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 今回の話は、恐竜絶滅に関して地軸の傾斜を視点として考えてみました。お楽しみください。
第6話 恐竜たちの絶滅
Drプロットの恐竜教室

☆登場人物
 Drプロット(ロバート・プロット)
容姿  
 ハゲ頭でトンボメガネをかけている。
 鼻の下には太くて長いヒゲをはやしている。
 やせて、背が高い。

教科  
 理科

専門  
 恐竜学

舞台  
 岡の上小学校 6年A組

☆生徒
 毛利隆史
 大内清子
 加藤清高
 島津直子
 多古弘子
 菊池ひとみ
 平賀和也
 武田好

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第6話 恐竜たちの絶滅


 毎週、岡の上小学校6年A組の1時限目は、僕、毛利隆史の大好きなプロット先生の理科だ。
だから最近は日曜日には決まって図書館へ行って予習をするようになった。
でもあの先生は次の時間は何をするって言ってくれないから、予習するにしてもターゲットが決まらないんだ
たまにクラスの仲間たちとも図書館で会うようになった。
まけるもんか。

今朝は家を飛び出して一番に教室へと入った。だってこんなに勉強が楽しいなんて知らなかったもん。
ガタッ!!
「イテッ」
「アウッチ!」
教壇を走り抜けて自分の席へ行こうとしたら、先生の机の下からヌーッと出た足につまずいた。
「どうして先生、こんなところに寝ているんだよ。」
「オータカシか。痛かったよ。」
「あっ、ごめんなさい。」
先生が蹴っ飛ばされた足をさすりながら起き上がって言った。
「でも先生。どうしてこんなところに寝ているんですか。」
「あぁ昨日はオーストラリアの友達に呼ばれてね。恐竜掘りを手伝っていたんだよ。今朝早く帰って来たから家へ帰るのが面倒くさくってね。ははは、、」
プロット先生が頭をかきながら言った。
「へーすごいね。どんな恐竜を掘っていたの」
興味深々で僕が聞いた。
「あぁあとで勉強の時に言おうと思っていたんだけれど。すごいんだよ。長さ33mもある首の長いティタノサウルスなんだよ。日本では雷竜って言うんだよ。そうそう、ヒューイみたいな恐竜だよ。」
プロット先生が顔を赤らめながら力を込めて言った。
気が付いたら周りにはみんなが来て僕と同じように先生の話を聞いている。

「先生。その恐竜の話はあとにして、このハンカチを貸してあげるから顔を洗って来なさいよ。埃っぽくって汚いわよ。」
清子がかわいいハンカチを出して先生に言った。
「オーありがとう。キヨコ。そんなに汚いかい。」
「そうだよ、汚い。」
「くさいわよ。」
「キッタネー」
先生が言ったと同時にみんなが声を揃えて言った。
「判ったわかった。じゃ話は顔を洗ってきてからにしよう。すぐ帰ってくるからちょっと自習していてね。」
「はーい、ごゆっくり。」
和也がニコニコと先生を送り出したあと、
「おい隆史。この間に先生のバックパックの中身を見てみよう。」
と僕に向かって言った。
「それは良くないと思うよ。」
でも僕が言った時には既に和也の手はバックパックに中に入っていた。
「なーんだつまんないの。なんにも入ってないや。チェつまんないの。」
ガサゴソ手で探していた和也がガッカリして言った。

クラス全員が揃って席に戻ったときに先生が帰ってきた。
「オッと危ない。」
今日はうまく腰を落として頭を打たないで入ってきた。

「さぁ今日は何から勉強をはじめようかな。」
先生は言ってカラッポのバックパックを机の上に置いた。
「さっきの話の続きをするって約束じゃんか。」
僕の口が叫んだ。
「そうか、そうか。タカシそう言うなって。わかってるよ。どこまで話したかな。そうそうティタノサウルスだったね。」
「それよりもオーストラリアのどこで掘ってたの。」
清子が聞いた。
「オーキヨコ。いい事を聞いてくれたね。あっそうそうハンカチありがとうね。」
先生はそう言ってバックパックの中から清子のハンカチを取り出した。それは綺麗に洗ってアイロンまでかかっているように元より綺麗なハンカチだった。

