第7話 恐竜を探しに行こう。
Drプロットの恐竜教室
Drプロット(ロバート・プロット)
容姿
ハゲ頭でトンボメガネをかけている。
鼻の下には太くて長いヒゲをはやしている。
やせて、背が高い。
教科
理科
専門
恐竜学・古生物学
舞台
岡の上小学校 6年A組
生徒
毛利隆史
大内清子
加藤清高
島津直子
多古弘子
菊池ひとみ
平賀和也
武田好
福原耕太
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第7話 恐竜を探しに行こう。
「どうしたの、天気がいいのに長靴なんかはいて」
朝、家を出る前にお母さんが怪訝そうに言った。
「先生がはいて来いって言ったんだ。」
僕、岡の上小学校6年A組の毛利隆史は手を振って
「じゃ、行ってきまーす。」
と学校へ急いだ。
「おっ、みんな用意はいいね」
プロット先生がみんなの服装を見て言った。
「でも先生、どうして天気がいいのに長靴なの?はずかしかったわよ。」
大内清子が口をとがらせて言った。
「まぁキヨコ。そう言うな。今日はみんなが行きたいって言ってた化石を掘りに行くんだから。」
「えー」
「どこへ?」
「やったー」
プロット先生の言葉と同時にみんなが叫んだ。
「ところでプロット先生。僕たちはどこで化石を掘るんですか?」
おや、今日の僕の口はすごく真面目だ。
「まぁそれは行ってからのお楽しみ。じゃ、みんな弁当だけを残してカバンの中身を全部机の中に入れて教室のうしろの出入り口に集まってね。」
先生が言ったとおりに僕たちはお弁当だけを残して全部机の中に入れた。
「あーいけないんだ。先生、隆史はゲームを学校へ持って来ていまーす。」
「え、こ、こら清子。駄目だよ。言うなよ。」
僕はドギマギして先生の方を見た。
「タカシ、学校は何をするところかなぁ?」
プロット先生がウインクをしながら聞いたので僕は少しホッとしながら
「はい、勉強をするところです。」
と頭をかきながら答えた。
「そう、そうだよね。じゃそのゲームを預かっておこうかな。」
先生が大きな手を出したので僕は仕方なく渡した。
ちえ、ちくしょう清子め。
清子をにらみつけたが、彼女はプイッと横を向いて知らん顔だ。
「じゃ出かけよう。ドアを出たらそこでみんなが揃うまで待っててね。それじゃ順番にこれを持って一人ずつ出て行ってくれるかな。」
ドアの前に立ったプロット先生は、そう言って一人一人につまようじのような物を手渡した。
「みんなそれをカバンの中に入れておくんだよ。」
「はーい」
何だか判らないけれど、僕たちは返事をして言われたとおりカバンの中へ放り込んだ。
教室の外側ローカで全員が揃ったので
「じゃ先生に付いて来なさい。絶対に離れないでね。」
「はーい」
プロット先生について僕たちはゾロゾロと移動をはじめた。
「なーんだ何も無いじゃないか、つまんないの。」
ドアを出た処で、化石を探す所へ行くのかと思っていた僕は、横に居た清高に耳打ちした。
「しっ。」
清高が口に人差し指を立てて
「でもね、おかしいよ。どこの教室にも誰もいないみたいに静かじゃん。」
と言った。
そう言われて見回すとなるほど静かだなぁ。
先生がローカのかどを曲がった。
そこから先は赤土の牧場みたいなところだった。
「えっ、なんで?」
僕は振り返って見た。でもそこには学校の代わりにキャラバンカーが一台あるだけだった。
なんでだよぉ、誰も先生に聞かないのかよ。
「先生、ここはどこですか?」
僕が大声で聞いた。
「おっタカシか。今、君が歩いているところは1億年ぐらい前の土地だよ。」
先生は振り返らないで答えた。
「ち、違います。ここはどこなんですか?」
僕がもう一度聞いた。こら、みんな何とか言え。
「タカシ、心配しないで歩きなさい。もうすぐだから。」
またプロット先生はうしろを振り向かないで言った。
でも回りは赤土だけで何も無いし、所々に30cmぐらいの高さの草がまとまって生えているだけだし。横もうしろもどこを見ても地平線が見える。
空の青さと赤土の色が交わった地平線はすっごくきれいだ。
あっ、き、きれいだなんて考えているどころじゃない。
10分程歩いた所でプロット先生が振り向いた。
「さあみんな止まって。ここだよ。」
「こっ、ここだよったって、なーんも無いじゃん。」
僕は心の中で叫んだ。
パン!
