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オウラン、三部族を支配す3

「深く、先を見たお考え敬服致しました。……話を聞いて幾つか質問があるのじゃが、尋ねても宜しいかな?」


「遠慮は要りませんよ。ガンホウ殿にはわたしへ完全に服従して貰わないと困ります。疑念があればすべてどうぞ」


「まず軍の作り方を聞いて思ったのじゃが、もしや氏族毎、部族毎に戦わせぬ気ですかの?」


「疑問を持たれる程度なら、説明が足りませんでしたね。はいそうです。山が草を、水が山を率いもします。氏族長が戦闘中に殺されただけで、混乱するようでは困るんです。十騎長が死んでも百騎長が、万騎長が死ねば次の副官が率いて混乱なく戦い続ける為、この騎長制を考えました。

 加えてわたしの配下になろうとも、大きな氏族を率いる長だから尊敬を受けるようでは氏族間の争いが減らないでしょう。今後ガンホウ殿は氏族長だからでなく、わたしの配下の万騎長だから尊敬を受けるようになるのです。わたしの配下は全員同胞であり、戦友。共に戦う仲間であるとの意識を持って貰わなければなりません。ああ、わたしが死んだ場合はジョルグが率います。三番目はジンという者なのですが、この者にはカルマとわたしたちを繋ぐ役目を言いつけてレスターに居るので、お前たちと会う機会は無いでしょう」


 おっと……ガンホウが配下になったかのように言ってしまいましたね。


「今までの強い長が率いる場合とは全く違うと……次に、先ほど倅が言っていた鉄の鏃、あれには大変驚きもうした。今までと全く違う矢の音を聞いただけで、兵どもが怯えた。あれ程の鉄をどうやって手に入れなさった?」


「ケイから鉄の職人を招いたのです。まぁ、まだやっと戦で鏃に使い始めた程度で、全く足りてませんが」


 兵皆の急所を鉄で守りたいですし、馬車の車軸など壊れやすい所にも使いたい。

 なのにまだ精鋭のみにしか回せていません。

 当然使った矢は拾って再利用。

 ……あの作業皆面倒くさがるんですよね。

 ケイでの羊一頭で買える鏃の数を教えたら、真っ青になって拾ってくれましたけど。


 そして何より、鉄を作るためあんなに木を切らないといけないとは……とても大量に作れません。

 森を消したら天と草原が怒ってしまいます。

 ダンさんに言われた通り、木を切った後に小さな木を植えているので少しは大丈夫と思いたいです……。


「……馬鹿な。そんなのは一朝一夕に出来るはずが……何か大きな幸運でも在りましたかの? 偶々浚った者が、鉄の知識を持っていた。といった」


 うん? 何を言ってるのでしょうか?


「幸運が無かったとは言いませんが……。鉄職人はケイに住めなくなったものを見つけ出し招待したのです。ケイと問題を起こすような真似はしたくありませんからね。探すのに五年近く掛かりましたよ。結果が出たのは本当につい近頃です」


「……先ほどの駅伝制とやらの作り方、騎長制とやら、実はどの話にも感服しておりましたのじゃ。我ら遊牧の民を支配し、一纏めにする為に考え尽くされておる。これ以上の考えが在るとは思えない程に。しかも文字を教えられる者が百人以上居るじゃと? 二十程度の小娘……失礼、若い者にそんな準備をする時間があったとは思えぬのです。お父上が、下準備をなさっていたのかのぅ?」


 ああ、そう考え「ガンホウ! もう我慢出来ぬ! 貴様オウラン様の慈悲に付け込んで好き勝手言いおって!!」


 ……モウブ……。


「いや、しかしモウブ様、そうは思わぬか? 鉄が五年? 早すぎるくらいじゃろう。文字も一年では済まぬ。それを今二十の人間が行っていたとはとても……」


「ふん。一理あるのは認めよう。だがオウラン様をそのような下らない常識で考えるなど愚の骨頂よ。貴様の自慢の息子が、狩と女にうつつを抜かしていた時、オウラン様はそれだけの準備を始めておられたのだ。そして戦いの時には在り得ない程執念深く斥候を放ち、用心なさる。話を聞くだけで分かったであろう? この若さで老いた狼よりも慎重。そして我らを従える力を持った巨狼。何時も己が賢いと自慢するケイの奴らにもこの方程の知恵を持つ方はおられまい!

