連絡船
「なぁー由紀恵さん、確か今日さー、函館に用事あるんだよなー、確か友達と会うとかって 言ってなかった?」
「はぁ〜?なにそれ?ふぅ〜ん、新之助君、あんた、私を函館で降ろして、のんちゃんと二 人きりになるつもりでしょ。」
「 い、いや、そんな積もりじゃないけど、函館に友達がいるとか、あー、い、いないとか ーな、なんか聞いたようなーえ〜。」
「ねぇー新之助君、函館で降りても良いけどさー、のんちゃんには彼氏いるよ。あんな可愛 く綺麗な女の子だもの、知ってた?大学のパンフレットに、のんちゃん載ってるの?皆さ ん狙ってるよー彼女はアイドルなのよ。」
「パンフレットは知らない、アイドルなのは分かる、あんなに可愛く綺麗だから、う〜ん彼 氏がいるのも分かる。分かるけど、俺一目惚れした。」良く言うわ、いつも一目惚れしてんだから。
「止めなさい、無理よ、それでも、私を函館で降ろして、連絡船で口説く?」
「する。断固する。こんなチャンスはない。此は天がくれた、我が人生最大のチャンスだ、これぞ好機、神様に感謝だ。3時間50分も二人でいられる。ねぇ〜由紀恵さん、頼みます。お願い致します、函館で降りて下さい。助けて下さい。」
「全く、なにが、天がくれた人生最大のチャンスよ。勝手な奴。知らないよ、振られるに決 まってるのにさ、」
「ありがとう、由紀恵ねーさんにはいっつも迷惑かけます。」
殊勝に頭下げてるは、この子、全く懲りないんだから。私はなんなの?用事ない函館で、どうすんのよ。
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