プロット先生が両手を思いっきり叩いた。
「えーわたし達どこにいるの?」
「ここどこー」
「広いなぁ。」
急にみんなが口々に騒ぎ出した。
なーんだみんなは眠りながらついて来ていたのか。
「あっ、あれ何だ。ゲッ、カンガルーだよ。」
和也が叫んだので、僕たちは和也の視線をトレースして見た。なるほど10頭程のカンガルー達が僕たちを眺めている。
「かっわいいー」
「先生、近づいてもいいですか?」
誰かが言った。
「駄目駄目。ナチュラルの動物は危ないから近寄っちゃ駄目だよ。それよりかみんなのカバンの中からハンマーを出してくれるかい。」
先生も普通に戻って言ったけど僕達は
ポカーン
としていた。
「ハンマーなんか持って来てません。だって先生、そんな事言わなかったじゃないか。」
僕の口が勝手に言った。
「わかった、わかった。でも試しにカバンを開けてごらん。きっと入っていると思うよ。」
プロット先生が言うので僕は自分のカバンの中へ手を突っ込んだ。あれっ、弁当以外に何かが入っている。これか!ホッシキングハンマーだ。
でもいつ入れたのかなぁ。
「ハーイ、プロット先生いらっしゃい。」
どこから出てきたのか、外人のきれいな女の人が僕たちの後ろから声をかけた。
背が高くってサファリルックの制服みたいな格好をして、まん丸のトンボサングラスをかけている。
「おーキャシー。遅くなってごめんごめん、この子達が僕のクラスの生徒たちだよ。」
プロット先生がキャシーに言い、僕たちに向かって
「この人はキャシー。ここで恐竜を掘っている古生物学者なんだ。さぁみんなご挨拶。」
「キャシー先生、こんにちは。」
僕たちは口を揃えて言った。
「はい、こんにちは。みんな元気がいいわね。じゃ、今日はわたしがみんなを案内するわね。」
キャシー先生はそう言って僕たちを大きな穴の方へと案内した。
その穴の深さは1mほどで、穴と言う程では無かったけれど広さがすごい。中でテニスが出来る。いや、野球が出来るくらい広かった。
「さぁ入って。ここは5年くらい前にバーロサウルスが見つかった所なのよ。体長26mのが見つかって、その次に21mぐらいのが見つかったのよ。今日はみんなで3番目の恐竜を探しましょうね。」
キャシー先生が言った。
「やったー、みつけるぞ。」
また、僕の口だ。勝手な奴なんだ。
「そう、タカシクン。頑張って見つけてね。」
「はーい」
えっ?でも?どうしてキャシー先生は僕の名前を知っているのかな。
「みんな、ここに集まって頂戴。さぁ、これを見て。どう、これが骨の化石よ。」
キャシー先生の周りに集まった僕たちに先生は足元に半分ぐらい出ている骨を指さしながら言った。
「どう、化石ってのはこんな色。わかった?ちょっと触ってみてもいいわよ。」
先生が言ったので僕が一番に腰をかがめて触った。
「へーざらざらじゃん。」
「わたしも、わたしも」
「隆史は邪魔よ。早くどきなさい。」
清子はうるさいなぁ。
「でもね、この骨はカバーをしたりして保存してないから太陽光線や雨で痛んでいるのでねぇ。もう少しツルツルした感じなのよ。じゃみんな。それぞれ好きな所へ行って化石を探して頂戴。もし何か見つけたらプロット先生かわたしを呼んでね。じゃ、宝さがし始めー。」
キャシー先生が言って手を叩いた。
「よーし、僕はもっと大きなティタノサウルスだ。」
「僕は恐竜のたまご。」
僕たちはそれぞれが言いながら広い穴の中でちらばった。
勿論僕もみんなが居る反対の方へと走って行った。
ゴツン!バタッ!
