第9話 恐竜の歯
Drプロットの恐竜教室
Drプロット(ロバート・プロット)
容姿
ハゲ頭でトンボメガネをかけている。
鼻の下には太くて長いヒゲをはやしている。
やせて、背が高い。
教科
理科
専門
恐竜学・古生物学
舞台
岡の上小学校 6年A組
生徒
毛利隆史
大内清子
加藤清高
島津直子
多古弘子
菊池ひとみ
平賀和也
武田好
福原耕太
弓削亜沙美
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第9話 恐竜の歯を勉強しよう。
「今日のお勉強は恐竜の歯だよ」
プロット先生が出席簿を仕舞いながら言った。
「えっ葉?葉っぱ?」
こらこら僕の口め、勝手にしゃべるな。はって言ったら歯しかないじゃないか。
僕は岡の上小学校6年A組の毛利隆史。クラス仲間には恐竜博士なんて呼ばれています。
でも変なのです。プロット先生の授業になると僕の口は勝手にしゃべりだすんです。
「そうだね、タカシみんなを笑わせようったって駄目だよ。はって言ったら歯の事だよねぇ。英語で言うとトゥースだね。」
「あれっ先生、歯ってティースじゃな〜い。」
横の席から大内清子が叫んだ。
ふんだ、ちょっと勉強が出来るからって偉そうに・・・今は英語の勉強じゃないんだぜ。
「そうだね。キヨ子の言うのも歯、僕の言うのも歯。僕が言ったのは一本だけでキヨ子が言ったのは2本以上の歯の事だよ。よしよしタカシそんなにすねないで、じゃぁ歯の勉強に今日はこのクルーを使おう。」
先生が言いながらバックパックのチャックを開けて20センチぐらいの恐竜のおもちゃを出した。
「さぁこの恐竜は何という名前だろう。」
「はい、ステゴザウルスです。」
先生が全部しゃべる前に僕が答えた。本当だよ。口が勝手にしゃべったのでは無いんだよ。
「おっ、さすが恐竜博士だなタカシは。」
エッヘン、どうだ、こらこらみんな拍手は、拍手はどうしたの・・・
「なんだよ偉そうに。そんなの見りゃ誰だって判るじゃないか。」
後ろの席で平賀和也が席を踏ん反り返らせて僕に聞こえるように言った。
「はいはいはい、じゃぁみんな教室の真ん中を少し開けてくれるかな。そう、机を窓とローカの方へ寄せて。そうそう」
先生に言われて僕達はガタガタゴトゴト机と椅子を引っ張って教室の真ん中でダンスが出来る程の空間を作った。
「出来たね、じゃぁ君はここへ降りてっと。」
先生が部屋の真ん中に恐竜を置いた時にはおもちゃだった恐竜が生返って1メーターぐらいの大きさになっていた。
でもその恐竜は寝たまま。そして少しずつ大きくなっている。ま、僕達は慣れているけれどね。
5メーターぐらいの大きさになったとき
「じゃ、もういいだろう。」
と先生が言った。と同時に島津直子が恐竜の鼻先をペチャペチャと叩いて
「早く起きなさいよ。いびきがうるさいじゃないの。早く起きなさいよ。」
ペチャペチャ、パチパチ
「う・・・・・ん、おはようママ」
恐竜が直子を見て言った。
「何言ってんの、わたしはあなたのママじゃありません。」
どうしたんだよ、いつもはあんなに怖がっている直子が・・・
「今日の恐竜は怖くないのかい、直子。」
と僕が聞いた。
「うん、だってうちのミッキーに顔が似ているんだもの。かわいい〜」
「あんたんとこのはセパードでしょう、似てないわよ。」
好が後ろの方から叫んだ。武田好は好と書いてヨシミって呼ぶんだ。
「似てるわよ。」
「似てないよ〜」
こらこら
ステゴサウルスがセパードに似ていようがチンクに似ていようが、そんなことどうでも好いじゃんか。
「プロット先生、このうちわみたいな背中の棘なら敵が攻めて来た時、しっぽの棘で突き刺したり背中の棘で突き刺したりで襲われないよね。」
僕がうるさい女子の言葉をさえぎってやった。
「おっタカシ良いことを言うね。そうだね、科学者は君が言うみたいに考えたのだよ。」
プロット先生があご髭をしごきながら続けて言った。
「さてステゴサウルスって名前は前にも説明したとおり屋根トカゲと言う意味だったよねぇ。まぁ最初にこのプレートが発見された時、屋根に使うスレートパネルみたいに思ったのでこんな名前になったそうだよ。このプレートは骨の一部分だけれど見てごらん上に薄い皮膚があるだろう。」