 オウラン様こそ天が我等に与えたもうた、最上の長だ。しかもそれだけではない! 大いなる慈悲を持っておられる。貴様の所で赤子は一年以内にどれだけ死ぬ? 五人産んで下手をすれば二人死ぬであろう? だがな、……あ、オボォッ!!」


 ジョルグは本当に頼れますね。

 あ、この馬鹿と思った時には、もう腹を蹴り上げて黙らせてくれているんですから。

 しかしモウブが防ぐ様子を見せなかったのは……えーと、殊勝、と言いましたか。

 ただ……サブロが一瞬笑顔になりかけてましたね……。

 まぁ、先にモウブを確かめましょう。

 目をみたいのですけど、立つのも難しそうですしわたしが行きますか。


「あ……っ!」


 ……顔を手で挟んで持ち上げただけで、其処まで怯えられても困るのですけど。

 目に浮かんでるのは……苦痛、恐怖、後悔……。

 良かった……不満や怒りは見えません。


「モウブ、わたしの側近。貴方の立場で口が軽いのは困ります。分かりますね?」


「お……ふ……おゆ、お許しを。この者たちぐぁ、あまりい……、は……ふぅ……オウラン様へ、不敬で、耐えきれず……どうか、お許しを、まだオウラン様の下で働きたいのです。どうか偉業の端で、まだっ」


「……モウブ、ジョルグを恨んでいますか?」


「いいえ、いいえっ! 止めて頂き、感謝を……恨むなど、決してっ! 恨んでいるのはっ、己の口であってっ!!」


「良かった。貴方がわたしを助けたいと思ってくれるなら、これ以上は罰しませんよ。一つ言いますと、先ほどわたしがケイ人の誰よりも賢いというのは間違ってます。わたしが得た知識の多くは、ケイ人の賢者『たち』より教えられた物。彼らの中にはわたしよりも賢い人間が多くいます。決して軽く見てはいけません」


「お言葉、ですが……。俺もケイの賢人とやらに会った事はあります。しかし何の役にも立たぬ戯言を言うだけの奴らばかり。我等を此処まで強く纏め上げたオウラン様に及びはしませぬ」


「それは大事にする知恵がわたしたちと違うだけですよ。……とにかくわたしより賢い者は居ます。いいですね? それに貴方も時にはわたしの経験不足を感じる時があるでしょう? わたしは貴方とサブロのように、長年大きな氏族を纏めて来た者の助けが必要な愚か者なのです。

 さて……サブロ。貴方には罰として、わたしに傷の無い羊三百頭、良馬五十頭、モウブにその倍を届けるように命じます」


「は、ははっ! オウラン様へその程度の贈り物は喜んでいたします、が……。宜しければ理由をお聞かせください。何の罰でしょうか」


「……わたしを試しているのであれば二倍に増やすように。サブロ、モウブが失言をし蹴られたとき、喜びましたね? その罰です。貴方たちがより良い働きをする為に競争意識を持ってくれるのは、わたしにとって、獣人全体にとって嬉しい事。しかしそれが相手の失敗を喜ぶ物であっては困ります。やがて互いに大事な話を伝えず、更には失敗するように導こうとさえしかねない。

 我らの神、この天と地は慈悲深くも厳しい。生きて行くだけでも苦労があるというのに、獣人同士で争って更に辛くしてきました。やっと部族内だけでも纏まったのに、壊すような考えは捨ててください」


「一言も御座いません。承知しました。選び抜いた羊と馬を届けさせます」


 こっちはこれでいいとして……。


「あ、あの、オウラン様、さっきのモウブ殿の話、ワンも……知らないさー。い、いや、オウラン様が教えてくれないなら仕方ないけど、でも、赤子の死ぬ数に関係するのだったら……」


 何時も雲らしく掴みどころのない表情をしているエクアの、こんな真剣な表情は珍しいですね。

 ……赤子の問題となれば、当たり前ですか。


「エクア、まだ試している程度の話なのです。モウブとサブロもそれを承知で受け入れました。それにこの者たちは雲よりも長く働いてきた。貴方たちが完全にわたしの指示を聞くと信頼出来るようになり、功を立てれば、その時には教えましょう」