「デモね、あんまりその町の名前は言いたくないんだよ。クイーンズランド州なんだがね。」
先生がなんとなく言いにくそうにしているので、
「どうして、何で言いたくないのさ。聞いても僕たちは行く事も出来やしないからさ。」
また僕の口が勝手にしゃべるんだ。
「そうだなぁ、町の名前だからいいか。エロマンガと言う町なんだよ。」
「えーうっそー」
「変な名前」
「それって先生が勝手につけた名前でしょ。」
「やだー」
みんなが一斉に声を出した。
「ははは、まあまあ、みんな静かに。静かにしなさい。説明するから静かに。」
先生が大きく手を広げて言った。
「だから言いたくなかったんだよ。でもね、この町は150年以上も歴史のある町だから、、その時の日本は江戸時代だろう。そんな時に日本語ではこんな言葉は無かっただろう。判った?だから日本語の方があとから出来たんだから笑っちゃだめだよ。これはねオーストラリアのアボリジニー語で風の強い暑い台地という意味なんだよ。」
「へーそうなんだ。」
僕はつぶやいてうなずいた。
「はーい、先生。」
おいこら、僕の手と口!なんでだ!手を挙げて先生を呼ぶんだよ。勝手な事をするな。
「オータカシ。なんだね。」
「はい、えっ、あっそうだ、そのティタノサウルスはどうして死んだのですか。」
僕の口め。先生を呼んでおいてあとは知らんふりするんだから。仕方が無いから僕が言ったじゃないか。
「おうタカシ。それは難しい質問だね。人間だって病気で死ぬ人もあるし、ニュースでも聞くように殺されたり、交通事故ってのもあるよね。まぁ恐竜の場合は交通事故ってのは無いだろうけれど病気や殺されたりはあるからねぇ。このティタノサウルスはどうして死んだろうね。でもねぇ長い恐竜達の歴史の中で色々な恐竜達の種族が全滅していることもたくさんあるし、全ての恐竜達が6500万年前に絶滅したのは知っているよね。」
「はーい」
「そう、これをK−T境界って言うんだけれど、この境目に哺乳動物を残して、恐竜達は全部死んじゃったんだ。さてどうしてかな?」
先生がみんなを見回して言った。
「何かの本で大きな隕石が落ちてきて死んだって読みました。」
インテリの清高が自慢そうに言った。
「おーキヨタカ。よく知っているね。そうユカタン半島の隕石説は有名だね。地質学者が言うのには隕石が落ちた穴は16kmもの深さになって、直系169km以上の穴だったそうだよ。だからそのショックで300mもの高さの津波が起こったりして周辺3000km以内の動植物は全部死んじゃったんだ。さて他には無いかな。」
「はい先生。僕は地球の陸地が動いたからだと思います。」
ふふふ、どうだ清高め。
「おっ、タカシ。良いところに目をつけたな。そう大陸の移動は2話目で勉強したね。大陸が移動して気候が変わり食料の植物が無くなってハービボーは死んだら、それを食べていたカーニボーも生きていけなくなるて勉強したね。」
「はーい」
「まだまだあるよ。大陸が移動する時に、色んな所で火山の爆発なんかが有る筈だね。そしてその吹き上がった噴煙が地表を覆ってしまって灰の中に埋もれて死んだって事も有る筈だよ。大雨で流されて死んだのも有るだろうしね。」
「でも先生、プテラノドンなんか空を飛んでいたのでしょう。飛んで逃げれば助かったのもいるのじゃないですか。」
島津直子が小さな声で聞いた。
「そうだねナオコ。そりゃぁ空を飛んでいるんだから綺麗な空の方へ逃げたら助かるだろうねぇ。でも彼らも全部いなくなったんだよ。どうしてかねえ。」
みんなも静かに考えはじめた。
「そうだ!隕石にみんな打ち落とされたんだ。」
僕が叫んだ。
「ははは、それもいいな。インベーダーゲームみたいにドンドンと打ち落とされていく。でも隕石だけじゃなくて、火山の噴火で飛んだ焼けた石なんかも打ち落とす弾になったのかも知れないねぇ。」
「そうだそうだ。バギューン、バギューン、ドンドンドン。」
僕が身振り手振りでふざけた。