プロット先生に言われて良く見ると硬い皮膚みたいだ。
ステゴサウルスが右に廻りだして窓と平行に身体を向けなおした。
「あっプロット先生、この棘の色が少しピンク色になってきました。」
弓削亜沙美が小さな声で言った。
「どこどこどこ」
僕は亜沙美のそばへ行った。
「あっ、本当だ。先生、ここ、ほれ、ねっ。」
「そう、ステゴサウルスの棘は太陽の光を受けて体温の調節をするんだよ。体温が上がると血の巡りが良くなるから色が赤くなるんだね。暑くなったら今度は太陽の方向に頭かお尻を向けるよ。そうしたら直接熱を受けないから少しずつ体温が下がるんだよ。」
プロット先生が説明してくれた。
「じゃぁステゴサウルスは太陽に向かって横に向いた時は頭が良くなるんですね。」
和也が後ろの席から叫んだ。
「ははは、そうだねぇカズヤ、面白いところに気が付いたね。脳への血もたくさん廻るだろうねぇ。」
プロット先生が笑いながら言った。
「じゃぁ隆史も毎日窓際で横向きに居ればいいんだ。少しは頭が良くなるぜ。」
あったまに来たなぁ。僕は立ち上がって和也をにらみつけてやった。
ステゴサウルスは足をバタバタ踏んで大きなあくびをした。
多古弘子がそれを見逃さないで口の中を覗いた。でももう少しでステゴサウルスに咬まれるところだった。
「あ〜助かった。カーナボーじゃぁ無いと判っていても大きいから怖かった。」
弘子は大きくため息をつきながら言葉をつないだ
「でもプロット先生、ステゴサウルスには歯がありませんでした。」
「そんな事無いよ。ステゴサウルスには歯があります。じゃぁ見てごらん。」
プロット先生がステゴサウルスの頭を軽く下から持ち上げるようにしてあごの下をくすぐってやると目を細めて気持ちよさそうにしている。
「グッバイ、ステゴサウルス君。」
プロット先生が言った瞬間に骨になった頭だけが残って身体全部が消えてしまった。
「よく見てごらん。ここにちゃんと歯がはえているだろう。」
先生が上アゴを持ち上げて口の奥の方に並んでいる歯を見せてくれた。でも前半分ぐらいはクチバシみたいだ。
「前のクチバシみたいな所で葉っぱなどを引きちぎって奥歯で噛み砕いて飲み込むんだよ。」
「へ〜」
僕は前の亜沙美を押しのけて口の中を覗きこんだ。
「恐竜達はそれぞれ食べ物に合うような歯を持っていたんだよ。食肉種のカーニボーはこれとは全く違う歯の形をしているんだ。じゃぁタカシ、先生は頭を持っているから手が離せないので僕のバックパックの前のポケットに一本歯が入っているから出してくれるかい。」
言われて僕は教壇の横まで行って置いてあったバックパックのチャックを開けた。前のポケットって言ったって4つもあるじゃん。あれ、ここには無いや。ここも無し、何だこの変なのは。こっちかな。無いなぁ。やっぱりこれかな。
「先生、歯はありません。でもこんなのが有りました。」
松ポックリを少し薄くして角にのこぎりみたいにギザギザのある物だ。
「あっそれそれ。持ってきて。」
先生が言うので又亜沙美を押しのけて先生に手渡した。
亜沙美の腕って柔らかい。いい臭いもするし。惚れちゃおうかな。
「さぁこれが恐竜の歯だよ。凄いだろう、どんな種類の恐竜の歯かわかるかな?」
「そんなのこぎりみたいな歯なら、ぜったいにカーニボーだよね。」
「そうだよ、そうだよ。」
みんなが僕の言葉にうなずいて口を揃えて言った。
「さぁ、どうかな。じゃぁタカシが言うようにカーニボーの歯ならどうやって食べるかわかるかな?」
先生が言った途端に直子が、
「こうやるのよ。」
と言って、大きな口を開けて僕の腕をくわえ、両横に振った。
やめろよ、やめろ。服が破けるじゃないか。
「ははは、どうかなぁみんなはどう思う?」
プロット先生が髭をしごきながらみんなを見回して聞いた。
「噛み切るんだよ。」
僕が言った。
「そうね、のこぎりの歯みたいだから、一回咬むだけで肉なんか切れちゃうわよね。」
亜沙美が僕を見ながら笑顔で同意してくれた。うれしいなぁ。僕の好みなんだ。
「ステーキナイフだってのこぎりみたいな歯が付いているよ。」
「そうだね。」
「わたしお腹すいた〜」
武田好が叫んだ。
