第三話 現実逃避したくなることだってある
Side 信孝
俺と妹紅は噂の輝夜姫を一目見るため、屋敷を出て輝夜姫がいるという屋敷に向かったんだが、そこには…
「会わせろ!! 今日の俺は昨日までの俺とは違う! 今回は、この俺がこれ以上のものは出来ないというほどの会心の出来の和歌が出来たんだ! これを姫に渡すまで俺は此処をどかぬ!!!」
「だからそれは我々が渡しますので、返歌は後日ということで今日のところはお引き取りくだされ不比等様!!」
「黙れぃ!! そういってお主らはこれを処分するつもりだろう! そのようなことは俺は決して認めぬ!」
「くっ・・・、 者共、出会え、出会えー! この変人を屋敷の外につまみ出せっ!!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁぁ!!! その程度でこの藤原不比等が引き下がると思うたかぁ!!!」
「なぁ妹紅? 確かここで合ってるよな?」
「ああ。 最近父上が何度もここに出入りしてるって衛士達がよくいってたからな」
「…ならあそこで無駄に熱い雰囲気を出しながら、輝夜姫に会おうとしている俺たちがよく知っている顔をしたおっさんは誰だ?」
「………人違いだ!」
なんか〇岡修造並に熱い雰囲気を出している藤原不比等がそこにいた。
「ぬぅ…、あくまで俺の邪魔をする気か!! ならば実力行使よ!!」
ついに不比等のおっちゃん対警備兵20人の戦いが始まった。
…不比等のおっちゃんの背後に守護霊みたいな感じで〇IOっぽい吸血鬼が憑いているのは目の錯覚だろ。 うん!
「ていうか、何で20人相手に互角で戦えるんだよあのおっちゃんは?」
「きっとあの無駄に鍛えた筋肉のおかげじゃないのか?」
「そうか…」
…どこぞの格闘家よりも遥かに筋肉のついた不比等のおっちゃんならそれで納得できちまうな…。
「甘い甘い甘い! 里〇茜特製ワッフルやリン〇ィの砂糖茶よりも甘いわぁ!! その程度ではこの不比等の熱い魂は止められぬぅ!!!」
「くそっ! おい! 屋敷にいる全警備兵を呼べ! 総員でこの変態を取り押さえるぞ!」
「「「応っ!!」」」
…何でおっちゃんの口からON〇ネタと英語が普通に出てくるんだよ?
変人だと思っていたが、ついに未来からの怪電波でも受信したのか?
そんな感じでしばらくバトっていたおっちゃんだったが、警備兵を16人程のしたところでついに御用となり、いつの間にかいた麻呂に首根っこを掴まれて屋敷へと連行されていった。
仮にも父親なのにそんな扱いをして良いのだろうか麻呂よ・・・?
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・さて、今なら警備兵に見つからずに屋敷に潜入出来るだろうから、いくぞ妹紅」
「あっ、待てよ信孝!」
信孝 side out
Side 輝夜
「やっといなくなったわね・・・」
またあの暑苦しい人(……確か藤原不比等って名前だったかしら?)がやってきた。
今日でもう10日連続なのによく飽きないわね。
そこまで思われるのは女としては嬉しいものだし、悪い人ではないと思うんだけど、あの暑苦しささえなければ…ねぇ?
「あーもう! 何でこんなに求婚ばっかされるのよ! それに噂の姫だからって理由で簾の中から出ずに誰もが見惚れるような絶世の姫のように振舞うのは退屈だし疲れるのよ!」
今、誰もこの近くにいないのをいいことに寝そべりながら思いの限りを叫んでみた。
大声出すのって気分がすっきりするから、いい憂さ晴らしよね♪
だけど、今回に限ってはそれは失敗だった。
「多分ここが輝夜姫のいる場所だったは・・・・」
「ちょっとどうしたんだよ信孝、中に何があ・・・」
……見知らぬ同い年くらいの男の子と女の子が目の前にいた。
しかも仰向けになって叫んでいたから、彼等の目には私の下半身が丸見えというわけで…
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・み」
「み?」
「見られたぁぁぁぁぁ!!!?」
まさか私のイメージを崩されるどころか、大事な場所まで異性に見られるなんて! 何としても口封じしないと・・・!