「昨日もオーストラリアの大先生と話していたのだけれど、地球に電気が働いているのを知っているかい。」
「知ってますよ。磁力線の事でしょう。南極から北極に向かって流れている電気。」
先生が言ったと同時に清高が言った。
清高め!またでしゃばりやがって。
でも、知らなかったなぁ。
そんな電気があるんならタダでお湯だって沸かせるじゃんか。

「そうキヨタカ。よく知っていたねえ。磁力線の話だよ。その前にチョット待ってね。」
プロット先生は言って、バックパックの中から前に取り出した風船の地球を出した。
「さあ、この地球は今の地球だよ。でも少し変じゃないかい。さあどこが変なのかわかるかな。タカシどうだ。」
「えっ、なんで僕。でも、あっ、地球って少し傾いています。でもこれは傾いて無くて北極は真上、南極は真下になっています。」
急に名指しされたのでドギマギしながらだったけど答えたぞ。どうだエッヘン。
「そう、よく出来ました。ちょっと待ってね。」
先生はそう言うと手を北極にあてた。
同時に教室が薄暗くなって地球の周りが輝きだした。
南極から北極に向かって電気が流れているのが見える。
宙に浮いた地球が回転を始めた。そうして少しずつ傾き始めた。しばらくして回転がとまった。
「どうこれでいいかな。タカシ。」
「はいこれで今の地球になりました。」
僕が勇んで返事をした。
「そうだね。さっきの地球は、実はね6000年前の地球だったんだよ。」
プロット先生が傾いた地球の北極点に手を乗せて言った。
「えーそうしたら先生。このままずーっと傾いて行って横向きになることもあるんですか。」
ひとみが目を丸くして聞いた。
「そうだよ。そうして北と南がさかさまになるんだよ。」
先生が言ったとたんに地球はさっきより早く回転して徐々にもっと傾きだして横向きになった。
「えーこれじゃ、南極と北極は今の赤道じゃないですか。」
僕が叫んだ。
「そうだよ。その証拠に南極でも恐竜の骨が見つかっているんだよ。」
「じゃ、先生。このときは今の赤道は毎日、南極―赤道―北極―赤道―南極って繰り返しているんですか。」
「タカシ、いいところに気が付いたね。どう君は生きていられるかねえ。」
「そんなー無理ですよー。」
僕だけじゃなくてみんなが揃って言った。
「そうだろう。それがK−T境界に起こったんじゃないだろうかと大先生は言ってるんだ。」
「そんなあ、それってその大先生の想像だけでしょう。」
「ははは、そう言えばそうだけど、チョット見ててね。」
先生が地球の上に手をかざすともっと早く回り始めた。どんどんと北極と南極が反対になっていく。止まったときは地球が逆立ちしていた。
「さぁちょっと暗くするよ。」
電気の線が見え始めた。それは下から上に向かって流れている。
と言うことは北極から南極へ流れているんだ。

「さぁ、この証拠があるんだよ。この地球を掘っていくと色んな地層に分かれているのを知っているだろう。その地層に刻み込まれた電気の方向が交互に反対方向を向いているんだ。どうだい。」
プロット先生がお得意の手を組んで髭をしごきながら言った。
そのときバックパックの中からチョークが飛んで出て黒板に地層と電気の方向を書いた。
「さぁみんなはどう思うかな。」
先生が言ったと同時に終業のチャイムが鳴った。
「じゃ、少し自分でも勉強しておいてね。もし君たちが地質学や古生物学を勉強するようになった時には役立つと思うからね。」
プロット先生は言いながら例のように地球に針を突き刺した。チョークと風船地球は教室中飛び回ってバックパックへと吸い込まれていった。

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第6話 恐竜たちの絶滅 終了 2007年6月28日

後記
さぁ今回はどうだったかな。地球が傾いていくのは怖いよね。でも心配はいりません。
だって君たちは今から1万年も2万年も生きてはいないからです。
ひょっとしたらプロット先生だけは生きているかな。
http://ncode.syosetu.com/n0980c/novel.html


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