もーう、かっこ悪い。つまずいてころんだじゃないか。
誰も見てなかっただろうなぁ。
僕は頭を回してみんなを見た。でもだれも僕なんかを見てなくて、一生懸命地面を見ながら歩いている。
近眼でめがねをかけている清高なんか、ずり落ちそうなめがねを押さえながら芋虫みたいに土地の上を這っている。
よかった。かっこ悪いとこなんか見せたくはないからなぁ。
「でも、なんでこんな所に出っ張りがあるんだ。危ないなぁ。チョットかたずけとくかなぁ。」
僕は持っているホッシキングハンマーの平たい方で周りの土をほじくった。
「あれ、この石、根っこがあるぞ。斜めに入っているのかな。」
反対側を
コンコン、サクサク。
土を取り除く度に下の方が大きくなる。
「えっ、これって化石なのかなぁ。」
コンコン、サクサク。
「変な形の岩だなぁ。先生に聞いてみようっと。」
僕は目印にハンマーを石の上に乗せてプロット先生のところへと走った。
「先生、へんな形の石なんです。ちょっと見に来てください。」
「ほー早速タカシが化石を見つけたのかな。」
プロット先生が大きな声で言ったので近くのみんなが顔を上げた。
先生、そんな大きな声で言ったら恥ずかしいじゃないか。清子なんかにらんでいたぞ。
「ところで先生、ここどこ?さっき聞いたけど言ってくれなかったじゃない。」
プロット先生と一緒に歩きながら僕が聞いた。
「えっ、言ってなかったっけ。タカシが聞いていなかっただけだろう。オーストラリアだよ。ウイントンって言う町。わかった?」
「でも聞かなかったよ。」
先生が言うので口を尖らせて言い返した。
「じゃ、誰かに聞いてごらん。」
「和也、今どこにいるのか知ってるかい。」
ちょうど横に居た和也に聞いた。
「何言ってんだい。オーストラリアのウイントンって町だよ。お前、頭わるいなぁ。」
和也が馬鹿にしたように言って向こうへ歩いて行った。
頭に来るなぁ。でもみんなはいつ聞いたのだろう。
「おっ、これか。タカシ。えらいぞ。こうやって目印をしておくと見逃す事はないからね。キャシー先生のところへ行ってカメラを借りてきなさい。」
プロット先生が言ったので僕は走った。
「キャシー先生。カメラ、カメラ。」
僕はフウフウ、ハァハァと息を切らしながら言った。
「どうしたのよ。カメラ?あっ化石を見つけたのね。」
どうして先生たちは大きな声で話すんだろう。またみんなが振り返ったじゃないか。
「はい、じゃこれを持って行って。プロット先生は一緒にいるのね。」
「はい一緒です。」
キャシー先生から手渡されたカメラを握りしめて僕はまた走った。
「はい先生、これ、ハーハーゼーゼー」
カメラをプロット先生に渡して化石を見るとプロット先生が周りの土をどかせてくれていて、1mぐらいの長さの白い土色をした骨があった。
「えーこれってさっきの石、、、、ですか。」
僕は自分の目をうたがった。すっごい。
「そうだよ、じゃ写真を撮るよ。記念写真にタカシも一緒に撮ろう。その骨の横に寝てくれるかい。」
「えー先生、骨と一緒に寝るんですか。」
僕はビックリして言った。
「ははは、馬鹿だなぁ。君と一緒に写真を撮ったら、骨の大きさがわかるだろう。」
あっそうか、なるほど。
プロット先生が写真を何枚も撮るので少し恥ずかしかった。でも最後に僕は骨に抱きついてしまった。
「ははは、この骨はタカシの彼女だな。」
先生が笑って言った。
「さぁドレッシングをはじめよう。タカシ僕のバックパックを持って来てくれるかい。それとキャシー先生も読んできてね、」
「はーい」
プロット先生に言われて僕は心ウキウキでまた走った。
でもドレッシング。ドレッシングってなんだろう。サラダの上にかけるのかな。でもここには野菜なんてないしなぁ。
プロット先生のバックパックを持ってキャシー先生と一緒に帰って来たらクラスメート全員が集まっていた。
「すごいなぁ、隆史。」
「やっぱり恐竜博士だ。」
「どうやって見つけたの?」
みんなが口々に言う。でもつまずいてこけたなんて口が裂けても言えないよなぁ。