「分かったさー。何でも言いつけられるのを待っている。雲の部族をご信頼あれ」


「期待しています。……さて、待たせてすみませんねガンホウ殿。最後に話しておく事があります。わたしは全ての獣人がこの厳しい天地で暮らす同胞だと思うのです。だから、貴方方のように戦で服従させた相手も、従来のように殺したりしませんし、わたしに従うのであれば、やがてモウブとサブロのように大事な存在と思い扱います。しかしこのように甘く扱う以上、一度服従を見せた後裏切った者は、より厳しく扱わなければなりません。

 貴方はエクアにスーサイの氏族ではないかと聞きましたね? エクア。スーサイが何をしてどうなったか、話なさい」


「はい。スーサイはガンホウ殿のように此処へきて、オウラン様に服従を誓った。でもその後直ぐ、自分より遥かに若いオウラン様を軽く見て幾つもの氏族に呼びかけて逆らい、オウラン様の使者も殺した。当然争いになった。スーサイは呼びかけた氏族の殆どに助けて貰えず、オウラン様の直属二万と一万程度の兵で戦になって、負けた。そして、オウラン様はスーサイの氏族一万人全員を赤子まで殺した。オウラン様は、その様子全てを雲部族の有力氏族長と後継者に見せて、ワンたちに死体の埋葬をさせ、最後にスーサイはワンの氏族と争って滅んだ事にしろと言い含めた。ワンたちは皆、震えて忠誠を誓った」


 ……赤子と子供たちの悲鳴を思い出してしまいました。

 わたしは尻尾に力を入れて頑張ってるのに、エクア、モウグ、サブロの尻尾は丸まってる……。

 近頃自分の感情を素直に表している人を見ると、無性に羨ましくなります。

 ……昔は口調も変えていたのを考えると、少し楽になってきている……部分もある……と、思いたいです。


「……正直に言いましょう。あれは大変不快な結末でした。未来ある、本来であれば下僕として兵に、もしかしたら将とまでなったかもしれない子供達を皆殺しにするのは。

 ガンホウ殿、今従うと言えば、スーサイと同じように鉄の鏃に慣れて貰う為、鉄の鏃をわたしの配下となる人数分渡します。従わないつもりならば、そう言いなさい。安全に返しましょう。当然もう一度攻めますけども馬の背より低い年齢の者は従僕とし、殺しません」


 帰った後逆らえばどうなるかは言うまでもないでしょう。


「返す……、儂がケイにこの状況を説明し、援軍を求めればどうするのじゃ?」


「そのような獣人全てを裏切る真似をしたら、山の部族の者でさえ貴方を許さないでしょうに。それにわたしはケイへ敵対姿勢を全く見せていません。誰であろうが本気になって攻めてくる確率は低い。第一、ケイはいよいよ激しい乱世となっている。隣の諸侯との争いに忙しく、こちらへ目を向けるのも対処するのも余程の事が無い限り出来ませんよ」


「それが分かっていながら、あれ程の警戒をなさるのか……」


「皆で話し合った結果、その方が良い結果になり易いとなりました。ならばしなければ。わたしの判断によって、今でさえ七十万人の生死苦楽が左右されるのです。さぁ、どうするのですかガンホウ殿」


 わたしとしても今少し面倒を嫌って、後で難しい問題を作るのは嫌です。

 ま、隠す方法を考えた後実行するのはそれぞれの氏族となったので、わたしの苦労が思ったより増えずに済んだのは嬉しかったですね。


「元よりモウブ様にさえ及ばぬ儂が、オウラン様に逆らうなどとんでもない話。愚かな老人に誠意あるお答えを下さった慈悲、敬服以外の言葉が出て来ませぬ。後十年働けるか分からぬこの身なれど、山部族ともどもどうかお見捨て無きよう伏してお願いし、服従をこの通り誓いますぞ」


 話に聞いたガンホウの人となりから言ってそうなるとは思っていましたが、やはり結果として目に見えると安心しますね。

 ただジャムカがまだ服従の姿勢を取っていません……。

 こちらをぼぅっと見てます。


「ジャムカ、何かあるのですか。わたしに従えないとでも?」


「い、いやっ! そうではない。いえ、御座いません。親父の言葉を借りれば、オレは親父にも及ばぬ身、親父の判断に従いましょう。そうではなく、その……オウラン様の雄姿に見惚れていたのです……。オレは、初めて女に惚れました。オウラン様、どうかオレの妻になって頂けませんか」


 っ!