「イイ! このことは黙ってなさいよ! 黙ってないと承知しないわよ!?」
「分かった! 分ったから首を絞めるのだけはやめてくれ・・・!」
「え……!? あっ! ご、ごめんなさい!」
私は慌てて手を離した。 危うく殺人犯になるところだったわ・・・。
暫くの後、私はようやく復活した男の子と一緒にいた女の子と向かい合った。
「それで、勝手に人の部屋に入ってきたあなたたちはいったい誰かしら?」
「あぁ勝手に入ってすまんな、俺の名前は藤原民部少輔信孝だ」
「…私は藤原妹紅だ。」
そう、藤原信孝に藤原妹紅ね。 ……ん?
「藤原? ひょっとしてあなたたちは不比等の親類?」
「ああ。 俺は不比等のおっちゃんの甥で今は養子になってる」
「私は不比等の長女さ」
「本当に・・・?」
あの変人とあなたたちでは全く共通点が見えないんだけど?
2人とも熱気を纏っていないみたいだし…
「まぁ、その気持ちはよく分かるが本当だ。 因みに藤原家はおっちゃんの二男の房前以外はどいつもこいつもロクでもない奴ばっかだぞ」
「そ、そうなの?」
「ちょっと待て信孝、そうしたらそのロクでもない奴らの中に私も入ってるってことだよな?」
「待て妹紅、お前はロクでもない奴じゃねぇ。 ただ握力と関節技がハンパない女性なだけだ」
「それ絶対私のこと蔑んでいるよな!?」
「そうだ! って痛い痛い!! 妹紅、その関節はそっちに曲がらな…!」
突然、目の前で一方的な暴行現場が繰り広げられていた。
アレの血を受け継いだ子供・・・、なんかロクでもない奴しか想像できないわね。
それに、貴方たちも立派にあの変人の血を色濃く受け継いでいるわよ。
それでも、この二人ならまともそうだし私の遊び相手になってくれるかも・・・!
彼らの話を聞く限り、他の藤原家の人は揃いもそろって変人ばかりだから他に選択肢がなかったとも言うけど・・・。
「ま、まあいいわ。 それよりあなたたちに頼みたいことがあるのだけど」
「ん? 何だ?」
「私の遊び相手になってくれないかしら? いままでずっと求婚の相手ばっかしてて退屈だったのよ」
「ん~、どうする妹紅?」
「私? 別にいいんじゃないか?」
「そっか。 いいぜ、遊び相手とは言わず俺達と親友になろう」
「え・・・親友?」
親友・・・今までの長い生の中で私は親友と呼べる者など1人もいなかった。
いたのは従者と親族と教師だだけったし、その中で私と対等に付き合えたのは永琳だけ・・・。
その永琳だって表向きは教師だから完全に友と呼べるような関係ではなかった。
そんな私にとって親友になろうなんて言われたのは初めてだわ。
「本当にいいのかしら? 私と親友になって?」
「いいに決まってるだろ。 こんな美人な姫様と親友になれるなら俺としては嬉しい限りだからな。 これからよろしくな輝夜|《にぱー☆》」
「な・・・///!!」
な、なんて笑顔するのかしら。
この私がここまで動揺するなんて、こんな気持ちになるのは初めてだわ。
「・・・信孝」
「(…しまった! 梨花スマイルは輝夜には効果抜群だったのか!?)ん? どうした妹・・・紅!? な、なんでそんな怖い笑顔してるんデショウカ?」
「そろそろ帰るから。 逝くぞ」
「ちょっ、それ字が違うっていたいイタイイタイ!!! さっき|(第二話参照)握りつぶされそうになった右腕を握るのはやめてえぇぇぇぇ!!!!」
「あ・・・」
行っちゃった。 出来ればもう少し彼と話したりしたかったんだけど・・・。
「ま、その内またやってくるわよね」
次に会うのを期待ってことにしておこうかしら。
その時にはもっと彼と親密になってみようかしら・・・♪
輝夜 side out
Side 信孝
~その後~
「信孝ぁ、あれほどあの笑顔するなって言っただろうが!!(アレのせいで何人の女がやられたと思ってんだ!)」
「痛いってだから右腕ばっか狙って変な方向に曲げるのはやめてぇ!!」
この妹紅の折檻で、俺は右腕を骨折(全治2ヶ月)することとなった。
チートボディなのに骨折させる妹紅に恐怖を抱く今日この頃。
・・・ホントにチートボディにしてくれたのか駄神よ?
まさかこんな産廃みたいな小説をお気に入り登録してくださりありがとうございました。
更新ペースは気まぐれや大学等で変化することも多いと思いますが、完結だけはするよう頑張りますのでささやかな応援よろしくお願いいたします。
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