「ははは、それは簡単だよ。タカシはね走っていてこの骨につまずいてね、ここでこけたんだよ。でも偉いよ。これは何だろうと思って掘ったのだからね。」
えーなんで、なんでプロット先生が知っているの。そして知っててもそんな大声で言う事無いっしょ。立場ないなぁ。
「すっごい、こけたんだ。」
「やっぱり走らないといけないんだ。」
おいおい、待てよ。なんでそんなところで感心するんだよぉ。
「さぁ時間が勿体ないからドレッシングをしよう。キャシー、バケツに水を頼むね。」
プロット先生は言いながらバックパックの中から大きな袋を取り出した。
「はい、バケツと新聞紙。ここに置いとくね。」
キャシー先生が、うしろから言った。
えっ、なんで?だってキャシー先生は一歩も動いてないじゃん。どこから持って来たんだよ。
「よーしタカシ。まずその新聞紙をバケツの中に入れて、充分に水を吸わせて渡してくれるかい。」
えっ、えっ、えっ、どっ、どうすればいいんだよ。
「先生、僕がやりまーす。」
清高が言った。たっ、助かった。
「じゃ、タカシは別のバケツでこのプラスターを練っておいてくれ。」
へっ、なんじゃそりゃ。でもまぁいいか。先生から受け取った袋の口を開けた時、バケツと水に気がついた。
「キャシー先生、バケツと水。」
と僕が言った時、ふと見ると僕の横には水の入ったバケツがちゃんと置かれていた。
まぁいいか。
「先生、どのくらいの固さに練ればいいのですか?」
袋からプラスターの粉を半分移して混ぜながら僕が聞いた。
「タカシはお好み焼きを作った事はあるかい?」
「はい、ありま〜す。」
「じゃそのくらい」
「へっ!」
「何ビックリしているんだよ。お好み焼きの粉の固さだよ。仕方ないなぁ。俺も手伝ってやるよ。」
横から福原耕太が言ってプラスターに手を突っ込んだ。
「よーし出来たらこのガーゼを一枚ずつその中へ入れて、清高が貼り付けた新聞紙の上に広げて貼り付けて行ってくれ。これを貼るのは女の子にやって貰うかな。ひとみ、そのガーゼを一枚ずつ清子に渡して、清子がプラスターに浸して骨に貼る。次に直子が同じようにする。そしてヨシミと続いてやってくれるかい。判った?」
「はーい」
スキーで骨を折って病院に入院していた僕のおじさんの足みたいなものが出来上がってきた。
「よーし、それでは清高と耕太とタカシでその骨の下側の土をとりのけるからね。そしてカズヤはその土を運ぶ。ほい、がんばれ。」
土がある程度無くなったとき、プロット先生の掛け声で僕たちはそれをひっくり返した。
そしておなじように化石にカバーをかけた。
「よーし出来た。タカシが発見者だからタッカシーサウルスと言う名前にしよう。じゃタカシこのステッカーを貼って。」
先生から手渡されたステッカーには001と言う番号と、日付それにタッカシーサウルスと言う名前も書かれていた。
番号は新しい恐竜の最初に発見された骨と言うわけらしい。
「さあ、もう時間も無いから化石は博物館へ送ろう。キャシー今日はありがとう。」
プロット先生がキャシー先生にあいさつしたので僕たちも
「キャシー先生。ありがとうございました」
と最敬礼をした。
僕たちが頭をあげると、そこにはキャシー先生はもういなかった。
そして化石の半分はプロット先生のバックパックに飲み込まれているところだった。
「さぁみんなのハンマーも僕のバックパックに入れてくれるかな。あっ忘れていた。」
先生があわてて言ったので僕たちもビックリ。
「先生、どうしたの?」
僕の口め。
「うん、お弁当を食べるのを忘れていたんだ。外で食べるとおいしいんだけれど、仕方が無い学校に帰って食べよう。」
プロット先生は言って、何もかも飲み込んだバックパックを軽々と肩にかけてキャラバンカーへと歩き始めた。
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第7話 恐竜を探しに行こうを終わります。
今回はいかがでしたか?せっかくお弁当を持っていったのにねぇ。
作者は恐竜を掘る場所で食べるおにぎりが大好きです。
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