 ……う、うーん。

 本人からこんなに真っすぐ求婚されたのが初めてで、向こうが最初からそのつもりだったと分かっていたのについ喜んでしまいました。

 ああ、いや、最初はもっと政略結婚のつもりだったのも分かってるのですが……今はそうじゃなさそうで……って誰に言い訳してるのでしょうか。

 ちょっと混乱してますね……落ち着くのに必要な間を取るためにまわりを見ましょう。

 慌ててるモウブとサブロに、敵意を見せているエクア……なんでこの人は敵意を見せているのでしょうか。

 それと全く変化の無いジョルグ……ジョルグ、本当に変化がありませんね……。


「ばっ! ジャムカっ! 下がっておれ!」


「い、いや、オレは嫁に欲しいならば自分で言うべきだと!」「何が嫁かこの身の程知らずがっっ!! 黙らぬかぁっ! オウラン様……愚息が申し訳ありませぬ。……その、お分かりだとは思いますが、元からオウラン様と婚姻を結べればと思い参りました。その相手がこれ程の方と知って馬鹿者が混乱しているようで……失礼は、平にご容赦を」


「……いえ、失礼とは考えていませんよ。元より、山と草の関係を強める為、婚姻を考えるのはごく普通の事だと考えています」


「は、ははっ。そのお言葉に感謝致します。そ、それで、もしも、オウラン様のお考えに敵うのでしたならば、息子を貰って頂ければこれ以上の喜びは御座いません。勿論! 嫁などではなく、そちらの家に息子が入るという形で、で御座います」


「き、貴様! ガンホウ抜け駆けしおって!」

「そうさーっ! オウラン様はワンの息子を夫にするんさ!」

「いや、エクア殿、お主の息子は五歳ではなかったか?」

「それが何さ!? サブロ殿、貴方の息子をオウラン様にと考えてそんないちゃもん付けてるさ? 誰が見ても格が違うから諦めるさ。その点ワンの息子はきっと賢く育つ!」

「きっとと言ってる時点で話にならんであろうが! 確かに、息子がオウラン様のお相手となればとは思うが既にっ くっ……」


 ……。

 知らなかった、エクアにはもうそんな大きな息子が。

 いえ、動揺してる時ではありません……。


「ガンホウ、ジャムカ、気持ちは嬉しいですが今わたしには、子供を産み育てる余裕はありません。それにこの通り、下手な相手と婚姻を結べば争いの種となります。ジャムカ、貴方の年齢でしたら妻が居るのでしょう? その妻たちを大事にしてあげなさい」


「つ、妻でしたらっ!」


 ああ、離縁するとでも言うつもりですか。

 聞きたくありません。


「黙りなさい。……。ガンホウ、一つ命じます。今後ケイの人間が貴方の所へ来た場合、ジャムカが会うのを禁じます。これに反すれば重い罰を下しますのでそのつもりで」


「! オウラン様! 我が息子は確かに貴方に及ぶべくもありませぬが、大変見どころのある若者ですじゃ。確かに多くの無礼を働いてしもうた。しかし、必ずや貴方様に忠誠を尽くし、多くの功を立てましょう。戦場での働きであれば直ぐに儂以上となりましょうぞ! 我が息子ながら儂のような臆病者から、良くぞこれ程の勇者が産まれたと感心しております! どうか、お見捨てなきよう、伏してお願い致します。ジャムカっ! 貴様も伏してお願い申し上げんかっ!」


「あ、ああ。数々の無礼どうかお許しくださいオウラン様。しかしオレは役に立つ。貴方の下で功を成し、尊敬を勝ち得たいのです」


 ガンホウ、貴方とジャムカの考え方が逆であれば、大変嬉しかったんですけどね……。


「二人とも誤解しないでください。わたしはジャムカに期待しています。まずは千騎長を任せ、やがては万騎長になって欲しいと望んでもいる。しかし先程ジャムカはケイに攻め込む提案をしました。そんなジャムカがケイの人間と会った時、『オレたちがその気になれば、直ぐにお前達を攻め滅ぼせるのだぞ』と、考えるのではありませんか? それによってケイの人間に何かを感じさせたくないのです。……否定できないでしょうジャムカ?」