「ははは、ヨシミは食いしん坊だな。じゃ、もう少しほかの恐竜達の歯も勉強してみようね。キヨ子が一番近いね、僕のバックパックの前ポケットに入っている歯を全部出してくれるかい。」
プロット先生は笑いながら言った。
えっ!さっき僕が見た時、この歯だけしか入っていなかったよ。
ガサゴソかき回していた清子が両手にいっぱいの歯を持って床に並べた。
へっ?どうなってんだろう。まぁいいか・・・・
「さあ、よく見てごらん。この長い歯はね、ディプロドクスの前歯だよ。」
プロット先生がたくさんの歯の中から一番長いのを持って僕達に説明してくれている。
ディプロドクスは熊手みたいな歯で木の葉っぱを枝から集めて口の中へ放り込んで咬まないで飲み込むんだって。
へ〜そんな食べ方するとお母さんに叱られちゃうけどなぁ。
あっそうだ。和也の前歯は同じように大きくて前に飛び出してるから、あいつはこうやって食べてるのかな。ふふふ・・・・
「さぁ、さっきの歯はプラティオサウルスの物なんだよ。彼等はディプロドクスと違ってこの奥歯で葉っぱを小さく切って飲み込むんだ。だからさっきナオコの言ったのはうそ、わかった?」
そーら見ろ。直子め!僕の服を咬みやがって。
「この大きなどんぐりの様なのはモササウルスの歯だから今はいいか。」
プロット先生は言いながらバックパックのポケットに戻した。
「カーニボーの歯はこっちだよ。」
と言ってプロット先生が手に持ったのは、先っぽが尖っていてバナナみたいに反り返っている10センチより大きめの長さの歯だ。
「こうやって内側に反り返って生えていてね、一度噛み付いたら離れないようになっているんだよ。そうしてそれからはナオコが言ったように強い首の筋肉で振り回して殺しちゃうんだよ。」
「そ〜らみなさいよ。やっぱりカーニボーはわたしの言ったとおりでしょ。」
直子が誇らしげに僕に向かって言った。
なんで僕に言うんだよ〜
「さぁこれはちょっと面白いよ。」
プロット先生はバックパックの後ろ側のポケットから板みたいなものを出した。
裏返して見せてくれた面には数え切れない程の歯がついていた。
「これはね、エドモントサウルスの下あごなんだよ。見てごらん、500本以上の歯があるだろう。彼等はコーンや固い木の実をこの歯で砕いて食べていたんだろうね。もっとよく見てごらん。小さいのや大きいのが色々あるだろう。」
どれどれ、僕は身体を乗り出してのぞきこんだ。
「プロット先生、それって新しいのが生えているんですか?」
「おっタカシ、よく判ったね。そうなのだよ、恐竜の歯は抜けるとすぐに次の歯が生えて来るんだよ。」
「え〜いいなぁ。わたしもそうならないかなぁ。」
プロット先生の言葉が終わる前に横の清子が叫んだ。
そうか清子も強い女の子だけど歯医者さんが嫌いなんだなぁ。
「そうなんだ。キヨ子は歯医者さんが嫌いなのか?ちょっと口を開けてごらん。おうおう、虫歯だらけじゃないか。ちゃんと歯を磨いているかい?」
プロット先生が言ったので、僕がプッっと笑ったから、清子はふくれっつらで僕をにらんだ。
「さぁ、みんなも隣の友達の歯を見て。噛み付く歯と、噛み砕く歯とあるだろう。これはね君達はハービボーやカーニボーじゃぁないと言う証拠だよ。」
「じゃ、僕達は何なのですか?」
「そうだね。わたし達はオムニボーと言って何でも食べる動物なんだよ。」
「そうだ、隆史は何でも食べるから、これからオムニボーと呼ぼうぜ。」
和也が叫んだ。
頭に来るなぁ。今度から奴はディプロって呼んでやろう。
そこで授業終わりのチャイムがなった。
「さぁわたしは早昼を食べよ〜っと。」
ヨシミが叫んだ。
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ハイ、今日はおしまい。
どう?楽しかったかい?
君達も虫歯にならないように歯を磨くんだよ。判った?
じゃぁプロット先生も今から歯を磨いてくるからね。バイバイ。
今回からは新しいお友達、弓削亜沙美ちゃんが増えましたよ。これからも一緒に遊んであげてね。
http://ncode.syosetu.com/n0980c/novel.html
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