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ささくれ黙示録 ~ショートショート集・ソノ1~

ショートショート002 会場

作者:笹石穂西
 ちょっと、ちょっとあなた。新しく来られた方ですよね。
 ちょっと聞いてくださいよ。私がこんなことになっちゃった理由を。とにかく誰かに話したくて話したくて、仕方がないんです。はぁ、聞いてくれますか、それはどうも。
 いやいやまさか、こんなことになるなんてねぇ。



 もう半年ほど前になりますか。同窓会に誘われたんですよ。中学の同窓会なんですがね。
 私も初めは行くつもりだったんですが、途中でやっぱり嫌だって言ったんです。だけど相手が悪かった。幹事の森山ってやつなんですけどね。

 森山は、人一倍、いや二倍も責任感が強い男でして、いったん引き受けたことは強引にでもやり通すんです。
 そうですね、たとえば、中学の体育大会のときの話なんですが、森山が応援合戦の団長をやることになりましてね。
 そのときに、先生が「がんばって優勝してくれよ」なんて言っちゃったもんですから、もう大変。森山のやつ、「まかせとけ」ってはりきってはりきって。
 毎日、朝は五時から、放課後は夜の九時まで、猛練習させられてしまいました。ええ、おかげさまで優勝できましたけれどもね。



 その森山が、今回の同窓会の幹事に選ばれたんですよ。責任感の強いアイツなら、絶対に全員集めてくれるだろうってことで。

 確かに、全員集まってました。はい、一人残らず。私は必死に抵抗したんですけどね。たぶん、みんなそうなんじゃないかな。でも、結局無理やり連れて来られちゃいました。

 何をそんなに嫌がったのかって? いや、別に同窓会それ自体はいいんですけどね。いくらなんでも会場が悪い。とんでもない場所を提案してきたんですよ。

 あっ、ほら、あっちを見てください、あそこで喋ってるのがその森山ですよ。言い忘れてましたが、今まさにその同窓会の真っ最中でして。責任を果たせたからって、嬉しそうにしちゃって、まぁ。

 ああ、理由をお分かりいただけましたか。そう、そうなんです。

 森山の野郎、幹事に決まってからしばらくして交通事故で死んだんですが、「絶対同窓会は開いてみせる」なんて言って、嫌がる私たちを無理やり……。

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