「うっ……はい。……承知、致しました。元よりケイのような大地を傷つけるのに喜びを見出すような奴らと話したくも御座いません。御意の通りに致します」


「よろしい。さて、目出度くもこれにより三部族が一つとなりました。皆、これより我等は北方の水と戦いに行きます。しかし分かっているとは思いますが一つの氏族を制しても、隣の氏族との争いが産まれるでしょう。しかも水の部族はボクトツが死して以来分裂してるとはいえ、広大な領土を己の物としており、数も膨大。覚悟を決めなさい。お前たちがわたしに従う限り負けは在り得ないのです」


「「「「御意!」」」」


「水の部族はケイより大変距離があります。派手に戦えますよ。お前たちの武を示し、名を上げられるでしょう。そして……東の火の部族でも激しい争いが起こっており、特にセキカという女が力を強めつつあると聞きます。何でも獣人全てを支配下に置こうと考えているとか。つまり、何時か戦うかもしれません」


「オウラン様、それはもしや……いや、そうだと言ってくれ」


「モウブ、お前の考えるとおりですよ。わたしは獣人全てを一つにします。出来得る限り死ぬ者を少なくするつもりですが、当然多くの者が死ぬでしょう。しかし、そうしなければ我ら獣人どうしの争いは終わりません。

 そして統一のあかつきには、我ら獣人の歴史で最も繁栄した時代が来ます。お前たちが望む、語り継がれる英雄となる機会です。振るいなさい!」


 全員の尻尾が直立し、顔が赤くなっている。

 部屋が彼らの興奮で暑くなっていますね。

 当然でしょう。

 今まで獣人全てを統一した者はいません。

 それだけの難事ですが……必要であり、可能でしょう。


「これから一か月後、主だったものを集めて巻き狩りをし、山、雲の戦士たちに変わった軍の在り方と命令伝達方に慣らせます。それからは毎年冬が来るまでの間、水と戦う日々が続くでしょう。ガンホウ、次呼んだ時には後ろに居るお前へ従う者たちだけではなく、山部族の主だった氏族全員をこの場に連れて来なさい。その時お前がきちんとわたしの意を汲んでいれば、今回の小細工を許します」


「は、ははっ! 御意! ご寛恕、感謝いたします」


「この三部族の結びつきが強固であれば、分裂している水と火の何を恐れましょうか。しかも強大であったケイは過去に無いほどの乱世となっており、今までのように我らへ干渉する余裕も少ない。天が、草原が、風がわたしたちにとてつもない祝福をくださっているのです!

 お前達、我等の未来にはかつてない栄誉と繁栄がある。わたしに付いてきなさい。誰も成し得なかった偉業を成し遂げますよ!」


「「「「「「御心のままに!!!」」」」」」

皆様、物見櫓様がラスティル・ドレイクの絵と、ダン陣営を纏めた絵を下さいました。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

以下のように仰せです。

現時点では不明ですが、1話でダンが助けられた際は皮鎧、あとどこかの話で露出が多い的な言葉があったのでそれを参考に描きました。腰に巻いている外套のしたはスパッツ的なもの。

カルマ領は寒いでしょうけど、超便利な魔力なんていう不思議パワーがあるから大丈夫でしょ(投げやり)

ダンをからかう言動が多いラスティルさんですが、ダン陣営4人の中では一番の常識人。

グレースとフィオにあからさまに死亡フラグが立ってて忘れがちだが、この人の死亡フラグもまだ消えてないんだよなぁ。


レスターの、気候は、冬の最低気温-11度、夏の最低気温18度、とかなり寒い……つもりです。

で、でも女性は北海道でもミニスカート履くし!

そ、それとお言葉通り耳が長い人たちは体が強いんです。

慣れてくれば寒くても結構大丈夫なんです。

それがラノベなんです。多分。

てことで、露出の多……いえ、素敵な絵を有難うございます。

網タイツを思わせるブーツが良い女アッピルしてて考えが深いなと感心しきりです。

ヘソ辺りの服が風で動くだけで動揺しそうな私です。

ついつい出番が減りがちなラスティルですけど、頑張って魅力的に書いていきたいと思わせて下さる絵で御座いました。

皆様の絵への感想、何でしたらこちらのピクシブに書いて下さっても私は大変嬉しゅうございます。

ttp://www.pixiv.net/member.php?id=794715

しかし……こうやって並べられますとダンがめっちゃ浮いて、いえ、沈んでますね。

ま、意地でも申しますが元俺らのつもりですし。

こんな有能美女たちに囲まれて場違い感無かったらおかしいでしょう。

よく読んで描いて下さり嬉しい限りざます。

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