだ...。


 その光景を、妾はジッと見つめる事しか出来んかった。


 心の中では動き出したかったのだぞ?

 だけど動けないのだ...。


 何故なら、妾は(れん)のアバターだからな。


 ......。



  --なんだろう


 とっても胸が締め付けられる感じがするのだ。 

 多分、寂しいのだな、これは...


 こうして生まれた世界を失うのは初めてだし、こんな状態異常は初めてなのだが...。

 寂しい時は胸が締め付けられると言っておったしな、きっと間違いないと思うのだ。


  --ぬぅ...


 それにしても、容赦なく世界が消えて行くのだ。

 建物がどんどん白に飲まれて見えなくなって行く...。


 いったい何でこうなってしまったのだ...?


 その理由を聞きはしたのだが、妾にはイマイチ良くわからんかったのだ。


 えーっと、何と言っておったか...。


  --確か...


 『今日でこの ドラゴンテイルズオンライン のサービスが終了する』


 そう言って(れん)達が悲しそうに話しているのを聞いたのだ。


 因みに(れん)と言うのはだな、妾を生み出した少年の名前なのだっ!


 妾は(れん)がこの世界で行動するために生み出された、『アバター』とか言うものらしい...。


 何やら日本という場所から『へっどどらいぶ?』とかいうのを付けて、妾の視界と同調すると聞いた。

 あと、(れん)の顔をトレースして妾の表情を変化させたり『ぼいすちぇんじゃあ?』とかいうので声を変えてるとかも言っておったな。


 その様子を『でーた?』とか言うので送られて来て、妾は楽しく会話する(れん)をいつも見ておったのだっ。



 そうやって(れん)に操られるがまま、妾は様々な冒険を仲間達と共に乗り越えていった!


 まぁ、妾は自分の意志では動けんし本当に見てるだけだったのだがな...。


 楽しそうに冒険する皆の会話を聞いたり、送り合ってる画像ふぁいるとかを覗き見たり...。

 それでも(れん)達が冒険するのは、見ていてとっても楽しかったのだっ!


 だけど......。


  --それも今日までなのだな...


 最後の冒険は、今までの中でも一番に楽しかったのだ。


 世界が終わる日、様々な人達が集まった。

 それでみんなで、全部のレイドボスを討伐して周ったのだっ!


 懐かしい最初のダンジョンのレイドボスから、何度もレアアイテムを求めて倒したレイドボス。

 そんな時、誰かがボソリと呟いた。


 『そういや、誰も倒してないレイドボスが1つ残ってるよなぁ』...と。


 この世界には様々なレイドボスがおるのだが、討伐すると世界にその事が告知される。

 そこで『次元竜』と言うレイドボスだけは一度も討伐告知が流れた事が無いのだ。


 しかし...うむ。

 妾もアレは駄目だと思うのだ...。


 だってだなっ、あのボス、次元がズレているとか言う良く分からん状態になっておるのだ...。


 そのせいで空間魔法しかダメージが通らんくてだな。

 けどな、あの竜な、空間魔法に耐性があるのだ...。


 更に挑んだ人数に応じて強化までされてしまうし...。


  --とってもズルいボスなのだ...


『けど、あれ倒すならワールドランクくらい必要じゃね?』

 『ああ、それでソロで突撃でもかまさないと無理だろうな』


 うむ。その意見には同意なのだっ。


 因みに『ワールドランク』というのはだな、装備のランクの事でだな。

 『ワールド』と言うのは世界に1つしか存在できないやつのランクなのだ。


 まぁ、誰も作った人はおらんのだがなっ。

 だから必要だったとしても、手に入れる事は残念ながら出来んのだ。


 妾も一度は身につけてみたか...。

『俺、素材あればワールドランク作れるぞ』

 『『『マジで!?』』』


 クッ、クロガネが作れるとか言い出して、周りに居た皆がビックリしているのだ。


 ま、まぁ、作れたとしても素材が無ければ無理だからなっ。

 アレの素材は確かとっても大変...。

『あー、オイラ素材もってっぞ?』

 『『『何で持ってんだよっ!?』』』


 そ、そうなのだ。

 アレの素材は確かダンジョンの初回攻略特典が必要で、そう簡単には集められないはずなのだ。


『あー...。今日で終わるってんで、オイラ色んなトコにアイテム貰いに行ったんだ』

 『『『なにしてんだよっ!?』』』


 まっ、まさかの理由なのだ...。

 しかし...。

 うむ。


 妾も貰いに行きたかったのだ...。

 そしたら、今まで見たことも無い宝物が見れたかもしれんしな...。


 だが、(れん)は行かんだろうな。


  --残念なのだ...


 さて、素材があって作れる人が居る。

 これならワールドランク装備が作れるのだっ!


 この目で見れる日が来ようとは...。

 とんでもない御宝なのだっ!!


 そして出来上がったのは、オリハルコンとミスリルの合金繊維を編み上げて造り出された漆黒のドレスアーマー。

 更に剣としても杖としても使用できる、神竜の血塊石がはめ込まれたとっても綺麗な細剣(レイピア)なのだっ。


  --はふぅ...


 是非ともこの手でピカピカに磨けあげたいのだ...。

 妾...。御宝を見ると磨きたくなってしまうのだ。


『じゃあ(れん)、これを使って次元竜を倒してきてくれっ』


 なっ...。

 わっ、妾がっ!?


『この中だとオマエが一番強いからな、頼んだぞ』



 ふっ、ふぉぉぉおおぉぉっ!!

 かっ、格好いいのだっ!!


 妾は早速『ワールドランク』を装備して、誰も倒した事のない『次元竜』の元へと向かったのだ。

 向かったのだが...。


 あっけなく戦闘が終わってしまったのだ。


 と、言うか...だな。


 まさかの1発で終わってしまったのだ。


 ......。


 い、いやっ、まぁ...妾の火力にこの装備があれば当然の結果なのだがなっ!

 だが、出来ればもっと色々な魔法をぶっ放してみたかったのだ...。


  --ぐぉぉおぉぉぉぉん


 倒された『次元竜』が咆哮を上げて消えていく。


『越えし者よ、次元を惑え...』


 む?

 今、何か...。


 おおっ、戦闘を見ていた皆からチャットが届いてるのだっ。


 うむうむ。

 皆が妾と(れん)を称賛しておるぞっ!


 それから拍手喝采に出迎えられて。

 最後のカウントダウンが始まったのだっ。


 

 5


 4


 3


 2


 1


「0......ゼロ」



 自然と妾の口からは言葉が漏れ出る。多分これが自分で発した初めての言葉だと思うのだ...。


  --妾と(あるじ)との繋がりが絶たれた。


 視界の端からゆっくりと世界が分解されて虚空へと消えていく...。


  --妾の仲間も...


   --妾の冒険した場所も...


 何もかもが光の粒になって消えていく。

 その光景をただ呆然と、世界の終わりを......。


 妾は静かに眺め続ける。


 多分...。

 もうすぐ妾もああやって消えてなくなってしまうのだ...。


 そして、とうとう目の前まで世界が崩れ去り。

 妾も白色で塗りつぶされてしまったのだ...。



「ああ......」



 リスポン地点で生き返れる死とは違う、これが本当の消滅()なのだな...。



「なんだか...。とっても寂しい感じがするのだ...」



 

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